黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきん感染症かんせんしょう

(ブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょう)

完全なレビュー: 2025年 7月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2025年 7月
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黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきんとは何なんですか?

ブドウ球菌きゅうきん(Staphylococcus)は、一般的いっぱんてきな細菌さいきん群ぐんのことです。ブドウ球菌きゅうきんの中なかには、皮膚ひふや環境かんきょう中なかに普段ふだんから生息せいそくし、病気びょうきを引ひき起おこさないものもあります。その他たの種類しゅるいのブドウ球菌きゅうきん、特とくに黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきん(Staphylococcus aureus)は、重篤じゅうとくな感染症かんせんしょうを引ひき起おこす可能性かのうせいがあります。そのような感染症かんせんしょうは、ブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうと呼よばれることがあります。

  • 他ほかの人ひとから、または細菌さいきんがついている物ものに触ふれることで、ブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうにかかることがあります。

  • ブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうは軽かるく済すむこともあれば、命いのちにかかわることもあります。

  • ブドウ球菌きゅうきんは血流けつりゅうに入はいると、臓器ぞうきに問題もんだいを起おこすことがあります。

  • 医師いしは黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうを抗菌薬こうきんやくで治療ちりょうします。

  • ブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうの多おおくには、一般的いっぱんてきな抗菌薬こうきんやくが効ききません。

  • 念入ねんいりに手てを洗あらうことが、ブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうの予防よぼうに役立やくだちます。

MRSAとは何なんですか?

以前いぜんは多おおくの種類しゅるいの抗菌薬こうきんやくでブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうを治なおすことができましたが、現在げんざいでは、ブドウ球菌きゅうきんの多おおくが最もっとも強力きょうりょくな抗菌薬こうきんやくを除のぞいたあらゆる抗菌薬こうきんやくに対たいする耐性たいせいをもっています。一般的いっぱんてきなグループの抗菌薬こうきんやくでは完全かんぜんに治なおすことができない黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきんを、MRSA(メチシリン耐性黄色たいせいおうしょくブドウ球菌きゅうきん)といいます。MRSAやその他たのさらに耐性たいせいの強つよいブドウ球菌きゅうきんが、特とくに病院内びょういんないで多おおくみられるようになってきています このような菌きんによる感染症かんせんしょうは、治療ちりょうするのが困難こんなんです。

黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうの原因げんいんは何なんですか?

黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうは以下いかのように簡単かんたんに感染かんせんが広ひろがる可能性かのうせいがあります。

  • 感染かんせんした人ひとに触ふれる

  • 細菌さいきんがついている物もの(ジムの器具きぐ、電話でんわ、ドアのノブ、リモコン、エレベーターのボタンなど)に手てで触ふれる

ブドウ球菌きゅうきんは通常つうじょう、以下いかから感染かんせんします。

  • 皮膚ひふ

しかし、ブドウ球菌きゅうきんは血流けつりゅうに乗のって移動いどうし、心臓しんぞうの弁べんや骨ほねなど、体からだの中なかのほぼどこにでも感染かんせんします。また、ペースメーカー、人工関節じんこうかんせつ、心臓弁しんぞうべんなど、体内たいないの医療機器いりょうききに付着ふちゃくすることもあります。

ブドウ球菌きゅうきんのキャリアとは何なんですか?

皮膚ひふの表面ひょうめんや鼻はなの中なかにブドウ球菌きゅうきんがいても、症状しょうじょうが何なにも現あらわれない人ひともいます。このような状態じょうたいの人ひとはキャリア(保菌者ほきんしゃ)と呼よばれます。キャリアは他ほかの人ひとに細菌さいきんをまき散ちらして感染かんせんさせることがあります。病院びょういんで働はたらいている人ひとや入院にゅういんしている患者かんじゃはキャリアである可能性かのうせいが高たかくなります。

黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうにはどのような症状しょうじょうがありますか?

皮膚ひふに黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきんが感染かんせんすると、以下いかの症状しょうじょうがみられることがあります。

  • 皮膚ひふの痛いたみと赤あかみ(蜂窩織炎ほうかしきえん、ほうかしきえん)

  • 白色しろいろや黄色きいろの液体えきたいで満みたされたかゆみや痛いたみのある水みずぶくれが破やぶれて、かさぶたが残のこる(膿痂疹のうかしん、のうかしん)

  • 痛いたみのある、膿うみがたまった皮膚ひふの下したの腫はれ(膿瘍のうよう、のうよう)

体からだのどこかに黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうがあると、以下いかのような他ほかの症状しょうじょうが現あらわれることがあります。

  • 乳房にゅうぼうの感染症かんせんしょう(乳腺炎にゅうせんえん、にゅうせんえん):乳房にゅうぼうが痛いたみ、赤あかくなり、膿瘍のうよう(うみがたまったもの)ができますが、これは通常つうじょう、母乳ぼにゅうをあげ始はじめてから1~4週間後しゅうかんごの母親ははおやによくみられます

  • 肺感染症はいかんせんしょう(肺炎はいえん):しばしば高熱こうねつ、息切いきぎれ、血液けつえきの混まざった痰たんがでるせき

  • 血液けつえき感染症かんせんしょう(敗血症はいけつしょう、はいけつしょう):高熱こうねつ、ときに危険きけんなまでの血圧けつあつの低下ていか(敗血症性はいけつしょうせいショック)

  • 心臓弁しんぞうべん感染症かんせんしょう(心内膜炎しんないまくえん、しんないまくえん):発熱はつねつと息切いきぎれ — これは命いのちに関かかわる可能性かのうせいがあります

  • 骨ほねの感染症かんせんしょう(骨髄炎こつずいえん、こつずいえん):寒気さむけ、発熱はつねつ、骨ほねの痛いたみがあり、その骨ほねの上うえの皮膚ひふが赤あかくなって腫はれる

黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきん(Staphylococcus aureus)による皮膚感染症ひふかんせんしょうの例れい
せつ(おでき)

この写真しゃしんのせつ(おでき)は、腫はれて圧痛あっつうがあり、内部ないぶには膿うみがたまっています。

この写真しゃしんのせつ(おでき)は、腫はれて圧痛あっつうがあり、内部ないぶには膿うみがたまっています。

Photo provided by Thomas Habif, MD.

まゆ毛げの下したに生しょうじたせつ

この女性じょせいでは、まゆ毛げの下したに炎症えんしょうを起おこした赤あかいせつがみられます。

この女性じょせいでは、まゆ毛げの下したに炎症えんしょうを起おこした赤あかいせつがみられます。

DermPics/SCIENCE PHOTO LIBRARY

膿痂疹のうかしん(のうかしん)

膿痂疹のうかしんでは、水疱すいほうが複数ふくすう集あつまって出で現あらわし、それらが破やぶれてハチミツのような色いろの痂皮かわが形成けいせいされます。

膿痂疹のうかしんでは、水疱すいほうが複数ふくすう集あつまって出で現あらわし、それらが破やぶれてハチミツのような色いろの痂皮かわが形成けいせいされます。

Image courtesy of Thomas Habif, MD.

小児しょうにの膿痂疹のうかしん

この膿痂疹のうかしんの小児しょうにの写真しゃしんでは、黄色きいろいかさぶたを伴ともなった皮膚ひふのただれがみられます。

この膿痂疹のうかしんの小児しょうにの写真しゃしんでは、黄色きいろいかさぶたを伴ともなった皮膚ひふのただれがみられます。

DR P.MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY

医師いしはどのようにして、黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうかどうかを判断はんだんしますか?

医師いしは通常つうじょう、診察しんさつをすれば、黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうと判断はんだんできます。他ほかの部位ぶいに黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうがないかを判断はんだんするために、医師いしは以下いかのような検査けんさをします。

  • 血液検査けつえきけんさ

  • 感染かんせんした体液たいえきの検査けんさ

医師いしは黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうをどのように治療ちりょうしますか?

医師いしは黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうを抗菌薬こうきんやくで治療ちりょうします。病院内びょういんないで感染かんせんした場合ばあいは、医師いしはMRSAに効果こうかのある抗菌薬こうきんやくを投与とうよします。

  • ときに、皮膚ひふの感染症かんせんしょうは、皮膚ひふに塗ぬる軟膏なんこうで治療ちりょうできることがあります。

  • 皮膚ひふの感染症かんせんしょうがより重おもい場合ばあいは、抗菌薬こうきんやくを飲のみ薬ぐすりで投与とうよするか、ときに静脈じょうみゃくに注射ちゅうしゃします。

  • 骨ほねの感染症かんせんしょうでは、通常つうじょう、感染かんせんが起おきた骨ほねの組織そしきを取とり除のぞく手術しゅじゅつが必要ひつようになります。

  • 膿瘍のうようがある場合ばあいは、医師いしが切開せっかいして膿うみを排出はいしゅつします。

黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうはどうすれば予防よぼうできますか?

  • 石せっけんと水みずで念入ねんいりに手てを洗あらうか、手ての消毒液しょうどくえきを使つかいましょう。

  • 皮膚ひふに黄色おうしょくブドウ球菌感染症きゅうきんかんせんしょうが起おきている場合ばあいは、他ほかの人ひとのために料理りょうりをしたり、食事しょくじを用意よういしたりしないでください。

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