耳の痛みの主な原因と特徴

原因

一般的な特徴* †

診断的アプローチ

中耳

急性の耳管閉塞(例えば、かぜアレルギーによる)

軽度から中程度の不快感

ゴボゴボ、パチパチ、ポンというような音、鼻づまりがある場合もない場合もある

発症した耳の聴力低下

ときに医師の診察のみ

ときに聴力検査

気圧の変化(圧外傷

激しい痛み

最近、急激な気圧の変化があった(飛行機旅行やスキューバダイビングなど)

しばしば鼓膜上または鼓膜の奥に出血が視認できる

ときに医師の診察のみ

ときに聴力検査

乳様突起炎

最近の中耳の感染

耳の後ろの赤みや圧痛

しばしば発熱や耳だれ

通常は医師の診察のみ

ときにCT検査

中耳炎(急性または慢性

激しい痛み、しばしばかぜの症状を伴う

膨らんだ赤い鼓膜

小児で多い

ときに耳だれ

ときに医師の診察のみ

ときに聴力検査

感染性鼓膜炎(鼓膜の感染)

激しい痛み

鼓膜の炎症

鼓膜の表面に小さな水疱がみられる

医師の診察のみ

耳帯状疱疹

激しい痛み

外耳の水疱または膿疱

難聴や顔面の筋力低下を伴うことがある

医師の診察のみ

外耳

耳あかまたは異物が詰まっている

医師による診察の際に見える

異物はほぼ小児のみ

医師の診察のみ

けが

通常は耳そうじをしようとした人にみられる

医師による診察の際に見える

医師の診察のみ

外耳炎(急性または慢性

かゆみや痛み(慢性外耳炎ではかゆみが多く、不快感は軽いもののみ)

しばしば、水泳や繰り返し水にさらされた経験がある

ときに、悪臭のある耳だれ

外耳道が赤く腫れ、膿のような物質で満たされている

ときに医師の診察のみ

悪性外耳道炎(頭蓋骨に及ぶ感染)が疑われる場合はCT検査

頭頸部の構造による原因‡

咽頭(のど)、扁桃、舌の付け根、喉頭、または鼻腔と、上咽頭のがん

慢性の不快感

しばしば、長期間の喫煙歴または飲酒歴

ときに、圧痛を伴わない首のリンパ節の腫れ

通常は高齢者にみられる

ガドリニウム造影剤を用いたMRI検査

ファイバースコープによる内視鏡検査と目に見える病変の採取と検査(生検)

感染(扁桃、扁桃周囲膿瘍)

ものを飲み込むときに痛みが非常に強くなる

のどや扁桃の目に見える赤み

ときに医師の診察のみ

ときに培養

神経痛(神経の炎症、例えば、舌咽神経の炎症

1秒続かない非常に強く鋭い痛みが頻繁に起こる

医師の診察のみ

顎関節疾患

あごを動かすと悪化する痛み

顎関節が滑らかに動かない

医師の診察のみ

*特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

†中耳と外耳の病気の患者では、多くの場合、ある程度の難聴がみられます。

‡一般的な特徴として、耳の診察結果は正常です。

CT = コンピュータ断層撮影、MRI = 磁気共鳴画像。