けいれん発作の治療に用いられる薬剤

薬剤

用途

主な副作用

アセタゾラミド

他の抗てんかん薬で効果が得られない欠神発作

腎結石、脱水、血液中の化学物質のバランスの乱れ

カンナビジオール

ドラベ症候群

レノックス-ガストー症候群における強直発作または脱力発作*

眠気、肝傷害、食欲不振、疲労、不眠、下痢

カルバマゼピン

焦点起始発作

二次性の全般起始発作(焦点起始両側強直間代発作を含む)

白血球数の減少(顆粒球減少症)、血液細胞の生産の減少(再生不良性貧血、ときに致死的)、血小板数の減少(血小板減少症)、重度の発疹、消化器の不調、肝傷害、話し方が不明瞭になる(構音障害)、嗜眠、めまい、複視

セノバメート(cenobamate)

焦点起始両側強直間代発作†の有無を問わず焦点起始発作

めまい、複視、眠気、疲労、まれに自殺念慮

クロバザム

欠神発作(absence seizure)

ドラベ症候群

他の抗てんかん薬で効果が得られない焦点起始または焦点起始両側強直間代発作†

ときに、レノックス-ガストー症候群における強直発作または脱力発作*

眠気、便秘、協調運動障害、希死念慮(自殺を考えること)、薬剤への依存、易怒性、嚥下困難

クロナゼパム

脱力発作

レノックス-ガストー症候群における非定型欠神発作*

てんかん性スパズム(epileptic spasm)(点頭てんかん[infantile spasm])

ミオクロニー発作

眠気、異常行動、協調運動障害、1~6カ月後に薬剤の効果が消失

ジバルプロエックス(divalproex)‡

欠神発作(absence seizure)

てんかん性スパズム

熱性けいれん

焦点起始発作

全般起始強直間代発作

若年性ミオクロニーてんかん

ミオクロニー発作

新生児けいれん

レノックス-ガストー症候群における強直発作または脱力発作*

吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、一時的な眠気、めまい、振戦(ふるえ)、脱毛(回復可能)、体重増加、肝傷害

脊髄、脊椎、または脳の先天異常(神経管閉鎖不全)のリスクは、他の抗てんかん薬よりもやや高い

エスリカルバゼピン(eslicarbazepine)

焦点起始発作

めまいまたはふるえ、複視またはかすみ目、眠気、頭痛、吐き気、嘔吐、血中ナトリウム濃度低下、希死念慮(自殺を考えること)、発疹などの皮膚反応(ときに重篤)

エトスクシミド

欠神発作(absence seizure)

吐き気、嗜眠、めまい、頭痛、発疹、(すべての種類の)血球数の減少

フェルバメート(felbamate)

他の抗てんかん薬で効果が得られない場合にのみ使用される

レノックス-ガストー症候群における非定型欠神発作*

焦点起始発作

頭痛、疲労、肝不全、まれに再生不良性貧血(ときに致死的)

ホスフェニトイン§

焦点意識減損発作

てんかん重積状態

焦点起始両側強直間代発作†

頭部外傷後の発作の予防

協調運動障害、眠気、めまい、頭痛、かゆみ、ピリピリ感

ガバペンチン

焦点起始発作

焦点起始両側強直間代発作†

眠気、めまい、体重増加、頭痛

小児では、眠気、攻撃的行動、気分の変動、多動性

ラコサミド

焦点起始発作

めまい、複視、希死念慮(自殺を考えること)

ラモトリギン

焦点起始発作

レノックス-ガストー症候群における全般起始発作*

全般起始強直間代発作

吐き気、嘔吐、便秘、頭痛、眠気、めまい、不眠、疲労、協調運動障害、複視、振戦、月経異常、発疹

レベチラセタム

焦点起始発作

若年性ミオクロニーてんかん

ミオクロニー発作

全般起始発作

てんかん重積状態

めまい、筋力低下、疲労、協調運動障害、気分や行動の変化

オクスカルバゼピン

焦点起始発作

頭痛、腹痛、複視、眠気、めまい、疲労、吐き気、血中ナトリウム濃度の低下

ペランパネル

焦点起始発作

全般起始強直間代発作

攻撃性、気分と行動の変化、希死念慮(自殺を考えること)、めまい、疲労、易怒性、転倒、眠気、吐き気、嘔吐、頭痛、体重増加、腹痛、歩行の異常

フェノバルビタール

焦点起始発作

全般起始強直間代発作

新生児けいれん

てんかん重積状態

眠気、眼球運動の異常(眼振)、協調運動障害、貧血、発疹

小児では多動性と学習困難

フェニトイン§

焦点意識減損発作

焦点起始両側強直間代発作†

てんかん重積状態(フェニトインを静脈内投与した場合)

頭部外傷後の発作の予防

歯肉の腫れ、赤血球数の減少(貧血)、骨密度の低下、過剰な体毛(男性型多毛症)、発疹、リンパ節の腫れ

フェニトインを高用量で使用した場合、協調運動障害、話し方が不明瞭になる、眼球運動の異常、嗜眠、錯乱、眠気、吐き気、嘔吐

プレガバリン

焦点起始発作

めまい、眠気、協調運動障害、かすみ目、複視、振戦、体重増加

チアガビン(tiagabine)

焦点起始発作

眠気、めまい、錯乱、思考の鈍り、腹痛、疲労、吐き気、振戦

トピラマート

非定型欠神発作

ドラベ症候群

焦点起始発作

全般起始強直間代発作

錯乱、集中力の低下、言葉を選ぶのが困難、疲労、食欲不振、体重減少、しびれやピリピリ感、発汗の減少、腎結石

バルプロ酸‡

欠神発作(absence seizure)

ドラベ症候群

熱性けいれん

焦点起始発作

全般起始強直間代発作

てんかん性スパズム

若年性ミオクロニーてんかん

ミオクロニー発作

新生児けいれん

レノックス-ガストー症候群における強直発作または脱力発作*

てんかん重積状態

吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、体重増加、脱毛(回復可能)、一時的な眠気、振戦、まれに肝傷害

脊髄、脊椎、または脳の先天異常(神経管閉鎖不全)のリスクは、他の抗てんかん薬よりもやや高い

ビガバトリン

てんかん性スパズム

焦点起始発作

眠気、めまい、頭痛、疲労、永続的な視覚障害

ゾニサミド

焦点起始発作

ときに、レノックス-ガストー症候群における強直発作または脱力発作*

眠気、疲労、めまい、錯乱、言葉を選ぶのが困難、協調運動障害、腎結石、食欲不振、体重減少、吐き気

*非定型欠神発作、脱力発作、強直発作は、通常レノックス-ガストー症候群と呼ばれる、4歳未満の小児に発生する重症てんかんの症状としてみられます。

†焦点起始両側発作は、脳の片側から始まり両側に広がる発作です。

‡ジバルプロエックス(divalproex)とバルプロ酸は類似の薬剤です。

§ホスフェニトインとフェニトインは類似の薬剤です。