妊娠中の尿路感染症

執筆者:Jessian L. Muñoz, MD, PhD, MPH, Baylor College of Medicine
Reviewed ByOluwatosin Goje, MD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University
レビュー/改訂 修正済み 2024年 9月
v812861_ja
プロフェッショナル版を見る

尿路感染症は妊娠中によく起こります。これは、大きくなった子宮と妊娠中に分泌されるホルモンの影響から、尿管(腎臓と膀胱をつないでいる管)を通る尿の流れが遅くなるためと考えられています。尿の流れが遅くなると尿管から細菌が洗い流されにくくなり、感染症のリスクが高くなります。

妊婦の尿路感染症によって以下のリスクが上昇します。

  • 妊婦の重度で、生命を脅かすこともある感染症

  • 切迫早産

  • 出生時体重が低い

膀胱または腎臓に尿路感染症が生じることがあります。症状には、排尿時の痛み、頻尿、尿意切迫感、血尿、上背部痛、発熱などがあります。

尿路感染症の症状がなくても、尿が細菌に侵されていることがあり、したがって、通常医師は症状のない妊婦に対しても尿検査を行って、細菌が検出されないかどうかを調べます。妊婦で尿中に細菌が検出された場合や腎臓の感染症がある場合には、尿のサンプルを毎月採取して検査します。

腎臓の感染症(骨盤内腎炎)は妊婦では重症になりやすく、細菌が全身に広がり、生命にかかわることもあります(敗血症)。

尿路感染症に対しては抗菌薬による治療が行われます。セファレキシン、ニトロフラントイン、トリメトプリム/スルファメトキサゾールがよく使用されます。ニトロフラントインとトリメトプリム/スルファメトキサゾールは、他の代替薬が利用できない場合の第1トリメスター【訳注:日本でいう妊娠初期にほぼ相当】にのみ使用されます。膀胱感染症を複数回起こしたことがある場合や、腎臓の感染症を起こしたことがある場合には、再び尿路感染症を起こさないよう、妊娠期間を通じて抗菌薬を服用しなければなりません。

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS