関節のこわばりとは、関節の動きが制限されている感覚や、動かすのが難しいという感覚です。
この感覚の原因は、筋力の低下でも、痛みのために関節を動かしたくなることでもありません。こわばりがあっても、その関節を正常な可動域全体にわたって動かせる人もいますが、そうするには力を込めなければならない場合があります。炎症を原因とする関節のこわばりが起こったり悪化したりするのは、通常は、起床直後か、長時間安静にしていたり、体を動かせずにいた後です。こわばりは、関節炎でよくみられます。朝のこわばりは、関節リウマチや他のタイプの炎症性関節炎でよく起こり、活動することで、1時間かそれ以上経過した後に徐々に和らいでいきます。1日のうち、時間が進むにつれて悪化するこわばりは、通常は炎症によって起こるものではありません。
患者の他の症状と身体診察の結果から、こわばりの原因を診断できることもあります。関節炎の種類によって、こわばりの生じる関節が異なることがあります。こわばりの続く長さも手がかりになります。例えば、こわばりが15分よりも短ければ、おそらくその関節には炎症はありません。こわばりが、動きによる痛みや筋力低下によるものでないことを確認するために、診察を受けます。医師は、関節だけでなく筋肉も調べ、こわばりがパーキンソン病で起こるような筋肉の硬直でも、脳卒中や脊髄の病気で起こるような筋肉のけい縮でもないことを確認します。関節のこわばりの原因は炎症性関節炎であることが多いため、血液検査(例えば、リウマトイド因子の測定)とX線検査または超音波検査を行うことがあります。
こわばりは、原因の病気を治療することで軽減します。ストレッチや理学療法、起床後に熱いシャワーを浴びることで、こわばりが和らぎ、活動を行う能力が改善されることがあります。