混合性結合組織病(MCTD)

執筆者:Kinanah Yaseen, MD, Cleveland Clinic
Reviewed ByBrian F. Mandell, MD, PhD, Cleveland Clinic Lerner College of Medicine at Case Western Reserve University
レビュー/改訂 修正済み 2024年 11月
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混合性結合組織病とは、一部の医師が使う用語であり、全身性エリテマトーデス全身性強皮症多発性筋炎の特徴を合わせ持つ全身性リウマチ性疾患を指します。

  • レイノー症候群、関節痛、皮膚の様々な異常、筋力低下、内臓の問題が発生します。

  • 診断は症状や特徴的な抗体の濃度を測定する血液検査の結果に基づきます。

  • 治療は、症状の重症度によって異なり、非ステロイド系抗炎症薬、ヒドロキシクロロキン、コルチコステロイド、免疫抑制薬、またはその組み合わせが使用されることがあります。

混合性結合組織病は、男性よりも女性に多くみられます。世界中でみられ、すべての人種が侵され、発生率が最も高いのは青年期です。

混合性結合組織病の原因は不明ですが、自己免疫疾患の一種です。自己免疫疾患とは、体内で作られた抗体や細胞によって自身の組織が攻撃される病気です。

混合性結合組織病の症状

混合性結合組織病の典型的な症状は、レイノー症候群(手の指が突然青白くなってチクチクしたり、寒冷や感情的な動揺に対する反応としてしびれや皮膚の蒼白がみられたりします)、関節の炎症(関節炎)、手の腫れ、筋力低下、胸やけ、息切れです。レイノー症候群は、その他の症状がみられる何年も前から先行することがあります。どのように始まるかとは関係なく、混合性結合組織病は悪化する傾向があり、症状が体の数カ所に広がっていきます。

全身性エリテマトーデスに類似した発疹が生じることがあります。指の皮膚が硬くなったり指先にびらんが生じるなど、全身性強皮症に類似した皮膚の変化がみられることもあります。

混合性結合組織病では、ほぼすべての患者が関節にうずくような痛みを感じます。患者の約75%では、関節炎で一般的にみられる腫れと痛みが生じます。混合性結合組織病では、筋肉の線維に損傷が起こるため、筋力の低下や筋肉の痛みを感じることがあり、特に肩や殿部でよくみられます。腕を肩より上に上げる、階段を上る、椅子から立ち上がるなどの動作が非常に困難になる場合があります。

混合性結合組織病のある患者の最大75%で、肺が侵されます。肺の周りに体液が貯まることがあります(胸水)。肺にある空気の袋(肺胞)の周囲にある組織を侵す間質性肺疾患は、息切れを起こすことがあるため、最も深刻な問題となる可能性があります。肺高血圧症は、死亡の主な原因となる疾患で、心臓から肺につながる動脈(肺動脈)の血圧が異常に高くなる病気です。

心膜炎心筋炎など、心臓の炎症を引き起こす病気が発生することがあります。まれに心臓の力が弱くなり、心不全に至ることもあります。心不全の症状としては、体液の貯留によるむくみ、息切れ、疲労などがあります。

約25%の患者で腎臓が侵され、その場合の損傷は、全身性エリテマトーデスが原因の場合と比べれば軽いものとなるのが通常です。

他の症状として、発熱、リンパ節の腫れ、腹痛などがあります。

シェーグレン症候群を発症することもあります。時間が経過するにつれて、多くの患者に、全身性エリテマトーデス全身性強皮症でみられる典型的な症状が現れます。

混合性結合組織病の診断

  • 血液検査

  • ときにその他の検査

混合性結合組織病の診断は、症状、身体診察の結果、すべての検査結果など、医師が集めたすべての情報に基づいて下されます。

全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎の症状が重複している場合には、混合性結合組織病が疑われます。

血液検査を行って、混合性結合組織病患者のほとんどで認められる、抗核抗体(ANA)とリボ核タンパク(RNP)に対する抗体の濃度を測定します。この病気の可能性が最も高いのは、これらの抗体の量が多く、なおかつ類似する病気で認められる他の抗体が検出されない人です。血液検査の結果はこの病気の診断を下すのに役立ちますが、そこで検出される異常がときとして健康な人や別の病気の人でみられることがあるため、それだけでは混合性結合組織病の診断を確定することはできません。

肺高血圧症の有無を判定するため、医師は肺を評価する肺機能検査と心臓を評価する心エコー検査を行います。他の臓器が侵されていることが疑われる場合は、問題を検出するために、MRI検査や筋生検(検査のために筋肉の組織を一部採取すること)など他の検査を行うことがあります。

混合性結合組織病の治療

  • 軽症の場合、非ステロイド系抗炎症薬、抗マラリア薬、またはごく低用量のコルチコステロイド

  • 中等症から重症の場合、コルチコステロイドや免疫抑制薬

  • その他の症状に対して必要なその他の治療

混合性結合組織病の治療は、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、特発性炎症性ミオパチーの治療と同様です。通常はコルチコステロイド(免疫抑制薬の一種)が有効で、早期に診断された場合には特に有効です。

軽症の場合は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、抗マラリア薬(ヒドロキシクロロキンやクロロキンなど)、ごく低用量のコルチコステロイドなどで治療できます。

中等症から重症の患者には、コルチコステロイドや、ときに他の免疫抑制薬(アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチルなど)を投与します。

より重症の患者には、コルチコステロイドを高用量で投与します。主要な臓器が重度に侵された人には、通常は高用量のコルチコステロイドと追加の免疫抑制薬が必要です。

筋炎または全身性強皮症を発症する人には、症状に基づいた治療が行われます。レイノー症候群がみられる人には、症状に基づいた治療が行われ、カルシウム拮抗薬(ニフェジピンなど)や血流を増やす薬(シルデナフィルやタダラフィルなど)が投与されることがあります。

コルチコステロイドを服用している患者では、骨粗しょう症に伴う骨折リスクが高くなります。そのような患者では、骨粗しょう症を予防するために、ビスホスホネート系薬剤やビタミンDやカルシウムのサプリメントなど、骨粗しょう症の治療に用いられる薬が投与されます。

免疫抑制薬の投与を受けている患者には、真菌のニューモシスチス・イロベチイ(Pneumocystis jirovecii)などによる感染症を予防するための薬(易感染状態にある人の肺炎の予防を参照)のほか、肺炎インフルエンザ新型コロナウイルスなどの一般的な感染症に対するワクチンも投与します。

混合性結合組織病の患者では、動脈硬化のリスクが高く、医師は綿密なモニタリングを行い、動脈硬化特有の症状と合併症が起きた場合はその治療が行われます。

医師は、肺機能検査心エコー検査、またはその両方を、症状に応じて1~2年毎に行い、肺高血圧症がないか混合性結合組織病患者をモニタリングします。

混合性結合組織病の予後(経過の見通し)

全体的な10年生存率は約96%ですが、予後は患者の症状に大きく左右されます。例えば、主に全身性強皮症多発性筋炎の症状が認められる場合には、予後は悪くなります。

死因としては肺高血圧症、腎不全、感染症、心疾患などがあります。

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