子こどもと青年せいねんの糖尿病とうにょうびょう

完全なレビュー: 2025年 8月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2025年 8月
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糖尿病とうにょうびょうとはどのような病気びょうきですか?

糖尿病とうにょうびょうは、体からだにインスリンをつくることや利用りようすることに問題もんだいがあって、血糖けっとう(ブドウ糖とう)値ちが高たかくなりすぎる病気びょうきです。

血糖けっとうは体からだのおもなエネルギーのもとです。インスリンはあなたの体からだがつくるホルモンの一ひとつです。インスリンは血糖値けっとうちをコントロールします。血糖けっとうは、次つぎのものから来きています。

  • キャンディー、炭酸飲料たんさんいんりょう、食たべものにかけられた砂糖さとうや飲のみものに入はいっている砂糖さとうなど、食たべた糖とう(シロップとハチミツはほぼすべて糖とう)

  • 炭水化物たんすいかぶつを含ふくむ食たべもの

食たべものに含ふくまれる炭水化物たんすいかぶつは、体からだで糖とうに変かえられます。次つぎのようなたくさんの食たべものに炭水化物たんすいかぶつが含ふくまれています。

  • 小麦こむぎやトウモロコシで作つくった食たべもの(パン、パスタ、スナック菓子がし、ポテトチップスなど)

  • 豆類まめるい

  • 野菜やさい、特とくにジャガイモ、カブ、ビーツなどの根菜類こんさいるい

  • 果物くだもの

糖尿病とうにょうびょうの種類しゅるい

糖尿病とうにょうびょうには、1型がたと2型がたの2つの種類しゅるいがあります。関係かんけいのあるものとして、前糖尿病ぜんとうにょうびょう状態じょうたい(prediabetes)があります。

1型糖尿病がたとうにょうびょうでは、あなたの体からだがインスリンをまったくつくりません。

2型糖尿病がたとうにょうびょうでは、あなたの体からだはインスリンをつくりますが、体からだがインスリンに対たいして本来ほんらいあるべき形かたちで反応はんのうしません。

前糖尿病ぜんとうにょうびょう状態じょうたいでは、血糖値けっとうちが正常せいじょうより高たかいものの、糖尿病とうにょうびょうほど高たかくはありません。前糖尿病ぜんとうにょうびょう状態じょうたいは10代だいの人ひとで、体重たいじゅうがとても重じゅうすぎる(肥満ひまん)場合ばあいにより多おおくみられます。前糖尿病ぜんとうにょうびょう状態じょうたいの10代だいの人ひとの約やく半分はんぶんが、その後ご、糖尿病とうにょうびょうになります(特とくに体重たいじゅうが増ふえ続つづけた場合ばあい)。

  • 1型糖尿病がたとうにょうびょうはほとんどの場合ばあい、子こどものころに始はじまります。

  • 2型糖尿病がたとうにょうびょうが最もっとも起おこりやすいのは、太ふとりすぎや肥満ひまんの子こどもと10代だいの人ひとです。

  • 尿にょうがたくさん出でたり、のどが渇かわいたりすることが、糖尿病とうにょうびょうの初期しょきの徴候ちょうこうである可能性かのうせいがあります。

  • 1型糖尿病がたとうにょうびょうはインスリンの注射ちゅうしゃで治療ちりょうします。

  • 子こどもの2型糖尿病がたとうにょうびょうは、体重たいじゅうを減へらしたり、薬くすりを使つかったり、場合ばあいによってはインスリンも注射ちゅうしゃして治療ちりょうします。

  • 糖尿病とうにょうびょうの子こどもや10代だいの人ひとには、抑よくうつ、不安ふあん、摂食せっしょく症しょうがよく起おこり、カウンセラーに相談そうだんすることや、ほかの糖尿病とうにょうびょうの子こどもと知しり合あいになることが役やくに立たつことがあります。

糖尿病とうにょうびょうの原因げんいんは何なんですか?

  • 1型糖尿病がたとうにょうびょうでは、体からだの免疫系めんえきけいが、インスリンをつくる細胞さいぼうを攻撃こうげきします。

  • 2型糖尿病がたとうにょうびょうでは、体からだがインスリンに本来ほんらいあるべき形かたちで反応はんのうしません(インスリン抵抗ていこう性せいという状態じょうたい)。

1型糖尿病がたとうにょうびょうの子こどもは、免疫系めんえきけいが自分じぶんの体からだの細胞さいぼうを攻撃こうげきしやすくなる特定とくていの遺伝子いでんしを受うけついでいることがあります(自己免疫疾患じこめんえきしっかん)。そのような遺伝子いでんしがあると、甲状腺こうじょうせんの病気びょうきやセリアック病びょうなど、ほかの自己免疫疾患じこめんえきしっかんにもなりやすくなります。1型糖尿病がたとうにょうびょうの子こどもの近親者きんしんしゃは、糖尿病とうにょうびょうにかかる危険性きけんせいが高たかまります。

1990年代ねんだいまでは、糖尿病とうにょうびょうの子こどもはほぼ全員ぜんいんが1型糖尿病がたとうにょうびょうでした。現在げんざいでは、肥満ひまんの子こどもが増ふえたため、新あたらしく糖尿病とうにょうびょうと診断しんだんされる子こどもの約やく3分ぶんの1が2型糖尿病がたとうにょうびょうです。2型糖尿病がたとうにょうびょうは、アメリカ先住民せんじゅうみん、黒人こくじん、ヒスパニック系けい、アジア系けいアメリカ人じん、太平洋たいへいよう諸島しょとう系けいの人ひとでより多おおくみられます。

糖尿病とうにょうびょうにはどのような症状しょうじょうがありますか?

1型糖尿病がたとうにょうびょうでは、症状しょうじょうは数日すうじつから数週間すうしゅうかんの間あいだに突然とつぜん現あらわれます。子こどもに次つぎのような症状しょうじょうが現あらわれることがあります。

  • 尿にょうがたくさん出でる

  • とてものどが渇かわいて、たくさん飲のむ

  • 体重たいじゅうを減へらす

  • 目めがかすむ

もしこのような症状しょうじょうがすぐに診断しんだんされなければ、子こどもが糖尿病性とうにょうびょうせいケトアシドーシスという危険きけんな状態じょうたいになることがあります。これは、体からだがエネルギーとして血糖けっとうの代かわりに脂肪しぼうを使つかうようになったときに起おこります。糖尿病性とうにょうびょうせいケトアシドーシスでは、子こどもに次つぎのような症状しょうじょうが現あらわれることがあります。

  • 息いきからマニキュアの除光液じょこうえきのようなにおいがする

  • 息いきが深ふかくなって呼吸こきゅうがとても速はやくなる

  • 頭痛ずつうがあり、混乱こんらんしていたり眠みんそうに見みえる

  • おなかの痛いたみがあり嘔吐おうとする

  • 力ちからが出でず、疲つかれを感かんじる

糖尿病性とうにょうびょうせいケトアシドーシスは、救急きゅうきゅう医療機関いりょうきかんですぐに治療ちりょうする必要ひつようがあります。

2型糖尿病がたとうにょうびょうでは、子こどもは次つぎのような状態じょうたいになります。

  • 症状しょうじょうはない

  • 普段ふだんよりたくさん水分すいぶんをとったり、尿にょうが出でたりする

子こどもには症状しょうじょうが現あらわれないこともあるため、医師いしはほかの理由りゆうで血液検査けつえきけんさをしたときに初はじめて2型糖尿病がたとうにょうびょうをみつけることがあります。

2型糖尿病がたとうにょうびょうの子こどもがケトアシドーシスになることはめったにありません。

糖尿病とうにょうびょうにはどのような合併症がっぺいしょうがありますか?

何年なんねんもずっと糖尿病とうにょうびょうの人ひとは、血管けっかんがつまります。血管けっかんがつまると、高血圧こうけつあつ、脳卒中のうそっちゅう、心臓発作しんぞうほっさ、失明しつめい、腎不全じんふぜん、脚あしの切断せつだん、神経しんけいの損傷そんしょうなど、たくさんの合併症がっぺいしょうが起おこります。このような合併症がっぺいしょうが起おこるには長ながい時間じかんがかかるため、ふつうは子こどもが大人おとなになるまで現あらわれません。一生いっしょうにわたって糖尿病とうにょうびょうをうまくコントロールすることが、合併症がっぺいしょうの予防よぼうに役立やくだちます。

医師いしはどのようにして、私わたしの子こどもが糖尿病とうにょうびょうかどうかを判断はんだんしますか?

医師いしは糖尿病とうにょうびょうを診断しんだんするために、血液検査けつえきけんさで次つぎのことを確認かくにんします。

  • 血糖値けっとうち

  • A1c値ち

医師いしは、朝あさ起おきて最初さいしょに、何なにも食たべる前まえにあなたのお子こさんの血糖値けっとうちを測はかろうとすることがあります。これを空腹時血糖値くうふくじけっとうちといいます。しかし、これは必かならず必要ひつようなわけではありません。

体からだの中なかに糖とうがたくさんあると、時間じかんがたつにつれてその糖とうが血液けつえきの細胞さいぼうのタンパク質しつにくっついてA1cができます。A1c値ちをはかることで、医師いしは最近さいきんの2~3カ月間げつかんの体からだの血糖値けっとうちの状態じょうたいを調しらべることができます。血糖値けっとうちかA1c値ちのどちらかが高たかすぎる場合ばあい、医師いしは糖尿病とうにょうびょうと診断しんだんします。

医師いしは、あなたのお子こさんが糖分とうぶんのとても多おおい飲のみものを飲のむ前まえと後あとに、血糖値けっとうちの検査けんさをする場合ばあいがあります。これはブドウ糖負荷試験とうふかしけんといいます。しかし、この検査けんさは子こどもよりも大人おとなにすることの方ほうがよくあります。

医師いしはあなたのお子こさんが1型糖尿病がたとうにょうびょうか2型糖尿病がたとうにょうびょうかを判断はんだんするために、血液検査けつえきけんさをすることもあります。

医師いしは糖尿病とうにょうびょうをどのように治療ちりょうしますか?

糖尿病とうにょうびょうを治なおせる治療法ちりょうほうはありません。おもな目標もくひょうは、血糖値けっとうちを正常値せいじょうちの近ちかくに保たもつことです。血糖値けっとうちを正常値せいじょうちの近ちかくに保たもつことで、合併症がっぺいしょうが起おこりにくくなります。

糖尿病とうにょうびょうの子こどもはすべて、次つぎのことをする必要ひつようがあります。

  • 太ふとりすぎの場合ばあいは、運動うんどうして体重たいじゅうを減へらす

  • 糖分とうぶんと炭水化物たんすいかぶつを食たべる量りょうを注意深ちゅういぶかくコントロールする

糖分とうぶんと炭水化物たんすいかぶつを食たべる量りょうをコントロールしやすくするために、子こどもは次つぎのことをする必要ひつようがあります。

  • 食事しょくじやおやつを、毎日まいにち大体だいたい同おなじ時間じかんに食たべる

  • 1回かいの食事しょくじやおやつで食たべる炭水化物たんすいかぶつの量りょうに注意ちゅういする

  • 果物くだものくだもの、全粒ぜんりゅう穀物こくもつ、食物繊維しょくもつせんいの多おおい食たべものなど、ゆっくり分解ぶんかいされるものを食たべる

  • 加工食品かこうしょくひんや、キャンディー、クッキー、ドーナツ、ペストリーなどのすぐに分解ぶんかいされる炭水化物たんすいかぶつを食たべる量りょうを減へらす

  • 炭酸飲料たんさんいんりょう、甘あまいアイスティー、レモネード、フルーツポンチ、スポーツドリンクなどの砂糖さとうが入はいった飲のみものは飲のまないようにする

1型糖尿病がたとうにょうびょうの治療ちりょう

1型糖尿病がたとうにょうびょうの子こどもはインスリンをつくれないため、インスリンを与あたえる必要ひつようがあります。医師いしは次つぎのことを確認かくにんする必要ひつようがあります。

  • 最適さいてきなインスリンの種類しゅるい

  • インスリンを与あたえる最適さいてきな方法ほうほう

インスリンには、様々さまざまな種類しゅるいがあります。効果こうかがすぐに出でて短みじかい間あいだしか続つづかない種類しゅるいもあります。効果こうかが出でるのが遅おそくて長ながく効きくインスリンもあります。医師いしは、効果こうかが出でるのが遅おそくて長ながく効きくインスリンを混まぜて処方しょほうすることがあります。

インスリンは皮膚ひふの下したに注射ちゅうしゃします。口くちから飲のむことはできません。インスリンは、次つぎのものを使つかって注射ちゅうしゃすることができます。

  • 注射器ちゅうしゃき

  • インスリンペン

  • インスリンポンプ

インスリンポンプは、コンピュータを使つかった小型こがたの装置そうちで、決きまった量りょうのインスリンを注入ちゅうにゅうします。ポンプはベルトにつけるか、ポケットに入いれます。ポンプには、おなかの皮膚ひふの下したに入はいる細ほそくてやわらかいチューブがつながっていて、動うごかないようにテープでとめられています。新型しんがたのインスリンポンプは、血糖値けっとうちもはかることができます。これは、インスリンを使つかう量りょうをコントロールするのに役立やくだちます。

必要ひつようなインスリンの量りょうを知しるためには、毎回まいかいの食事しょくじの前まえと夜間やかんに子こどもの血糖値けっとうちを調しらべる必要ひつようがあります。これは次つぎの方法ほうほうですることができます。

  • ランセットという、とがった小型こがたの器具きぐで指先ゆびさきをチクッとさす

  • 1日にちの血糖値けっとうちをさらに正確せいかくに調しらべるために血糖値けっとうちを常つねにモニタリングする装置そうちを使つかう(インスリンポンプといっしょにつけることもある)

2型糖尿病がたとうにょうびょうの治療ちりょう

2型糖尿病がたとうにょうびょうの治療ちりょうでは、体重たいじゅうを減へらすことが大切たいせつです。この目標もくひょうのためには、子こどもの運動量うんどうりょうを増ふやし、食たべる分量ぶんりょうをコントロールする方法ほうほうを身みにつけることが役立やくだちます。

医師いしは、メトホルミンという飲のみ薬ぐすりを処方しょほうすることがよくあります。もしメトホルミンで血糖値けっとうちが正常せいじょうの近ちかくに保たもたれなければ、インスリンの注射ちゅうしゃも必要ひつようになるでしょう。

2型糖尿病がたとうにょうびょうの子こどもでも、血糖値けっとうちを調しらべる必要ひつようがあります。医師いしは、それをどのくらいの頻度ひんどですればいいか教おしえてくれます。

糖尿病とうにょうびょうの子こどもと青年せいねんは皆みな、感情かんじょうの問題もんだいが起おこる危険性きけんせいがありますか?

糖尿病とうにょうびょうの子こどもの多おおくでは、抑よくうつや不安ふあんなどの感情かんじょうの問題もんだいが起おこります。病気びょうきにうまく対処たいしょできる子こどももいます。一方いっぽうで、糖尿病とうにょうびょうにかかっていることがストレスになる子こどももいます。

  • カウンセリングや家族かぞくをサポートするグループは、あなたとあなたのお子こさんが糖尿病とうにょうびょうに対処たいしょするための助たすけになることがあります。

  • 糖尿病とうにょうびょうの子こども向むけの特別とくべつなサマーキャンプが、子こどもが糖尿病とうにょうびょうとともに生いきられるようになるために役立やくだつ可能性かのうせいがあります。

  • 年長ねんちょうの子こどもは、自分自身じぶんじしんの治療ちりょうにかかわるべきです。

  • 10代だいの糖尿病とうにょうびょうの治療ちりょうは、思春ししゅん期き、仲間なかまからのプレッシャー、スケジュールの忙いそがしさや変化へんか、親おややほかの保護者ほごしゃとの対立たいりつのために、難むずかしくなる可能性かのうせいがあります。

  • インスリンによって体重たいじゅうが増ふえることがあり、10代だいの人ひとではそこから摂食せっしょく症しょうにつながることもあります。

  • 医師いしは、10代だいの人ひとが血糖値けっとうちのコントロールに集中しゅうちゅうするように助たすけることができます。

糖尿病とうにょうびょうはどうすれば予防よぼうできますか?

1型糖尿病がたとうにょうびょうは予防よぼうできません。

2型糖尿病がたとうにょうびょうは予防よぼうしたり遅おくらせたりできることがあります。お子こさんに次つぎのことをさせてください:

  • くだもの、野菜やさい、全粒ぜんりゅう穀物こくもつの多おおい健康的けんこうてきな食事しょくじをする

  • 運動うんどうする

  • 体重たいじゅうを減へらし、健康的けんこうてきな体重たいじゅうを保たもつ

  • 思春ししゅん期きに血糖値けっとうちをはかり、危険性きけんせいがある(太ふとりすぎているか、家族かぞくに2型糖尿病がたとうにょうびょうの人ひとがいる)場合ばあいはその後ご3年ねんごとにもはかる

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