Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

読み込んでいます

幻覚剤

執筆者:

Gerald F. O’Malley

, DO, Grand Strand Regional Medical Center;


Rika O’Malley

, MD, Albert Einstein Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 8月
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
  • 幻覚剤は感覚をゆがめたり強めたりしますが、実際の影響は多様で、非常に予測困難です。

  • 最大の危険は、精神的な影響とその影響がもたらす判断力の低下です。大半の人は幻覚を見ていることを客観的に自覚しています。

  • 診断は、医師による評価に基づいて下されます。

  • 中毒状態にある人には、静かな薄暗い部屋で脅かさないように穏やかに話すのが助けとなります。ときに、抗不安薬および精神医学的ケアが必要になります。

幻覚剤には、植物から得られるものと、人工の化学物質(合成)があります。以下はその代表的なものです。

  • LSD、すなわちリゼルグ酸ジエチルアミド(真菌に由来する)

  • シロシビン(数種類のキノコに由来する)

  • メスカリン(サボテンの一種であるペヨーテに由来する)

  • N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)

  • 5-メトキシ-N,N-ジイソプロピルトリプタミン(5-MeO-DIPT)

様々な新しい化合物も合成されているため、幻覚剤の種類は増えています。

これらの薬物は様々な方法で使用されます。LSDは錠剤や吸い取り紙に染み込ませて口から摂取します。シロシビンおよびメスカリンは口から摂取します。DMTは煙を吸います。

精神的に幻覚剤に依存するようになることはありますが、身体依存はあまりありません。

薬物使用と薬物乱用も参照のこと。)

症状

即時作用

身体作用として、しばしば吐き気と嘔吐がみられます。LSDでは、瞳孔の拡大、かすみ目、発汗、動悸、協調運動障害が起こることがあります。

幻覚剤は聴覚や視覚をゆがめて強調します。例えば、音を見て、色を聞くように感じることがあります(共感覚と呼びます)。現実でないように感じ(離人感と呼びます)、周囲の状況から分離して(解離と呼びます)しまいます。気分の変化(ほとんどの場合は多幸感ですが、ときには抑うつ)や、判断力の低下がみられます。使用者は、これらの作用の組み合わせを「トリップ」と呼びます。

実際の作用は、「トリップ」に対する使用者の気分や期待感、幻覚に対処する能力、使用時の状況に左右されます。LSDと比べて、シロシビンやメスカリンを使用した場合の方が、幻覚を見やすくなります。例えば、抑うつ状態の人が使うと、ますます悲しい気分になります。幻覚剤を使うことに伴う最大の危険は、精神的な影響とその影響がもたらす判断力の低下から、危険な決断や事故につながるおそれがあることです。例えば自分は空を飛べると思い込み、それを証明するために窓から飛び降りたりします。

視覚や聴覚のゆがみに対処する能力も、「トリップ」と呼ばれる幻覚体験に影響を及ぼします。未経験で恐怖心がある人は、すでにトリップの経験があってそれを怖がらない人のようにうまく対処できません。LSDなど幻覚剤の影響下にある人は、極度の不安を起こしてパニック状態からバッドトリップに陥ることがあります。トリップをやめたいと思っても、できないのです。

過剰摂取

高用量(0.5mgを超える過剰摂取)では血圧が上昇し心拍数が上昇します。体温を調節する能力が損なわれるため、極度の体温上昇(高体温)が生じる場合があります。高体温は、高熱、吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。

過剰摂取はまれですが、それにより死に至ることがあります。LSDの致死量は10mg、またはストリートブロッター約200枚分と推定されています。幻覚剤による死亡例のほとんどは、25I-NBOMeと25C-NBOMeが原因です。

長期的な影響

一部の使用者は、薬物の影響が消えてからも現実離れした状態(精神病)が何日間も長く続きます。薬物が精神病を引き起こすのか、それとも基礎にある精神障害が顕在化するだけなのか、まだ分かっていません。

離脱症状

一部の人(特に幻覚剤、とりわけLSDを長期間あるいは繰り返し使用している人)は、薬物をやめるとフラッシュバックを経験することがあります。フラッシュバックは元の幻覚に似た異常な知覚が再体験されるものですが、たいていは元の幻覚ほど強烈ではありません。フラッシュバックは一般に6~12カ月で消えますが、最後にLSDを使ってから何年間にもわたって再発することがあります(特に不安症などの精神障害がある場合、あるいはマリファナ、アルコール、バルビツール酸系薬剤の使用後)。

診断

  • 医師による評価

薬物の使用が判明している人では、通常は症状に基づいて診断が下されます。幻覚剤の多くは、使用を確定する検査がありません。

治療

  • 静穏な環境

  • ときに抗不安薬(ベンゾジアゼピン系薬剤など)

  • ときに精神医学的ケア

大半の使用者は、治療を求めません。静かな薄暗い部屋で脅かさないように穏やかに話すのが、バッドトリップに入っている人の助けになります。バッドトリップは薬物が起こしている作用であり、いずれは終わることを説明して安心させます。不安が強い場合は、ロラゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬剤(鎮静薬)が有用です。精神病性の症状が長引く場合は精神科での治療が必要になります。

さらなる情報

ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ソーシャルメディア

TOP