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コカイン

(クラック)

執筆者:

Gerald F. O’Malley

, DO, Grand Strand Regional Medical Center;


Rika O’Malley

, MD, Grand Strand Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 8月
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  • コカインは、強い覚醒作用があり、多幸感をもたらし、力強さを感じさせる強い刺激物です。

  • 大量に摂取すると、心臓発作や脳卒中など、生命を脅かす重篤な病態を引き起こす可能性があります。

  • 診断は尿検査により確定します。

  • ロラゼパムなどの鎮静薬を静脈内投与すると多くの症状が軽減します。

  • コカインはやめたときに自殺衝動が現れる場合があり、また使用しない状態を保つのに多くの助けを必要とするため、コカインをやめた人には厳密な管理が必要です。

コカインにはアンフェタミン 症状 アンフェタミンには覚醒作用があり、身体機能を高め、高揚感や幸福感をもたらします。 アンフェタミンには食欲を抑える作用があるため、体重を減らす目的で不適切にアンフェタミンを使用する人もいます。 過剰摂取により異常な興奮、せん妄、生命を脅かす心臓発作や脳卒中が起こることがあります。 尿検査で大半のアンフェタミンが検出できます。 過剰摂取には、鎮静薬や降圧薬の投与、ときには体を冷やす治療を行います。 さらに読む とよく似た作用があります。鼻から吸引したり、直接静脈に注射したり、熱して吸入します。コカインは、炭酸水素ナトリウムとともに煮沸するとクラックコカインと呼ばれる遊離型の純化コカインになります。クラックコカインを熱するとコカイン蒸気になり、吸入することができます。蒸気の吸入は煙を吸っているようにいわれますが、実際にクラックを燃やしているわけではありません。クラックコカインは、コカインを静脈に注射した場合とほぼ同等の即効性があります。

大量に常用する人や、静脈に注射する人、煙を吸入する人は依存症になる可能性が最も高い傾向があります。少量をたまに使用する人や、鼻や口から摂取する人はあまり依存症になりません。

症状

即時作用

コカインを静脈内注射したり吸入すると、極めて強い覚醒感、陶酔感、万能感が得られます。これらの感覚は、コカインを鼻から吸引したときは弱くなります。コカインの作用の持続時間は短いため、使用者は15~30分毎に、注射、吸入、吸引します。数日にわたり大量に摂取し続けると、消耗して睡眠が必要になります。

過剰摂取

コカインの過剰摂取により死亡する可能性があります。コカインは血圧を上昇させ、心拍数を増加させ、心拍リズムが乱れることがあります(不整脈 不整脈 さらに読む )。コカインは血管を収縮させます。心臓の血管が収縮した場合、胸の痛み、心臓発作 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) 急性冠症候群は、冠動脈が突然ふさがる(閉塞)ことによって起こります。閉塞の位置と量に応じて、不安定狭心症か心臓発作(心筋梗塞)が起こります。 急性冠症候群を発症すると、通常は胸部の圧迫感や痛み、息切れ、疲労などが起こります。 急性冠症候群が起きたと思ったら、まず救急車を呼んでから、アスピリンの錠剤を噛み砕いて服用します。 病院では心電図検査と血液中の物質を測定する検査により、急性冠症候群かどうかを診断します。... さらに読む 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) (健康で若い運動選手でも)が起こり、突然死亡する可能性があります。コカインは腎不全 腎不全の概要 腎不全とは、血液をろ過して老廃物を取り除く腎臓の機能が十分に働かなくなった状態のことです。 腎不全の原因としては、様々なものが考えられます。腎機能が急激に低下する場合(急性腎障害、急性腎不全とも呼ばれます)もあれば、ゆっくりと低下していく場合(慢性腎臓病、慢性腎不全とも呼ばれます)もあります。腎不全になると、腎臓は血液をろ過して老廃物(ク... さらに読む 脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中は、脳に向かう動脈が詰まったり破裂したりして、血流の途絶により脳組織の一部が壊死し(脳梗塞)、突然症状が現れる病気です。 脳卒中のほとんどは虚血性(通常は動脈の閉塞によるもの)ですが、出血性(動脈の破裂によるもの)もあります。 一過性脳虚血発作は虚血性脳卒中と似ていますが、虚血性脳卒中と異なり、恒久的な脳損傷が起こらず、症状は1時間... さらに読む のほか、呼吸困難や喀血などの肺疾患(「crack lung」)も引き起こします。

長期的な影響

長期間使用すると耐性 物質誘発性障害は、物質の直接的な作用によって問題が引き起こされる物質関連障害の一種です。 物質誘発性障害には以下のものがあります。 中毒 離脱症状 物質誘発性精神障害 さらに読む が生じ、同じ効果を得るためにより多くの薬物を必要とするようになります。長期間の使用により、鼻腔を左右に分けている壁(鼻中隔)の組織が損傷を受け、ただれ(潰瘍)ができて手術を要する場合があります。大量に使用すると、注意力や記憶力などの精神機能を損なうこともあります。慢性的な使用により、心臓が損傷を受け、心筋の瘢痕化および肥厚が生じ、最終的に心不全 心不全 心不全とは、心臓が体の需要を満たせなくなった状態のことで、血流量の減少や静脈または肺での血液の滞留(うっ血)、心臓の機能をさらに弱めたり心臓を硬化させたりする他の変化などを引き起こします。 心不全は心臓の収縮や弛緩が不十分になることで発生しますが、これらの変化は一般的に、心筋が弱ったり硬くなったりすることが原因で起こります。... さらに読む 心不全 に至ることもあります。コカインには多くの賦形剤、混ぜ物、汚染物が含まれ、それを注射すると、感染などの合併症を起こす可能性があります。

離脱症状

コカインの離脱症状(コカインウォッシュアウト症候群)として、極度の疲労、眠気や抑うつなど、コカインの作用と反対の変化が現れます。食欲が増加し、集中力が低下します。コカインをやめると、自殺の衝動に駆られます。

知っていますか?

  • コカインの使用は突然死に至ることがあります。

診断

  • 医師による評価

  • 尿検査

薬物の使用が判明している人では、通常は症状に基づいて診断されます。尿検査で薬物の証拠を確認できます。

治療

  • 興奮、高血圧、けいれん発作には鎮静薬

  • 精神療法(依存症に対して)

緊急の治療

コカインは作用時間が非常に短いため、不快な反応に対する治療は通常は不要です。非常に興奮している場合やせん妄状態の場合、およびけいれん発作や血圧上昇がみられる場合は、ロラゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬剤(鎮静薬)を静脈内投与します。鎮静薬で血圧をコントロールできない場合、医師は硝酸薬またはその他の降圧薬を静脈内投与することがあります。ベータ遮断薬と呼ばれる降圧薬は、血圧に対するコカインの影響を悪化させることがあるため、医師は使用を避けます。高体温には、皮膚を濡らして風を送って冷やすか、または特殊な冷却毛布をかけるなど、体を冷やす治療を行います。

解毒とリハビリテーション

コカインの長期間使用者がコカインをやめると抑うつ状態になりやすく、自殺の衝動に駆られるおそれがあるため、厳重な監視が必要です。病院または薬物中毒の治療センターでの入院が必要になる場合もあります。コカイン嗜癖には精神療法が最も効果的な治療法です。薬物を使用しない状態を保つために、多くの自助グループやコカインホットラインが利用できます。

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