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毒キノコ中毒

執筆者:

Gerald F. O’Malley

, DO, Grand Strand Regional Medical Center;


Rika O’Malley

, MD, Albert Einstein Medical Center

最終査読/改訂年月 2016年 11月
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毒をもつキノコは多数あります。毒性の強さは、同じ種類の毒キノコであっても、生育段階や調理法によって異なることがあります。詳しい人であっても、野生のキノコについて毒性があるかどうかを見分けることは困難です。民間伝承の知識はあてになりません。

毒キノコはいずれも嘔吐と腹痛を引き起こします。他の症状はキノコの種類によって非常に多様です。一般に、摂取後早期(2時間以内)に症状を引き起こすキノコは、後になって(通常6時間以降)引き起こすものより危険性は低くなります。

中毒の概要も参照のこと。)

早期の消化管の症状

早期に消化管の症状を引き起こすキノコ(オオシロカラカサタケ Chlorophyllum molybdatesや芝生によく生える小さな茶色のキノコなど)は、摂取すると嘔吐や下痢を引き起こします。このような症状は1~6時間以内に発生します。下痢に血が混じることもあります。頭痛や体の痛みが起きる人もいます。症状は通常24時間以内に治まります。

脳や脊髄に影響を及ぼす早期の症状

脳や脊髄に影響を及ぼす早期の症状を引き起こすキノコには、幻覚発現物質のシロシビンを含む幻覚作用のあるキノコなどがあります。最もよくみられるのはシビレタケ属 Psilocybeの仲間ですが、ほかにもシロシビンを含むキノコはあります。摂取後15~45分以内に吐き気と嘔吐も引き起こします。脳と脊髄の症状は摂取後20~90分以内に現れ、多幸感、想像力の高まり、幻覚などが生じます。 心拍数や血圧の上昇がよくみられ、小児では発熱がみられることがあります。しかし、このような症状は治療をしなくても治まり、深刻な結果に至ることはまれなため、特別な治療は通常不要です。ただし、興奮が激しい場合は、ロラゼパムなどの鎮静薬が投与されることがあります。

一部の種類のキノコや植物によって、交感神経症状(「闘争・逃避」反応)または副交感神経症状(「休息・消化」反応)が引き起こされます。症状の組合せは完全に明確ではないことがあり、医師による評価が必要なことがあります。

ムスカリンを含むキノコによって生じる早期の症状

アセタケ属 Inocybeの多くや、カヤタケ属 Clitocybeの一部のキノコで起こる食中毒では、原因となる毒性物質はムスカリンです。以下のような症状が食後30分以内に現れます。

  • 涙と唾液の分泌増加

  • 瞳孔の縮小(収縮)

  • 発汗

  • 嘔吐、胃けいれん、下痢

  • めまい

  • 筋肉のひきつり(線維束性収縮)

  • 錯乱、昏睡、けいれん発作(ときにみられる)

これらの症状の一部は重篤なものですが、大半の患者の症状は軽度で、通常は12時間以内に消失します。症状が重い場合はアトロピンが静脈から投与され(静脈内投与)、ほぼ全員が24時間で回復します。中毒が重度の場合、治療をしないと数時間で死亡することもあります。

後になって現れる消化管の症状

後になって消化管の症状を引き起こすキノコには、タマゴテングタケ Amanita phalloidesやその近縁種のキノコ(テングタケ属 Amanita、シャグマアミガサタケ属 Gyromitra、フウセンタケ属 Cortinariusの仲間)などがあります。

タマゴテングタケ Amanita phalloidesは米国のキノコ中毒による死亡の原因の95%を占めています。嘔吐と下痢が6~12時間で生じます。血糖値が危険なレベルにまで低下します。症状は数日の間は治まりますが、その後、肝不全や、ときには腎不全が生じることがあります。肝不全が起こると、皮膚が黄色になります(黄疸)。腎不全が起こると、尿量が減ったり、尿が出なくなったりします。症状は自然に消失することもありますが、このタイプの中毒を起こした人の約半数は5~8日で死に至ります。肝不全が生じた場合は、肝移植を受けることで生き延びられる可能性があります。

アマニタ・スミシアナ Amanita smithianaというテングタケ属のキノコは、後になってから(食後およそ6~12時間後に)嘔吐や下痢を引き起こす傾向があります。食べた後3日から1~2週間以内に腎不全が起こることがあり、多くの場合、一時的に血液透析が必要になります。

シャグマアミガサタケ属 Gyromitraのキノコも、後から嘔吐や下痢、低血糖を引き起こします。その他の問題として、脳への毒性(けいれん発作など)や、数日後に生じる肝不全や腎不全があります。

フウセンタケ属 Cortinariusのキノコの大半は欧州が原産です。嘔吐や下痢が3日間続くことがあります。食べた後3~20日で、わき腹の痛み(側腹部痛)と尿量減少の症状を伴う腎不全が生じることがあります。腎不全はしばしば自然に治ります。

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