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高齢者の病気

執筆者:

Richard W. Besdine

, MD, Warren Alpert Medical School of Brown University

最終査読/改訂年月 2017年 5月
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どの年齢の人にも起こりうる病気が、高齢者には他の年齢層の人と異なる症状または合併症を引き起こす場合もあります。そうした病気に、以下のような例があります。

このような病気により引き起こされる高齢者の錯乱は、しばしば認知症と間違われます。

しかし、昔の高齢者が経験していたのと同じ絶望的な、または一切何もできなくなるほどの影響が病気によって起こることはなくなりました。かつては高齢者が死に至る可能性が高かった、心臓発作 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) 急性冠症候群は、冠動脈が突然ふさがる(閉塞)ことによって起こります。閉塞の位置と量に応じて、不安定狭心症か心臓発作(心筋梗塞)が起こります。 急性冠症候群を発症すると、通常は胸部の圧迫感や痛み、息切れ、疲労などが起こります。 急性冠症候群が起きたと思ったら、まず救急車を呼んでから、アスピリンの錠剤を噛み砕いて服用します。 病院では心電図検査と血液中の物質を測定する検査により、急性冠症候群かどうかを診断します。... さらに読む 急性冠症候群(心臓発作、心筋梗塞、不安定狭心症) 股関節骨折 股関節の骨折 股関節骨折は、太ももの骨(大腿骨)の丸い上端部(骨頭)、大腿骨頭のすぐ下の狭くなった部分(頸部)、または頸部のすぐ下の広くなっている部分の隆起で起こることがあります。 股関節骨折は、通常は高齢者(特に骨粗しょう症患者)に発生し、しばしば軽い転倒で起こります。 通常、患部側の脚を動かしたり、立ったり、歩いたりするとかなりの痛みが生じます。 X線検査やときに他の画像検査で診断を確定します。... さらに読む 肺炎 肺炎の概要 肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)やその周辺組織に発生する感染症です。 肺炎は、世界で最も一般的な死因の1つです。 重篤な慢性の病気が他にある患者において、肺炎はしばしば最終的な死因となります。 肺炎の種類によっては、ワクチンの接種によって予防できます。 米国では、毎年約200~300万人が肺炎を発症し、そのうち約6万人が死亡していま... さらに読む 肺炎の概要 などの病気は、多くの場合、治療とコントロールが可能になっています。糖尿病、腎疾患、冠動脈疾患など慢性疾患の人の多くは、治療により身体機能が十分に残り、活動的で、自立性を保つことができます。

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不老の泉を求めて

誰でも、若さを保ち長生きする方法を知りたいものです。老化の原因を特定し、老化を防止する、または進行を遅らせるための手がかりを求めて、遺伝子、細胞、ホルモン、食生活などの要因に対する研究が行われています。研究により、長生きする助けになると考えられる3つの方法が特定されています。

  • 運動する

  • ある種の食べものを摂取する

  • 摂取カロリーを減らす

一般に、運動をしている人はしていない人より健康です。運動には健康面で多くの利点があり、日常生活を行う能力を改善し維持する、健康的な体重を保つ、冠動脈疾患や糖尿病などの病気を防止または先延ばしにする助けになります。すべての種類の運動の中で、高齢者にとって健康上の便益があることが最も証明されているものは、持久力運動(例、ウォーキング、サイクリング、ダンス、水泳、ローインパクト・エアロビクス)です。ウォーキングより激しい運動プログラムとして、持久力、筋力強化、バランストレーニング(例、太極拳)、柔軟性の4種類の運動からあらゆる組合せを含むものが挙げられます。その人の医学的状態や健康水準によって、行う運動を選択できるべきですが、少なくとも4種類すべての運動を含めるようにすることが推奨されます。

多くの果物と野菜を含む低脂肪食を食べている人は、脂肪やデンプンの多い食事をしている人より健康です。また、地中海沿岸諸国に暮らす人や地中海料理を食べている人は、長生きの傾向があるようです。この料理は、穀物、果物、野菜、豆類、ナッツ類、魚を多く使用し、赤身肉をあまり使わないため、一般に北欧や米国の食事より健康的と考えられています。さらに、脂肪は主にオリーブ油で摂取します。オリーブ油は多くのビタミンを含み、飽和脂肪ではなく一価不飽和脂肪です。一価不飽和脂肪は、飽和脂肪のようにコレステロールを増やしません。地中海食に関しては心臓発作、脳卒中、心血管死、糖尿病の発生を抑制することが、今やランダム化試験で科学的に証明されています。よって多くの専門家がこの食事を取り入れることを推奨しています。

低カロリー食を生涯とり続けると、体内の代謝が遅くなったり、体に損傷を与える物質が減少したりすることによって、寿命が延びる可能性があります。こうした有害物質の1つであるフリーラジカルは、細胞の正常な活動で生じた副産物です。フリーラジカルによる細胞の損傷は、老化や、冠動脈疾患やがんなどの病気に関与すると考えられています。ただし、低カロリー食が実際に人間の寿命を延ばすかどうかを調べる研究は行われていません。

これら3つの方法を実践するには、ほとんどの人にとって生活習慣の大きな変更が必要となります。したがって、多くの人は、老化を防ぐまたは遅らせる、より負担の少ない別の方法を探しています。例えば、フリーラジカルに対抗する方法などです。抗酸化物質と呼ばれる物質は、フリーラジカルを中和して細胞の損傷を防ぐ助けになります。ビタミンCとEは抗酸化物質です。そのため、老化を遅らせることを期待して、これらのビタミンを大量にサプリメントとして摂取している人もいます。ベータカロテン(体内でビタミンAになる物質)などの他の抗酸化物質も、ときにサプリメントとして摂取されます。理論的には、老化を防ぐために抗酸化物質を摂取することは理にかなっています。しかし、フリーラジカルには、免疫防御系の構成要素になるなど、体内で有益な使い道もあることが現在では判明しています。そのため、抗酸化物質を大量に摂取しても役に立たない可能性があると考えることもできます。また、ビタミンEの大量摂取は有害であるとの証拠もいくつか存在します。いずれにせよ、サプリメントとして摂取した抗酸化物質が老化を防いだり、または遅らせたりすることを示す研究はありません。 また、サプリメントとして抗酸化物質を摂取しても、心臓発作、脳卒中、またはがんなどの病気を予防できないことや、寿命が伸びないことを示す直接的な証拠があります。また、このようなサプリメントが有害でないことも証明されていません。

一部のホルモンは年齢とともに減少します。したがって、これらのホルモンのサプリメントを摂取して老化を遅らせようとする人もいます。その例として、テストステロン、エストロゲン、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、ヒト成長ホルモン、メラトニンが挙げられます。しかし、ホルモンサプリメントが老化に影響を及ぼすことを示す証拠はなく、一部は危険であることが明らかになっています。また、特定のホルモン濃度が低下すると体の代謝が遅くなり、それによって寿命が延びると考えている専門家もいます。

ヨガ、太極拳、気功など、東洋の健康法が寿命を延ばすと信じている人もいます。このような健康法は、健康が人間のあらゆる側面(身体的、感情的、精神的、スピリチュアル)と体内のバランスに関係しているという原理に基づいています。健康法には、リラクゼーション、呼吸法、食事、瞑想、運動などが含まれます。このような健康法は、高齢者にとって安全で、気分や体調の向上が感じられる場合も多いでしょう。しかし、このような健康法が寿命を延ばすかどうかを証明するのは困難です。

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