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染色体欠失症候群は、いずれかの染色体の一部が失われること(欠失)で起きる病気です。
(染色体異常症と遺伝子疾患の概要も参照のこと。)
染色体は、細胞の中にあってDNAや多くの遺伝子が格納されている構造体です。
遺伝子とは、大きなDNA(デオキシリボ核酸)分子のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録されている部分のことです。遺伝子には、体がどのような外観や機能をするかを定めた詳細な指示が記録されています。(遺伝学に関する考察については、遺伝子と染色体を参照のこと。)
染色体の一部が欠失している場合、いくつかの症候群が発生する可能性があり、それらは染色体欠失症候群と呼ばれています。先天異常、知的能力障害、身体的な発達面の問題が引き起こされる傾向があります。場合によっては、重度の異常が生じて、出生前や乳児期または小児期に死に至ることもあります。
染色体欠失症候群には以下を始め、多くのものがあります。
染色体欠失症候群は、出生前に疑われることもあれば、出生後に疑われることもあります。この種の症候群の診断は染色体検査で確定されます。(次世代シークエンシング技術も参照のこと。)
身体的異常は手術で治療できる場合もありますが、一般に治療は支持療法になります。

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