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新生児の敗血症

(新生児敗血症、新生児における敗血症)

執筆者:

Brenda L. Tesini

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

最終査読/改訂年月 2018年 11月
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敗血症とは、血液の感染症です。

  • 敗血症にかかった新生児は、一般に元気がない、つまりぼんやりしていて哺乳が不良であり、多くの場合皮膚が灰色になるほか、発熱または低体温がみられることもあります。

  • 診断は症状と血液中の細菌、ウイルス、または真菌の存在に基づいて下されます。

  • 治療では抗菌薬が投与されるほか、支持療法として、輸液、赤血球や血漿の輸血、呼吸補助(人工呼吸器を使用する場合があります)、血圧を維持する薬の投与などが行われます。

  • 血流の感染症は、脳を覆う組織と脳自体に広がる場合があります(髄膜炎)。

敗血症は、以下のような乳児によく起こります。

敗血症のその他の危険因子と原因は、敗血症の発生時期によって異なります。発生時期(発症)は以下のように分けられます。

  • 早発型敗血症:生後3日未満

  • 遅発型敗血症:生後3日以降

広範囲に広がった単純ヘルペス 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症では、皮膚、口、唇(口唇ヘルペス)、眼、性器に、液体で満たされた、痛みのある小さな水疱が繰り返し発生します。 非常に感染力の強いウイルス感染症であり、潰瘍に直接触れたり、ときには潰瘍がない場合でも患部に触れることで感染します。 ヘルペスウイルスは口の中や性器に水疱や潰瘍を引き起こし、最初の感染時には、発熱と全身のだるさが生じることがよくあります。... さらに読む 単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 エンテロウイルス エンテロウイルス感染症の概要 エンテロウイルス感染症は、体の多くの部分を侵し、また数種類の異なるエンテロウイルスのいずれもが原因となる可能性があります。 エンテロウイルス感染症は、様々な種類のウイルスによって引き起こされます。 エンテロウイルス感染症の症状は、発熱、頭痛、呼吸器疾患、のどの痛みなどで、ときに口の痛みや発疹がみられることもあります。... さらに読む エンテロウイルス感染症の概要 、アデノウイルス、RSウイルス RSウイルス(RSV)感染症とヒトメタニューモウイルス感染症 RSウイルスおよびヒトメタニューモウイルスの感染は、上気道感染症と、ときに下気道感染症を引き起こします。 RSウイルスは、乳幼児における呼吸器感染症の非常に一般的な原因です。 ヒトメタニューモウイルスはRSウイルスと似ていますが、別のウイルスです。 典型的な症状としては、鼻水、発熱、せき、喘鳴などがあり、重症になると呼吸窮迫もみられます。 診断は、症状と、これらのウイルス感染症が発生しやすい時期であるかどうかに基づいて下されます。 さらに読む などの特定のウイルス感染症は、早発型または遅発型の敗血症を引き起こすことがあります。

早発型敗血症

新生児は、出生時に特定の種類の細菌にさらされると、早発型敗血症にかかることがあります。

早発型敗血症の危険因子には以下のものがあります。

破水してから18時間以上経っても出産に至らない場合や、母親に感染症(特に尿路感染症や子宮内膜感染症)がある場合に、敗血症のリスクが高くなります。

生後まもない新生児に敗血症を起こす原因菌として最も多くみられるのは、大腸菌 Escherichia coliとB群レンサ球菌で、通常は新生児が産道を通る際に感染します。すべての妊婦に対し、妊婦検診で必ずB群レンサ球菌のスクリーニング検査が行われるようになったのは約10年前ですが、それまではB群レンサ球菌が早発型敗血症の最大の原因でした。スクリーニング検査でB群レンサ球菌が明らかになった場合や、母親が以前にB群レンサ球菌に感染した新生児を出産したことのある場合は、陣痛が始まったときに母親に抗菌薬が投与されます。新生児には、病院でのモニタリングと、場合によっては感染を確認するための血液検査が必要になることがありますが、抗菌薬は新生児に感染の症状または徴候がある場合にのみ投与されます。

遅発型敗血症

新生児は、病院で特定の種類の細菌にさらされると、遅発型敗血症にかかることがあります。

遅発型敗血症の重要な危険因子には以下のものがあります。

遅発型敗血症は、産道で接触した微生物よりも、新生児の周りの環境(カテーテルやその他の医療機器など)から感染した微生物が原因であることの方が一般的です。特定の抗菌薬を使用すると、カンジダ属 Candidaの真菌をはじめとする特定の微生物が新生児に感染を引き起こすことがあります。

症状

敗血症にかかった新生児は一般にぼんやりしていて哺乳が不良であり、しばしば体温が不安定です。1時間以上続く発熱はあまりありませんが、これがある場合は一般に新生児が感染していることを示します。

その他の症状としては、呼吸困難(呼吸窮迫)、呼吸の一時的な停止(無呼吸)、発熱、顔面蒼白、皮膚の循環不良と四肢の冷感、腹部の腫れ、嘔吐、下痢、けいれん発作、神経過敏、黄疸 新生児黄疸 黄疸とは、血流中のビリルビンの増加(高ビリルビン血症)が原因で、皮膚や眼が黄色くなることです。ビリルビンは、古くなった赤血球または損傷した赤血球を再利用する正常なプロセスの中で、ヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球の一部)が分解されるときに形成される、黄色い物質です。ビリルビンは血流によって肝臓に運ばれ、胆汁(肝臓で作られる消化液)の一部として肝臓から排泄されるように処理されます。胆汁は胆管を通って小腸の最初の部分(十二指腸)に送られます。肝... さらに読む などがあります。B群レンサ球菌は肺炎 肺炎の概要 肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)やその周辺組織に発生する感染症です。 肺炎は、世界で最も一般的な死因の1つです。 重篤な慢性の病気が他にある患者において、肺炎はしばしば最終的な死因となります。 肺炎の種類によっては、ワクチンの接種によって予防できます。 米国では、毎年約200~300万人が肺炎を発症し、そのうち約6万人が死亡していま... さらに読む 肺炎の概要 を引き起こすことがあります。ほかにも、感染を引き起こしている微生物によって様々な症状がみられます。

合併症

敗血症の合併症の中で最も重いものは、脳を覆っている膜の感染症(髄膜炎)です。髄膜炎の新生児 新生児の細菌性髄膜炎 細菌性髄膜炎とは、細菌によって引き起こされる髄膜(脳と脊髄を覆っている膜)の炎症です。 細菌性髄膜炎の新生児は通常、ぐずったり、嘔吐したりするほか、けいれん発作を起こすこともあります。 診断は、腰椎穿刺と血液検査の結果に基づいて下されます。 この感染症は、治療しなければすべての新生児が死亡します。 特定の種類の細菌(B群レンサ球菌)に感染している妊婦には、細菌が新生児に感染するのを予防するため、分娩中に抗菌薬が投与されます。 さらに読む には、活動性の著しい低下(嗜眠)、昏睡、けいれん発作 小児のけいれん発作 けいれん発作とは、脳の電気的活動が周期的に乱れることで、一時的にいくらかの脳機能障害が起きる現象です。 年長の乳児や幼児にけいれん発作が起きた場合には、全身または体の一部がふるえるなどの典型的な症状が多くの場合みられますが、新生児の場合は、舌なめずりをする、口をもぐもぐさせる、周期的に体がだらんとなるなどの変化しかみられない場合があります。 この病気の診断には脳波検査が用いられ、さらに原因を特定するために血液検査、尿検査、脳の画像検査の... さらに読む 、泉門(頭蓋骨の間にある柔らかい部分)の隆起などの症状が現れ、迅速な治療が行われなければ、多くの場合死に至ります。

診断

  • 血液の培養検査、ときに尿の培養検査

  • 腰椎穿刺と髄液の培養検査

医師は、新生児の症状と検査結果に基づいて敗血症の診断を下します。医師は、血液検査などのいくつかの検査を行って、感染を引き起こしている細菌、ウイルス、または真菌の種類を特定します。

血液の培養検査のほか、ときに尿の培養検査、腰椎穿刺 腰椎穿刺 病歴聴取と神経学的診察によって推定された診断を確定するために、検査が必要になることがあります。 神経系の病気(神経疾患)の診断に一般的に用いられる画像検査としては、以下のものがあります。 CT(コンピュータ断層撮影)検査 MRI(磁気共鳴画像)検査 血管造影検査 さらに読む 腰椎穿刺 も行われます。培養検査では、医師が血液、髄液、尿のサンプルを採取し、検査室でサンプル中の細菌を増殖(培養)させて特定します。呼吸に問題のある新生児には胸部X線検査が行われます。

予後(経過の見通し)

敗血症は、生後1週間以降の早産児の主な死因です。低出生体重児は死亡のリスクが高くなります。細菌またはカンジダ属 Candidaの真菌による敗血症が起きている超低出生体重児では、死亡のリスクが非常に高くなります。

敗血症から回復した新生児では、一般に長期的な問題は生じません。しかし、髄膜炎を起こして生き延びた新生児には、発達の遅れ、脳性麻痺 脳性麻痺 脳性麻痺とは、運動困難と筋肉のこわばり(けい縮)を特徴とする症候群です。原因は、出生前の脳の発育過程で生じた脳の奇形か、出生前、分娩中、または出生直後に起きた脳損傷です。 脳性麻痺の原因としては、酸素欠乏や感染によって生じる脳の損傷や、脳の奇形などがあります。 症状の程度は様々で、ぎこちなさがかろうじて分かる程度のこともあれば、脚や腕の動... さらに読む けいれん発作 小児のけいれん発作 けいれん発作とは、脳の電気的活動が周期的に乱れることで、一時的にいくらかの脳機能障害が起きる現象です。 年長の乳児や幼児にけいれん発作が起きた場合には、全身または体の一部がふるえるなどの典型的な症状が多くの場合みられますが、新生児の場合は、舌なめずりをする、口をもぐもぐさせる、周期的に体がだらんとなるなどの変化しかみられない場合があります。 この病気の診断には脳波検査が用いられ、さらに原因を特定するために血液検査、尿検査、脳の画像検査の... さらに読む 難聴 小児の聴覚障害 ( 難聴) 難聴は通常、新生児では遺伝子異常、年長児では耳の感染症や耳あかが原因です。 小児が音に反応しなかったり、言葉をうまく話せなかったり、話し始めるのが遅かったりする場合は、聴覚に障害があることがあります。 新生児の聴覚の検査では音に対する脳の反応を計測する手持ち式の装置や検査が用いられ、年長児の検査では様々な技法が用いられます。 可能な場合は原因に対して治療が行われますが、通常は補聴器が必要です。 さらに読む などがみられることがあります。

治療

  • 抗菌薬の静脈内投与

  • ときに、人工呼吸器またはその他の治療

敗血症の疑いがある新生児には、血液培養検査の結果が出る前に、強力な抗菌薬が静脈内投与されます。微生物の種類が特定されると、医師は抗菌薬の種類を調整することがあります。

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