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小児の便秘

執筆者:

Deborah M. Consolini

, MD, Thomas Jefferson University Hospital

医学的にレビューされた 2020年 6月
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本ページのリソース

便秘とは、乳幼児では少なくとも1カ月間、より年長の小児では2カ月間、排便が遅れたり困難になったりすることです(成人の 便秘 便秘 便秘は、排便しにくい、排便回数が少ない、便が硬い、または排便後に直腸が完全に空になっていない感覚(残便感)がある状態です。( 小児の便秘も参照のこと。) 便秘には急性のものと慢性のものがあります。急性便秘は突然起こり、はっきりと現れます。慢性便秘は、徐々に始まり数カ月ないし数年間持続することがあります。 毎日排便しなければ便秘だと思う人はたくさんいます。しかし、誰にとっても毎日排便があることが正常というわけではありません。1日1~3回の... さらに読む も参照)。便が硬くなりときに大きさが通常より増し、排便時に痛みを伴うことがあります。便秘は小児でとてもよくみられます。便秘は、小児が医療機関を受診する理由の約5%を占めています。乳児と小児が便秘を特に起こしやすい時期は3回あります。1回目は乳児の食事に シリアルや固形食が開始 乳児における固形食の開始 固形食を始める時期は、乳児が固形食を必要としているか、また受け入れる準備ができているかどうかによります。一般的には、乳児が十分大きくなって、 母乳や乳児用 人工乳よりももっと高カロリーの食品を必要とするようになった時期に固形食が必要になります。目安としては、乳児が哺乳びんのミルクを飲み干しておなかがいっぱいになっても、2~3時間以内にまたおなかをすかせるようになったときや1日に約1200ミリリットル以上の人工乳を飲むときです。およそ生後... さらに読む された時、2回目は トイレトレーニング トイレトレーニング 多くの場合、小児は2歳と3歳の間にトイレの使い方を教わります。普通は、最初にトイレを使えるようになるのは排便時です。ほとんどの小児では、2歳から3歳の間に排便のコントロール、3歳から4歳の間に排尿のコントロールを訓練できます。多くの場合5歳までに日中の排尿コントロールができるようになり(昼間尿禁制といいます)、服を着たり脱いだり、尿や便を出したり、おしりをふいたり、水を流したり、手を洗ったりなど、すべてをできるようになります。しかし、健... さらに読む 中、3回目は入園、入学前後です。

排便の回数や便の硬さは小児期を通じて様々で、正常とされるものはありません。新生児はたいてい、1日4回以上、排便をします。生後1年以内の乳児は1日に2~4回排便します。母乳を飲んでいる乳児はたいてい人工乳を飲んでいる乳児よりも排便回数が多く、授乳後に毎回排便する場合もあります。母乳を飲んでいる乳児の便は粒々が混ざった黄色のゆるい便です。生後1、2カ月経つと、母乳を飲んでいる乳児の中には排便回数が少なくなる子もいますが、便はどろどろでゆるいままです。1歳を過ぎると、ほとんどの小児が形のある軟らかな便を1日1回、ときに2回するようになります。しかし、排便が3~4日に1度しかないことが普通の乳幼児もいます。

ガイドラインで乳児と小児の便秘とされている状態には、以下のものがあります。

  • 通常に比べて2日か3日長く排便がない

  • 便が硬いか排便時に痛みがある

  • トイレを詰まらせてしまうような大きい便

  • 便の外側に数滴の血液が付着している

乳児において、いきみや泣くなど排便に苦労しているかのようなサインがみられてから、ゆるい便が問題なく出てくる場合がありますが、これらのサインは普通、便秘を意味しません。これらの症状は通常、排便時に骨盤底筋を緩められないために起こるもので、一般的には自然にみられなくなります。

親はしばしば子どもの排便について心配しますが、便秘が深刻な結果をもたらすことは通常ありません。便秘があれば、定期的に腹痛を訴え、特に食後に腹痛を訴える小児もいます。ときに、大きく硬い便を出そうとして 肛門 直腸と肛門 直腸は大腸の終わりのS状結腸に続く部分から始まり、最後は肛門へと続く管腔です( Home.see also page 肛門と直腸の概要)。普通、便は下行結腸にとどまっているため、直腸は空になっています。やがて、下行結腸がいっぱいになり、便が直腸に下りてくると便意が起こります(排便)。成人や年長児はトイレに行くまで便意を我慢することができます。乳児や幼児では、排便を遅らせるのに必要な筋肉の制御が足りません。... さらに読む が裂けることがあります(裂肛 裂肛 裂肛は、肛門(消化管の末端にある開口部で、便が体外に排出されるときの出口になる部分です)の粘膜に裂傷や潰瘍が生じた状態です。 裂肛は硬い便や大きな便を排出した後に起こることがあります。 症状としては、排便中または排便後に起こる痛みや出血などがあります。 診断は肛門の診察結果に基づいて下されます。 治療法としては、便軟化剤の使用、軟膏による保護、坐浴などがあります。 さらに読む 裂肛 )。これは痛みを伴うものであり、便の表面やトイレットペーパーに筋状の鮮血が付着することがあります。 またまれに、慢性的な便秘から 尿路感染 小児の尿路感染症(UTI) 尿路感染症(UTI)とは、細菌による膀胱の感染症( 膀胱炎)、腎臓の感染症( 腎盂腎炎[じんうじんえん])、またはその両方がある状態です。 尿路感染症は細菌によって引き起こされます。 乳児や年齢の低い小児に尿路感染症がみられる場合は、ときに泌尿器系に構造的異常があるために発症しやすくなっていることがあります。 新生児と乳児では発熱以外の症状が出ないことがありますが、年長児では、排尿するときに痛みや灼熱感があったり、膀胱周辺が痛んだり、頻... さらに読む 夜尿 小児における尿失禁 尿失禁の定義は、トイレトレーニングが終了した後に、意図しない排尿が1カ月に2回以上の頻度で起こることとされています。尿失禁は以下の状況で起こります。 日中(日中の尿失禁または昼間遺尿症) 夜間(夜間の尿失禁、遺尿症、または夜尿症) 両方(日中と夜間両方の尿失禁) トイレトレーニングの期間や、小児が尿禁制(排尿をコントロールできること)を獲... さらに読む といった尿についての問題が生じることがあります。

原因

一般的な原因

小児の95%において、便秘は次のような原因で起こります。

  • 食事の問題

  • 行動面の問題

食事や行動面の問題によって起こる便秘を機能性便秘といいます。

便秘を起こす食事の問題として、水分や繊維(繊維は果物、野菜、全粒穀物などに含まれます)の少ない食事があります。

便秘に関連がある行動面の問題として、ストレス(弟や妹が生まれた場合に感じるものなど)、トイレトレーニングへの抵抗、コントロールしたいという欲求があります。小児は、痛みを伴う裂肛がある、あるいは遊びを中断したくないという理由から、わざと排便を遅らせる(便意の我慢)こともあります。 性的虐待 性的虐待 小児に対するネグレクトとは、小児の成長に欠かせないものを与えないことです。小児虐待とは、小児に危害を加えることです。 小児に対するネグレクトや虐待のリスクを上昇させる要因として、貧困、薬物やアルコールの乱用、精神障害、片親による育児などがあります。 ネグレクトや虐待の被害を受けた小児は、疲れていたり、空腹であったり、不潔であったり、身体的... さらに読む 性的虐待 によって、小児に便意を我慢させるストレスやけがが引き起こされることもあります。自然な便意を催したときに排便しないと、やがて直腸が伸び便がたまります。直腸が伸びてしまうと、便意を感じなくなり、ますます便がたまり硬くなります。こうして便秘が悪化する悪循環が起こります。たまった便が硬くなると、ときに便の排泄を妨げる便塞栓という状態になります。硬くなった便の上に軟らかい便がたまると、便塞栓の周りから漏れ出て小児の下着に付着し、 便失禁 小児の便失禁 便失禁とは、病気や身体的異常によるものではなく、何かのはずみに便を漏らしてしまうことです。 便失禁は4歳児の約3~4%でみられますが、年齢が上がるにつれて少なくなります。たいていは、トイレトレーニングや小学校への入学に関連して起こります。 便失禁の主な原因は以下のものです。 便秘 ときに身体的な原因や病気 さらに読む (遺糞症)になることがあります。この場合、実際に生じているのは便秘であるにもかかわらず、親は小児が下痢をしていると考えてしまうことがあります。

あまり一般的でない原因

小児の約5%では、体の病気、薬、毒素によって便秘が起こります。病気は生まれつきみられる場合も、生まれてから発生するものもあります。病気、薬や毒素によって起こる便秘を器質性便秘といいます。

新生児と乳児で器質性便秘を起こす最も一般的な病気は以下のものです。

器質性便秘の他の原因としては以下のものがあります。

評価

医師は、便秘の原因が食事や行動面の問題(機能性)なのか、または病気や毒素、薬(器質性)なのかを明らかにすることから始めます。

警戒すべき徴候

特定の症状は注意が必要で、便秘の器質的原因として疑うべきです。

受診のタイミング

何らかの警戒すべき徴候があればすぐに受診すべきです。警戒すべき徴候はないものの、排便の回数が少ない、便が硬い、排便に痛みを伴う場合は医師に電話で相談するとよいでしょう。 医師は、他の症状(症状があるなら)にもよりますが、家で簡単な 治療 治療 便秘とは、乳幼児では少なくとも1カ月間、より年長の小児では2カ月間、排便が遅れたり困難になったりすることです(成人の 便秘も参照)。便が硬くなりときに大きさが通常より増し、排便時に痛みを伴うことがあります。便秘は小児でとてもよくみられます。便秘は、小児が医療機関を受診する理由の約5%を占めています。乳児と小児が便秘を特に起こしやすい時期は3回あります。1回目は乳児の食事に シリアルや固形食が開始された時、2回目は... さらに読む を試すようアドバイスを与えたり、診察に連れてくるよう親に伝えたりします。

医師が行うこと

医師はまず、症状と病歴について質問します。次に身体診察を行います。病歴聴取と身体診察で得られた情報から、多くの場合、便秘の原因と必要になる検査を推測することができます(表「 乳児と小児における便秘の主な身体的原因と特徴 乳児と小児における便秘の主な身体的原因と特徴 乳児と小児における便秘の主な身体的原因と特徴 」を参照)。

医師は新生児に排便があったか確認します(最初の便を胎便といいます)。生後24~48時間以内に排便がなかった新生児では、ヒルシュスプルング病、肛門直腸奇形や他の深刻な病気の可能性を否定するために全身の診察を行う必要があります。

乳児やより年長の小児には、シリアルや他の固形食の開始、ハチミツの摂取、トイレトレーニングの開始、入園、入学などの特定の出来事の後に便秘が始まったかを尋ねます。すべての年齢層で、食事内容のほか、便秘を起こしうる病気、毒素、薬について尋ねます。

身体診察では、病気の徴候がないか全身を観察し、身長と体重を測定し発育遅延の徴候がないか調べます。その後、腹部、肛門(手袋をはめた指での直腸診を含む)、神経機能(消化管の機能に影響します)を重点的に診察します。

検査

治療

便秘の治療法は原因によって異なります。

器質性便秘の場合、原因の病気を治療し、薬を是正し、あるいは毒素を取り除きます。

機能性便秘の対策には次のようなものがあります。

  • 食事の変更

  • 行動を変化させる対策

  • ときに、便軟化剤や緩下薬の使用

食事の変更

乳児に対する食事の変更として、プルーン、梨またはリンゴの果汁を毎日30~120ミリリットル(mL)与えます。生後2カ月未満の乳児には、朝晩の授乳にコーンシロップをティースプーンに1杯分(5mL)加えます。

より年長の乳児と小児は、果物、野菜と食物繊維が豊富なシリアルの摂取を増やし、牛乳やチーズなどの便秘を起こしやすい食物の摂取量を減らします。

行動を変化させる対策

年長の小児では行動を変化させる対策が有用である可能性があります。対策には次のようなものがあります。

  • トイレトレーニング中であれば、毎食後5~10分間トイレに座らせるようにし、改善がみられたら、例えば壁に表を貼って改善を記録し、褒めるようにします。

  • トイレトレーニング中の場合、便秘が治るまでトレーニングを中断することもあります。

食事をとると排便反射が誘発されるため、食後にトイレに座ることは便秘解消の助けになります。小児はよくこの反射から出されるシグナルを無視して排便を遅らせてしまいます。この方法は、この反射を利用して消化管に排便の習慣を覚え込ませ、トイレの習慣を確立し、定期的な排便を促す助けになります。

便軟化剤と緩下薬

行動の修正や食事の変更によっても便秘が治まらない場合には、便を軟らかくする薬(便軟化剤)や消化管の自発運動を促進させる薬(緩下薬)が勧められることがあります。そのような薬として、ポリエチレングリコール、ラクツロース、鉱物油、マグネシアミルク(水酸化マグネシウム)、センナ、ビサコジルなどがあります。これらの薬の多くは店頭で購入できます。しかし、小児の年齢と体重、便秘の重症度に基づいて投与量と投与方法を決める必要があります。そのため、このような薬を使う前に、適切な投与量と投与回数について親は医師に相談するとよいでしょう。1日1回軟らかい便が出ることを治療の目標とします。

便塞栓の場合は、軽い浣腸を行うことや多量の水分とともに薬(鉱物油やポリエチレングリコール)を飲むことを考慮します。これらの治療で効果が認められなければ、ときに入院のうえ便塞栓を取り除く必要があります。

乳児では、普通はこのような治療のいずれも不要です。典型的にはグリセリン坐薬で十分です。

規則正しい排便を続けるため、食物繊維サプリメント(オオバコなど)が必要な小児もいますが、食物繊維サプリメントは処方せんがなくても手に入ります。食物繊維サプリメントが効果を示すには、1日に960~1920ミリリットルの水を飲まなくてはなりません。

要点

  • 通常、便秘は行動や食事の問題が原因です(機能性便秘)。

  • 排便の間隔がいつもより2日または3日以上長い場合、便が硬いあるいは大きい場合、便によって痛みや出血が起こる場合、他の症状がある場合は、医師の診断を受けるべきです。

  • 新生児に生後24~48時間以内の排便がみられない場合、徹底的な評価を行ってヒルシュスプルング病や他の重篤な病気を除外する必要があります。

  • 食事や行動面の問題が原因である場合、食事に食物繊維を加えたり行動を変えたりすることが助けになります。

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