Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

読み込んでいます

女性生殖器のがんの概要

執筆者:

Pedro T. Ramirez

, MD, The University of Texas MD Anderson Cancer Center;


Gloria Salvo

, MD, MD Anderson Cancer Center

最終査読/改訂年月 2017年 11月
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
本ページのリソース

外陰部、腟、子宮頸部、子宮体部、卵管、卵巣など、がんは女性の生殖器系のどの部分にも起こりえます。これらのがんを婦人科がんといいます。

女性の内性器の位置

女性の内性器の位置

米国で最も多くみられる婦人科がん子宮体がん(子宮内膜がん)であり、次に卵巣がん、そして子宮頸がんです。

婦人科がんは以下のように広がります。

  • 近くの組織や臓器に直接広がる(浸潤)

  • リンパ管やリンパ節(リンパ系)を介して、あるいは血流を介して離れた部位に広がる(転移)

診断

  • 定期的な内診

  • 生検

内診と子宮頸部細胞診(パパニコロウ検査)または他の類似した検査を定期的に行うことで、早期に発見できる婦人科がんもあります(特に子宮頸がん)。これらの検査でがんになる前の変化である異形成が発見され、がんを予防できることがあります。定期的に内診を行うことで、腟や外陰部のがんが早期に発見されることもあります。ただし、卵巣や子宮、卵管のがんを内診で見つけるのは容易ではありません。

がんの疑いがあれば、生検で診断の確定または除外ができます。侵された臓器から組織のサンプルを採取し、顕微鏡で検査し、分析します。

病期診断

がんと診断された場合は、がんの病期を診断するためさらに検査を行います。病期は、がんの大きさや体内での広がりに基づきます。病期診断によく用いられる検査には、超音波検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI検査、胸部X線検査、PET検査(陽電子放出断層撮影検査)などがあります。がんを除去する手術を行い、リンパ節を含めた周辺組織の生検を行ってから病期を診断することもよくあります。

病期診断は最適な治療法を選択するのに役立ちます。

婦人科がんの病期は、I期(早期がん)からIV期(進行がん)に分類されます。ほとんどのがんは、病期の数字にアルファベットをつけてさらに細かく分類します。

icon

女性生殖器のがんの病期診断*

種類

I期

II期

III期

IV期

子宮頸部のみに限局している

子宮頸部外(腟上部など)に広がっているが、骨盤内にとどまっている

骨盤内全体および/または腟の下部に広がっている、および/または尿管の閉塞および/または腎臓の機能障害を引き起こしている

骨盤外および/または膀胱もしくは直腸に広がっている(A)、または離れた臓器に転移している(B)

子宮体部(子宮の上部)のみに限局している(子宮頸部には認められない)

子宮頸部まで広がっている

近くの組織や腟、リンパ節に広がっている

膀胱および/または腸管に広がっている(A)、および/または離れた臓器に転移している(B)

片側または両側の卵管のみに限局している

近くの組織に広がっているが、骨盤内にとどまっている

骨盤外のリンパ節または腹部臓器(肝臓の表面など)に広がっている

離れた臓器に転移している

片側または両側の卵巣または卵管のみに限局している

子宮、または骨盤内で近くの組織に広がっている

骨盤外のリンパ節または腹部の他の部位(肝臓の表面など)に広がっている

腹腔外(例、肺)に広がっている

腟壁内に限局している

腟壁を越えて近くの組織に広がっているが、骨盤内にとどまっている

骨盤内全体(膀胱や直腸を除く)に広がっている

膀胱、直腸または骨盤外に広がっている

外陰部または会陰部(肛門と腟口の間)に限局している

尿道もしくは腟の下部または肛門などの近くの組織に広がっているが、近くのリンパ節には転移していない

近くのリンパ節に広がっている(近くの組織への広がりの有無は問わない)

近くの組織を越えて膀胱、腟の上部、尿道の上部、直腸、骨盤骨、より離れたリンパ節、または骨盤外に広がっている

*Simplified from the International Federation of Gynecology and Obstetrics Staging System.

がんが広がっている部位に応じて、IV期をさらにIVA期とIVB期に分けることもあります。

骨盤部とは腹部の下で寛骨(骨盤の骨)の間の、体幹の最下部の辺りで、内性器、膀胱、および直腸がある部分です。

治療

  • 手術による切除

  • ときに放射線療法および/または化学療法

治療としては、がんの種類や病期により手術による切除、放射線療法、および化学療法などが行われます。

最初にがんが診断された段階での治療の主な目標は、可能なら(手術、放射線療法、化学療法を単独で、または組み合わせて)がんを除去することです。

化学療法は通常、がんが最初にできた原発部位から離れた別の場所に広がっている場合に最も効果的な治療法です。複数の化学療法薬を併用すると、原発部位のがんの除去に役立ち、その徴候がなくても他の部位に存在しているがん細胞を除去するのにも役立ちます。

子宮内膜がんまたは卵巣がんの治療は、腫瘍の切除が中心になります。手術後に放射線療法や化学療法を行うこともあり、子宮内膜がんでは、ホルモン療法を行うこともあります。

子宮頸がんの放射線療法には、大きな装置を使って体外から照射を行う外照射療法と、がんに放射線を放出する機器(小線源)を直接埋め込むことで体内から照射する内照射療法(密封小線源治療)があります。外部照射は通常、週に数回ずつ数週間かけて行います。内照射療法の場合は、放射性物質が体内にある間、数日間の入院が必要です。

化学療法は注射や内服により、あるいは腹腔内に挿入したカテーテルを用いて行います。化学療法の頻度はがんの種類によって異なります。化学療法を受けている間は、ときに入院が必要になる場合もあります。

婦人科がんで進行が著しく、もはや治癒は望めなくなった場合でも、がんの増大や転移を抑え、痛みなどの症状を軽減するために、放射線療法や化学療法を行うことがあります。治癒が望めないがんがある場合は、自分自身がどのような治療やケアを望むかをまとめた事前指示書を作成しておきます。終末期のケアは以前に比べて大きく改善され、自宅で安楽に最期を迎えるケースも増えています。治癒を望めないがんをもつ人の多くは不安や痛みを経験しますが、適切な薬剤を使うことでこれらを軽減できます。

ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ソーシャルメディア

TOP