考えられる原因には、心理的要因(抑うつ、不安、人間関係の問題など)、薬、テストステロンの血中濃度が低いことなどがあります。
原因に応じて、医師は心理カウンセリングを提案したり、異なる薬を処方したり、テストステロン補充療法を勧めたりします。
(男性の性機能障害の概要 男性の性機能障害の概要 男性の場合、性機能障害とは、性交を行うことが困難な状態のことを意味します。性機能障害には、以下のものに影響する様々な障害が含まれます。 性衝動(性欲) 勃起するまたはそれを維持する能力(勃起障害またはインポテンツ) 射精する能力 陰茎の変形なしに勃起する能力 さらに読む も参照のこと。)
性欲(リビドー)は個人差が大きく、疲労や不安といった状態によって一時的に減少することがあります。また、性欲は年齢を重ねるとともに徐々に減少する傾向があります。性欲が低い状態が続くと、カップルを悩ませることがあります。
ときに、性欲が低い状態は、小児期の心理的に外傷的な性体験または性的思考を抑圧する考え方が身についていることに起因する、生涯にわたる問題のことがあります。しかしほとんどは、何年も正常な性欲があった後に性欲低下が起こります。抑うつ、不安、人間関係の問題など、心理的要因が原因となることがよくあります。 慢性腎臓病 慢性腎臓病 慢性腎臓病では、血液をろ過して老廃物を除去する腎臓の能力が、数カ月から数年かけて徐々に低下します。 主な原因は糖尿病と高血圧です。 血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、神経が傷つき、骨の組織が劣化し、動脈硬化のリスクが高くなります。 症状としては、夜間の排尿、疲労、吐き気、かゆみ、筋肉のひきつりやけいれん、食欲不振、錯乱、呼吸困難、体のむくみ(主に脚)などがあります。 診断は、血液検査と尿検査の結果により下されます。 さらに読む は性欲を減退させることがあります。一部の薬(うつ病、不安症、進行した 前立腺がん 前立腺がん 前立腺がんのリスクは年齢とともに高くなります。 排尿困難、頻尿や急な尿意、血尿などの症状は通常、がんが進行するまで現れません。 この種のがんは転移する可能性があり、最も転移しやすい部位は骨とリンパ節です。 スクリーニング検査には議論の余地がありますが、症状のない男性で前立腺がんの可能性をチェックするためには、手袋をはめた指で直腸内から前立腺を診察する直腸指診や血液検査(PSA)を行います。... さらに読む の治療に用いられる薬など)は、テストステロンの血中濃度を下げることがあり、性欲も減退させます。
性欲が減退すると、性的思考や空想を抱くことが減って性交への興味が少なくなり、性行為の回数が減ります。視覚や言葉、触覚による性的刺激を受けても、性欲が呼び起こされないことがあります。性欲が低下した男性は、性的能力を維持していることが多く、ときに性行為を継続してパートナーを満足させることがあります。
血液検査でテストステロンの血中濃度を測定できます。テストステロン低値(性腺機能低下症と呼びます)の診断は、患者による症状の説明とテストステロンの血中濃度が低いことの両方に基づいて下されます。
治療
カウンセリング
場合により、テストステロンの補充
原因が心理的なものなら、行動療法を含め、様々な精神療法が役立ちます。カウンセリングはカップルが人間関係の問題に対処するために役立ちます。ストレスの役割やそれが身体機能に及ぼす影響について理解すべきです。
テストステロン濃度が低ければ、皮膚にパッチを貼る、ジェルを塗る、または注射薬として、 テストステロンの補充 テストステロン補充療法 男性の性機能は徐々に変化していきますが、これが加齢そのものによって生じるのか、それとも加齢に伴う病気などが原因なのかは明らかではありません。勃起の頻度、持続時間、硬さは、加齢とともに徐々に衰えていきます( 勃起障害を参照)。男性ホルモン(テストステロン)の値が低下する傾向があり、それにより 性的欲求(性欲)が弱まります。陰茎(ペニス)への血流量が減少します。その他の変化には以下のものがあります。... さらに読む を行うことがあります。そのような治療は、心臓発作または脳卒中のリスクをわずかに高めると、以前は考えられていました。しかし、大半の研究では、そうした知見は確証されていません。テストステロンの補充は、テストステロンの血中濃度が低くない限り推奨されません。使用している薬がテストステロン濃度低下の原因と考えられる場合は、医師は別の治療薬への切替えを考慮することがあります。