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眼窩の炎症

(眼窩炎性偽腫瘍)

執筆者:

James Garrity

, MD, Mayo Clinic College of Medicine and Science

医学的にレビューされた 2020年 7月
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全身の炎症性疾患または眼だけを侵す炎症性疾患が原因で、眼窩(がんか)内の一部またはすべての構造物に炎症が現れることがあります。炎症は眼窩内のどの構造物にも起こりえます。

この病気はどの年齢層にも起こりえます。炎症は短期間で治まることもあれば、長期間続いたり、再発したりすることもあります。

原因

眼窩の炎症は全身の炎症性疾患から生じることがあります。ときに、眼だけに炎症が起こることもあります。

眼や眼窩に影響を与える全身の炎症性疾患には、全身の血管に炎症が生じる病気(血管炎 血管炎の概要 血管炎疾患は、血管の炎症(血管炎)を原因とする病気です。 血管炎は、特定の感染症や薬によって引き起こされる場合もあれば、原因不明の場合もあります。 発熱や疲労などの全身症状がみられることがあり、その後、侵された臓器に応じて他の症状がみられます。 診断を確定するために、患部の臓器の組織から採取したサンプルの生検を行い、血管の炎症を確認します... さらに読む 血管炎の概要 )である、 多発血管炎性肉芽腫症 多発血管炎性肉芽腫症 多発血管炎性肉芽腫症はしばしば、鼻、副鼻腔、のど、肺、または腎臓の、小型や中型の血管や組織の炎症から始まります。 原因は不明です。 通常、この病気は、鼻出血、かさぶたによる鼻づまり、副鼻腔炎、声がれ、耳の痛み、中耳にたまる体液、眼の充血と痛み、呼気性喘鳴、せきで始まります。 その他の臓器が侵されることもあり、ときには腎不全などの重篤な合併症が起こります。 症状やその他の所見からこの病気の可能性が疑われますが、診断を確定するには通常、生検... さらに読む 多発血管炎性肉芽腫症 (以前はウェゲナー肉芽腫症として知られていた)などがあります。最近報告されたほかのタイプの炎症は、IgG4関連眼窩炎症と呼ばれ、多発血管炎性肉芽腫症と同じ構造体に影響を及ぼす可能性がありますが、一般的には症状は少なくなります。

眼だけを侵す炎症性疾患には、眼球の外側を覆う白い層(強膜)の炎症である 強膜炎 強膜炎 強膜炎は、強膜(眼を覆う白く丈夫な線維性の組織)の重度で破壊的な炎症で、視力を脅かすことがあります。 強膜炎は、ときに、全身性の炎症性疾患がある人に起こることがあります。 主要な症状は、眼の奥深くでうずくような痛みです。 診断を確定するため、ときに画像検査が行われます。 治療は一般に、コルチコステロイドの投与から始められます。 さらに読む などがあります。炎症を伴う まぶたの病気 まぶたと涙の病気 については、別の箇所で説明されています。眼窩内の一部またはすべてに及ぶ炎症を、眼窩炎性偽腫瘍(実際には腫瘍でも、がんでもありません)、または非特異的眼窩炎症(nonspecific orbital inflammation)と呼びます。眼窩の外側上端にある涙腺の炎症は涙腺炎と呼ばれます(図「 涙はどこから来るのか 涙はどこから来るのか 涙はどこから来るのか 」を参照)。眼球を動かす筋肉の1つに生じる炎症は、筋炎といいます。

症状

症状はどの組織が実際に炎症を起こしているかによって異なります。一般的に症状は比較的突然始まり、2~3日続きます。通常、眼球またはまぶたに痛みや発赤がみられます。痛みは我慢できないほど激しいこともあります。眼球が異常に突き出る(眼球突出 眼球の突出 眼球が前に飛び出したり押し出されたりすることを、眼球突出と呼びます。 眼球突出という言葉は、甲状腺の活動が過剰になった状態( 甲状腺機能亢進症)を引き起こすバセドウ病によって、眼球が前方に飛び出した状態を指して用いられるのが通常です。眼球の突出は、眼が大きいことではありません。 クッシング病や重度の肥満などは、顔貌や眼の外観を変えることがありますが、真の眼球の突出が起こることはありません。... さらに読む 眼球の突出 )、複視、視力障害といった症状がみられる可能性もあります。一方、IgG4関連眼窩炎症に関連する症状はごくわずかです。まれに不快感はありますが、むしろ眼球突出や まぶたの腫れ まぶたの腫れ 上下いずれかまたは両方のまぶたが腫れることがあります。まぶたの腫れは、痛くないこともあれば、かゆみまたは痛みを伴うこともあります。 まぶたの腫れは、 眼球の突出とは異なりますが、この両方を同時に引き起こす病気もあります。 まぶたの腫れには様々な原因があります(表「 まぶたの腫れの主な原因と特徴」を参照)。まぶたの病気が原因で生じることもあ... さらに読む がよくみられます

診断

  • CT(コンピュータ断層撮影)検査またはMRI(磁気共鳴画像)検査

  • 生検

CT検査 CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像)検査 眼の病気を診断したり、その重症度や広がりを特定したりするために、様々な検査が行われます。左眼、右眼それぞれ別に検査します。 血管造影検査は一般に、血管に造影剤を注射し、画像検査で血管を見えやすくするものです。しかし、眼の血管造影検査では造影剤(色素)を使うことで、医師が直接診察するときに血管を見えやすくするものであり、この色素は写真にも写ります。 フルオレセイン蛍光眼底造影検査を行うと、医師は眼底の血管をはっきりと観察できるようになりま... さらに読む または MRI検査 CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像)検査 眼の病気を診断したり、その重症度や広がりを特定したりするために、様々な検査が行われます。左眼、右眼それぞれ別に検査します。 血管造影検査は一般に、血管に造影剤を注射し、画像検査で血管を見えやすくするものです。しかし、眼の血管造影検査では造影剤(色素)を使うことで、医師が直接診察するときに血管を見えやすくするものであり、この色素は写真にも写ります。 フルオレセイン蛍光眼底造影検査を行うと、医師は眼底の血管をはっきりと観察できるようになりま... さらに読む が行われます。炎症の原因を特定するために、炎症部位からサンプルを採取し顕微鏡で調べる(生検)こともあります。

治療

  • 炎症を治療する薬

  • 放射線療法または免疫応答を変える薬

眼窩の炎症を起こす病気の多くは、コルチコステロイドの内服で治療します。炎症がひどい場合は、コルチコステロイドを静脈内投与することもあります。ときに、放射線療法、または体の免疫応答を変える薬と治療が使用されます。IgG4は通常、コルチコステロイドに反応しますが、もし必要であれば、体の免疫反応を変化させるために他の薬を用います。

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