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眼への加齢の影響

執筆者:

James Garrity

, MD, Mayo Clinic College of Medicine and Science

最終査読/改訂年月 2016年 10月
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中年になると、水晶体の柔軟性が失われ始め、厚くなりにくくなります。そのため、近くの物に焦点が合わせにくくなります。これが老視(老眼 屈折異常があると、眼に入った光線は網膜の上に正しく焦点を結ばず、かすみ目(霧視[むし])の原因となります。 眼もしくは角膜の形または加齢による水晶体の硬化によって、眼の焦点を合わせる能力が低下することがあります。 遠くの物、近くの物、または両方とも、かすんで見えることがあります。... さらに読む )と呼ばれる状態です。老視は、老眼鏡や二焦点レンズの眼鏡で矯正できます。その他の加齢による眼への影響については、 加齢に伴い、個々の細胞やすべての臓器で変化が起こり、体が変化していきます。それにより機能面や外見が変化します。 (老化の概要も参照のこと。) 細胞が老化するにつれ、機能も衰えます。体の正常な機能の一部として、古い細胞は最終的に死滅します。 古い細胞が死ぬ理由の1つは、そうなるようにプログラムされているからです。細胞の遺伝子には、誘発されれば細胞死に至るような過程がプログラムされています。アポトーシスと呼ばれるこのプログラム死は、いわば細... さらに読む で詳述しています。

高齢になると、強膜(白眼)に以下のような問題が現れます。

  • 長年にわたり紫外線、風、ほこりにさらされた結果、黄色または褐色調になる

  • 白眼の部分に色の付いた不規則なしみが現れる(特に皮膚の色が濃い人)

  • 結膜が薄くなる

  • 強膜の透明性が高まることにより、青味がかる

結膜内の粘液細胞の数も、加齢とともに減少することがあります。涙の分泌量も年齢を重ねるとともに減少し、眼の表面をうるおすための涙の量が不足しがちになります。高齢者がドライアイ 乾性角結膜炎 乾性角結膜炎とは、結膜(まぶたの裏側と白眼部分を覆う膜)と角膜(虹彩と瞳孔の前にある透明な層)が乾燥することです。 涙の分泌が少なすぎるか、涙の蒸発が速すぎることが原因です。 眼は刺激を受け、光に過敏になり、通常、灼熱感やかゆみを伴います。 まぶたの縁に細長い紙片を置き、涙の分泌量を測定することがあります。 症状の軽減には人工涙液や涙点プラグが役立ちます。 さらに読む 乾性角結膜炎 になりやすいのは、このような変化が原因です。ただし、通常は眼は乾燥する傾向にあるものの、タマネギを切ったり、異物が眼に入ったりしたときなど、眼に刺激を感じた場合は、十分な量の涙が分泌されます。

角膜の周辺に現れる灰色がかった白い輪はカルシウムやコレステロールの沈着物で、老人環と呼ばれます。これは60歳以上の人によくみられる現象で、視力には影響ありません。

網膜の病気のうち、黄斑変性 加齢黄斑変性(AMD/ARMD) 加齢黄斑変性は、網膜中心部の最も重要な部分である黄斑の損傷が進行して、中心視力が徐々に損なわれていく病気です。 中心視力が徐々に低下し、細かい部分が見えなくなっていきます。直線が波打ってみえることもあります。 加齢黄斑変性に特徴的な眼の変化は、多くの場合、医師が専用の器具を用いて診察することで特定されます。 病気の進行を遅らせるのに栄養補助食品が役立つことがあります。 眼内への薬の注射やレーザー治療が必要になる人もいます。 さらに読む 加齢黄斑変性(AMD/ARMD) 糖尿病網膜症 糖尿病網膜症 糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で網膜(眼の奥にある光を感じる透明な構造物)に損傷が生じる病気です。 網膜の血管から血液などの液体が漏れることがあります。 新しい血管ができることがあり、この血管がときに出血を起こしたり、瘢痕(はんこん)を形成したり、網膜剥離を起こしたりします。 診断は、点眼薬で瞳孔を散大して行う眼の診察に基づきます。 糖尿病網膜症のある人や、糖尿病網膜症になるリスクのある人は、血糖と血圧をコントロールすることが重要です。 さらに読む 糖尿病網膜症 (糖尿病にかかっている場合)、網膜剥離 網膜剥離 網膜剥離(はくり)とは、網膜(眼の奥にある光を感じる透明な構造物)が、その下に付着している層から剥がれてしまうことをいいます。 飛蚊症(ひぶんしょう)の症状が突然増える、突然チカチカする光が見える、カーテンまたはベールのようなものに視界が遮られる、または突然の視力障害などの症状が現れます。 医師は検眼鏡で眼を観察することにより診断を下します。 剥離が起こってすぐに修復すれば、ほとんどの網膜剥離は完治し、視力は改善します。... さらに読む などは高齢者に起こりやすい病気です。 白内障 白内障 さらに読む など、他の眼の病気もよくみられます。

年齢とともに、まぶたを閉じる筋力も弱ってきます。筋肉の衰えに加えて、重力も影響し、また年をとってまぶたもたるんでくるため、ときに、下まぶたが眼球から離れて外を向いてしまうことがあります。これをまぶたの外反 まぶたの内反と外反 まぶたの内反(眼瞼[がんけん]内反)は、まぶたが眼の方向、つまり内側に反転(内反)した状態で、まつ毛が眼球にあたります。まぶたの外反(眼瞼外反)は、まぶたが外側に反転した状態で、まぶたの縁は眼球には触れません。 正常なまぶたは、上下がしっかりと閉じて眼を損傷から守り、涙が蒸発するのを防いでいます。上下いずれかのまぶたの縁が内側に反転する(内反)と眼球にまつ毛があたり、そのため角膜に潰瘍(かいよう)や瘢痕(はんこん)ができることがあります... さらに読む まぶたの内反と外反 (眼瞼外反[がんけんがいはん])と呼びます。また、加齢に伴うたるみがまぶたの別の場所に現れ、下まぶたが内側を向き、まつ毛が眼球に擦れてしまうこともあります。この状態をまぶたの内反 まぶたの内反と外反 まぶたの内反(眼瞼[がんけん]内反)は、まぶたが眼の方向、つまり内側に反転(内反)した状態で、まつ毛が眼球にあたります。まぶたの外反(眼瞼外反)は、まぶたが外側に反転した状態で、まぶたの縁は眼球には触れません。 正常なまぶたは、上下がしっかりと閉じて眼を損傷から守り、涙が蒸発するのを防いでいます。上下いずれかのまぶたの縁が内側に反転する(内反)と眼球にまつ毛があたり、そのため角膜に潰瘍(かいよう)や瘢痕(はんこん)ができることがあります... さらに読む まぶたの内反と外反 (眼瞼内反) と呼びます。上まぶたに内反が生じると、まぶたが垂れ下がり、眼瞼下垂と呼ばれる状態になります。

高齢者の中には、眼窩(がんか)の周囲の脂肪が縮むために眼球が眼窩の中に沈んでしまう人もいます。この状態は眼球陥入(かんにゅう)と呼ばれます。また、まぶたの組織が緩んでいるために、眼窩の脂肪がまぶたを押し上げ、常に眼が腫れぼったく見えることもあります。眼球陥入がある場合、周辺視野がわずかに妨げられることがあります。

年齢を重ねると、瞳孔の大きさを調節する筋肉も衰えます。瞳孔が小さくなって光に対する反応が緩慢になり、暗い所で瞳が大きくなる速度も遅くなります。そのため、60歳以上の人は、周りの物が薄暗く見えたり、屋外に出た直後や夜間の運転中に対向車が来たときには光をまぶしく感じたりします。また、明るい場所から暗い場所へ移動したときにものが見づらくなる人もいます。このような変化に白内障による影響が重なると、物を見るが特に困難になります。

年齢を重ねると、これ以外にも眼の機能に変化が現れます。その人に最適の眼鏡をかけていても見え方の鮮明さ(視力)は上がらず、白内障 白内障 さらに読む 黄斑変性 加齢黄斑変性(AMD/ARMD) 加齢黄斑変性は、網膜中心部の最も重要な部分である黄斑の損傷が進行して、中心視力が徐々に損なわれていく病気です。 中心視力が徐々に低下し、細かい部分が見えなくなっていきます。直線が波打ってみえることもあります。 加齢黄斑変性に特徴的な眼の変化は、多くの場合、医師が専用の器具を用いて診察することで特定されます。 病気の進行を遅らせるのに栄養補助食品が役立つことがあります。 眼内への薬の注射やレーザー治療が必要になる人もいます。 さらに読む 加齢黄斑変性(AMD/ARMD) 進行した緑内障 緑内障 さらに読む がある人では特に厄介です( 高齢者がかかる主な病気 高齢者がかかる主な病気 一部の病気は、ほぼ例外なく、高齢者に起こります。(老化の概要も参照のこと。)これらは老年症候群(geriatrics syndrome)と呼ばれることがあります(「geriatrics」とは高齢者の医療を意味する言葉です)。 どの年齢の人にも起こりうる病気が、高齢者には他の年齢層の人と異なる症状または合併症を引き起こす場合もあります。そうした病気に、以下のような例があります。... さらに読む )。網膜の後方に届く光の量が減るため、照明をより明るくして、物と背景のコントラストをくっきりさせることが必要になります。 高齢者には、視野の中にたくさんの黒い点が浮かぶ症状が出ることもあります(飛蚊症[ひぶんしょう] 飛蚊症 飛蚊症(ひぶんしょう)は、外界に対応する物がないにもかかわらず、視界にほこりや糸くずのようなものが見える現象です。飛蚊症はよくみられる症状です。 飛蚊症は、外界から来る光以外の何かが網膜を刺激したときに起こります。網膜は、眼の奥にある光を感じる構造物です。網膜は、この刺激を受け取り、脳に信号を送ります。脳はこの信号を受け取り、視界に浮かぶ物体と解釈したり(飛蚊症)、稲妻、スポットライト、または星のように突然ピカッと走る光と解釈したり(光... さらに読む )。通常、飛蚊症が視覚に大きな影響を与えることはありません。

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