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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

(以前のウェゲナー肉芽腫症)

執筆者:

Carmen E. Gota

, MD, Cleveland Clinic Lerner College of Medicine at Case Western Reserve University

最終査読/改訂年月 2016年 12月
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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(以前はチャーグ-ストラウス症候群と呼ばれていた)は、臓器に損傷を与える小型血管または中型血管の炎症で、通常は、喘息、鼻アレルギー、鼻茸(はなたけ)、またはその複数の病歴のある人に起こります。

  • 原因は不明です。

  • 最初は、数カ月または数年間にわたる鼻水や喘息があるか、副鼻腔の痛みがあり、その後は侵された臓器に応じて様々な症状が続きます。

  • 医師は、症状や、身体診察、血液検査、胸部X線検査、生検の結果に基づいて診断を下します。

  • 通常はコルチコステロイドが効果的ですが、重要臓器が侵された場合、免疫の働きを抑制する別の薬を使用することがあります。

血管炎の概要も参照のこと。)

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は、あらゆる年齢の人に発生する可能性があります。診断時の平均年齢は48歳です。患者は成人期に、喘息、鼻アレルギー、鼻茸(鼻に多数のポリープができた場合)、またはこれらの複数を発症します。原因は不明です。

小型および中型の血管に生じうる炎症(血管炎)が、どの臓器にも起こることがあります。末梢神経系、副鼻腔、皮膚、関節、肺、消化管、心臓、腎臓が、最もよく侵されます。炎症を引き起こす免疫細胞の集まり(肉芽腫と呼ばれる)が、患部組織に隆起した膨らみ(小結節)を形成することがあります。肉芽腫は、正常な組織を破壊し、機能を阻害することがあります。また、肉芽腫によって皮膚の下にこぶができることもあります。さらに、患者の血液と組織の中で好酸球(白血球の一種)の数が増えます。好酸球の数が増えた状態を好酸球増多と呼び、これは、この病気にアレルギー反応が関わっている可能性を示唆しています。

症状

最初は喘息、鼻アレルギー、鼻茸、またはそれらの複数が、何年もかけて発生したり悪化したりします。患者はくしゃみが出たり、鼻水や眼のかゆみが続いたりします。副鼻腔の炎症によって顔面の痛みが生じることがあります。

その後、患者は全身の不調や疲労を感じることがあります。発熱、寝汗、食欲不振、体重減少がみられることもあります。その他の症状は、どの臓器が侵されたかによって変わりますが、具体的には以下のものがあります。

  • 筋肉や関節の痛み

  • 息切れ、喘息、副鼻腔炎

  • せき、ときに喀血

  • 胸痛

  • 発疹

  • 腹痛と下痢

  • 血便

  • しばしば突然現れる、腕や脚の異常な感覚、しびれ、または筋力低下

  • 錯乱、けいれん発作、昏睡

これらの症状は、どの組合せでも現れる可能性があります。症状は何度も生じることがあります。2回目以降では、最初と同じ症状が繰り返しみられることも、異なる症状が現れることもあります。

腎臓の炎症の症状は、腎臓の機能障害や腎不全が起こるまで現れない場合があります。その他の合併症には、心不全、心臓発作、心膜炎、心臓弁膜症などがあります。

診断

  • 医師による評価

  • 血液と尿の検査

  • 胸部X線検査

  • 生検(皮膚、筋肉、ときに肺組織)

早期の診断と治療が、臓器の重い損傷を防止するのに役立ちます。

診断を確定できる単独の検査はありません。典型的な症状の組合せや、身体診察とその他の検査の結果をみて診断します。

血液検査を行います。医師は血液中の好酸球数を測定します。好酸球はアレルギー反応の際に産生され、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症があると数が増えます。さらに医師は、この病気で存在する可能性がある特定の抗体(抗好中球細胞質抗体)を探します。赤血球が試験管の底に沈む速度(赤血球沈降速度、赤沈)を測定します。この速度が速ければ、炎症が起きていることが示唆されます。C反応性タンパク(全身の炎症に反応して肝臓で生成される)の値も測定します。C反応性タンパクの値が高い場合も、炎症が示唆されます。胸部X線検査を行い、肺の炎症がないか調べます。尿検査を行い、腎臓が侵されているかどうかを判定します。

炎症を起こした組織のサンプルを採取し、顕微鏡で調べます(生検)。生検により、組織に好酸球や肉芽腫があるかどうかが分かります。皮膚や筋肉の生検は、局所麻酔薬を使うだけで入院せずに行えるため、可能であれば、皮膚や筋肉からサンプルを採取します。ときには肺組織の生検が必要です。その場合は入院が必要になることがあります。

治療

  • コルチコステロイドとその他の免疫抑制薬

コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン[日本ではプレドニゾロン])が投与されます。コルチコステロイドは、炎症を軽減することができます。重要臓器が侵されている場合、免疫の働きを抑制する別の薬(免疫抑制薬)も使用します。アザチオプリンまたはメトトレキサートが使用されることがあります。症状が重いときはシクロホスファミドを使用します。

症状が消えた後、薬の用量を徐々に減らし、しばらくしたら投与を中止することがあります。必要ならば、投与を再開することもあります。これらの薬は、特に長期間使用すると、深刻な副作用を生じることがあります。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の患者は、この病気について学ぶべきです。そうすれば、患者は新しい症状があればそれに気づいて、すぐに医師に報告することができます。

腎臓、心臓、脳、脊髄、または神経が侵されている患者では、予後が不良です。

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