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再発性多発軟骨炎

執筆者:

Alana M. Nevares

, MD, The University of Vermont Medical Center

医学的にレビューされた 2020年 4月
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本ページのリソース
  • 耳や鼻に炎症が起こることや、圧痛がみられたりすることがあります。

  • 体内の他の軟骨に損傷が起こることもあり、眼の充血や痛み、声がれ、せき、呼吸困難、発疹、胸骨周辺の痛みなど、様々な症状が生じます。

  • 血液検査、臨床検査、画像検査、観察と検査のための組織の採取を行うことがあり、診断のために確立された基準を用いることがあります。

  • 症状、または合併症が中等度ないし重度である場合には、通常はコルチコステロイドと免疫抑制薬が役立ちます。

この病気に男女差はなく、通常は中年期に発症します。再発性多発軟骨炎の原因は不明ですが、軟骨組織に対する自己免疫反応が疑われています。

症状

典型的な症状としては、片側または両側の耳(耳たぶは除く)が赤く腫れ、強い痛みを伴います。それと同時かその後に軽度から重度の関節の炎症(関節炎)が発生することがあります。どの関節にある軟骨も侵される可能性があり、肋骨と胸骨をつないでいる軟骨に炎症が起こることがあります。鼻の軟骨も炎症がよくみられる部位です。鼻に圧痛が生じたり、軟骨がつぶれたりすることもあります。

他の患部としては眼が挙げられ、炎症が起こります。まれに角膜に穴があき(穿孔)、失明に至る場合もあります。喉頭、気管、または気管支が侵されることがあり、声がれ、空せき、息切れ、喉仏の圧痛が生じることがあります。頻度は低いものの、心臓が侵されることで、心雑音が発生することや、ときには心不全に至る場合もあります。まれに、腎臓に障害が現れます。

炎症と痛みの再燃が、数週間続いてから鎮静化し、この過程が数年間にわたって繰り返されます。最終的には、各臓器の構造を支えている軟骨組織が損傷することがあり、その結果、耳が垂れ下がり、鼻すじがへこみ、胸の下部がへこみます(漏斗胸)。内耳の神経が侵されることがあり、結果として平衡感覚や聴覚の障害を起こし、最終的には視覚障害が起こることがあります。

再発性多発軟骨炎の患者は、気道の軟骨がつぶれて空気の流れが遮断されることや、心臓や血管がひどい損傷を受けると、死亡することがあります。

診断

  • 確立された基準

  • ときに生検

経過を通して、以下の症状のうち3つ以上が認められると、再発性多発軟骨炎であると診断されます。

  • 両側の外耳の炎症

  • 複数の関節の痛みを伴う腫れ

  • 鼻の軟骨の炎症

  • 眼の炎症

  • 気道の軟骨の損傷

  • 聴覚または平衡感覚の障害

侵されている軟骨の生検(耳から採取することが最も多い)で、特徴的な異常が確認されることがありますが、診断のために必要というわけではありません。

赤血球沈降速度などの血液検査では、炎症の証拠が検出できます。また、血液検査では赤血球数の減少または白血球数の増加の有無と、特定の抗体の有無も明らかになります。血液検査の結果は再発性多発軟骨炎の診断を下すのに役立ちますが、そこで検出される異常がときとして健康な人や別の病気の人でみられることがあるため、それだけでは再発性多発軟骨炎の診断を確定することはできません。再発性多発軟骨炎の診断は、症状、身体診察の結果、すべての検査結果など、医師が集めたすべての情報に基づいて下されます。

予後(経過の見通し)

新しい治療法によって死亡率が低下しており、現在のところ、8年経過した時点での生存率は94%です。再発性多発軟骨炎患者は、それ以外の人より早期に死亡する傾向があり、その原因として最も多いのは心臓、肺、または血管への損傷です。

治療

  • 耳の再発性多発軟骨炎に対しては非ステロイド系抗炎症薬またはジアフェニルスルホン

  • コルチコステロイド

  • ときとして免疫抑制薬

軽症の耳の再発性多発軟骨炎は、 非ステロイド系抗炎症薬 非ステロイド系抗炎症薬 基礎疾患を治療することで、痛みを解消したり最小限に抑えたりできるケースがあります。例えば、骨折をギプスで固定することや、感染を起こした関節に抗菌薬を投与することは、鎮痛に役立ちます。しかし、痛みの基礎疾患が治療可能な場合でも、痛みに速やかに対処するために痛み止め(鎮痛薬)が必要になる場合もあります。 ( 痛みの概要も参照のこと。) 医師が鎮痛薬を選択する際、痛みのタイプと持続期間、それぞれの鎮痛薬の便益とリスクを考慮します。ほとんどの鎮... さらに読む (NSAID)やジアフェニルスルホンによって治療可能です。しかし、大半の患者ではコルチコステロイドのプレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)を投与し、症状が軽減し始めたら徐々に用量を減らしていきます。一部の患者では、症状が軽減しないためにコルチコステロイドの用量を簡単に減らせないことがあります。そのような場合は、コルチコステロイドの必要性を減らすためにメトトレキサートも投与することがあります。

非常に重症の場合は、ときにシクロスポリンやシクロホスファミド、アザチオプリンなどの免疫抑制薬や、腫瘍壊死因子と呼ばれる化学物質を阻害する薬(例えば、インフリキシマブやエタネルセプト)で治療します。これらの薬は症状を治療しますが、この病気の最終的な経過を変えることは示されていません。

気管がつぶれたり、狭くなったりしているのを修復するために手術が必要になることがあります。

コルチコステロイドを服用している患者では、 骨粗しょう症 骨粗しょう症 骨粗しょう症とは、骨密度の低下によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病態です。 加齢、エストロゲンの不足、ビタミンDやカルシウムの摂取不足、およびある種の病気によって、骨密度や骨の強度を維持する成分の量が減少することがあります。 骨粗しょう症による症状は、骨折が起こるまで現れないことがあります。... さらに読む 骨粗しょう症 に伴う骨折リスクが高くなります。そのような患者では、骨粗しょう症を予防するために、 ビスホスホネート系薬剤 骨粗しょう症とは、骨密度の低下によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病態です。 加齢、エストロゲンの不足、ビタミンDやカルシウムの摂取不足、およびある種の病気によって、骨密度や骨の強度を維持する成分の量が減少することがあります。 骨粗しょう症による症状は、骨折が起こるまで現れないことがあります。... さらに読む 薬 ビタミンDとカルシウムのサプリメント カルシウムとビタミンD 骨粗しょう症とは、骨密度の低下によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病態です。 加齢、エストロゲンの不足、ビタミンDやカルシウムの摂取不足、およびある種の病気によって、骨密度や骨の強度を維持する成分の量が減少することがあります。 骨粗しょう症による症状は、骨折が起こるまで現れないことがあります。... さらに読む カルシウムとビタミンD など、骨粗しょう症の治療に用いられる薬を投与することがあります。免疫抑制薬の投与を受けている患者には、真菌のニューモシスチス・イロベチイ Pneumocystis jiroveciiなどによる感染症を予防するための薬も投与されます(免疫力が低下した人の肺炎予防 予防 肺炎は肺の感染症です。免疫機能が低下している人または免疫系に異常がある人(例えば、後天性免疫不全症候群[エイズ]、がん、臓器移植、特定の薬剤の使用による)では、しばしば、健康な人とは異なる原因微生物によって肺炎が引き起こされます。 免疫機能が低下していると、健康な人にはほとんど病気を引き起こすことのない微生物が原因で肺炎が発生することがあります。 その症状は多様ですが、息切れ、せき、発熱などがあります。... さらに読む を参照)。

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