筋肉には次の3つの種類があります。
骨格筋
平滑筋
心筋
このうち骨格筋と平滑筋は、筋骨格系の一部です。
骨格筋とは、ほとんどの人が筋肉として普通に思い浮かべる、収縮させて体の様々な部分を動かすことのできる筋肉です。骨格筋は、収縮性のある筋線維の束が規則正しく配列したもので、顕微鏡で観察すると横縞模様が見えることから、横紋筋とも呼ばれます。骨格筋の収縮する速度は様々です。姿勢や動きに関与する骨格筋は骨に接着しており、関節周囲では互いに拮抗する筋肉群が配置されています。例えば、肘を曲げる筋肉(上腕二頭筋)は、肘を伸ばす筋肉(上腕三頭筋)と拮抗関係にあります。このような逆方向の動き同士はバランスがとれています。バランスがとれていることで動きが滑らかになり、筋骨格系の損傷を防ぐのに役立っています。骨格筋は、脳によってコントロールされ、本人の意思によって動くため随意筋とされています。骨格筋の大きさと筋力は、定期的な運動によって維持され、増強されます。また、成長ホルモンとテストステロンは、小児期には筋肉の成長を促し、成人になってからは筋肉の大きさを維持します。
筋骨格系
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筋骨格系(筋肉と他の組織)
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平滑筋は、人が簡単に制御することはできない特定の体の機能をコントロールしています。平滑筋は、多くの動脈を取り囲んでおり、収縮することで血流量を調節しています。また、腸の周囲も平滑筋が取り囲み、収縮して消化管内の食物や便を移動させています。平滑筋も脳によってコントロールされていますが、自分の意思で動かすことはできません。平滑筋が、収縮したり、弛緩したりするきっかけは、体の必要性によってコントロールされ、本人が意識することなく動くため、平滑筋は不随意筋とみなされています。
心筋は心臓を形づくっている筋肉であり、筋骨格系の筋肉ではありません。心筋は骨格筋と同様に筋線維が規則正しく配列し、顕微鏡で横縞模様が見えます。しかし、心筋は本人に意識されることなくリズミカルに収縮と弛緩を繰り返します。