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高血圧の薬物治療

執筆者:

George L. Bakris

, MD, University of Chicago School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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高血圧の治療に使用される薬剤は降圧薬と呼ばれています。降圧薬にはいろいろな種類があり、高血圧のほとんどを制御することができますが、治療は患者一人ひとりに適した方法で行う必要があります。(高血圧 高血圧 高血圧とは、動脈内の圧力が恒常的に高くなった状態のことです。 高血圧の原因は不明のことも多いですが、腎臓の基礎疾患や内分泌疾患によって起こる場合もあります。 肥満、体を動かさない生活習慣、ストレス、喫煙、過度の飲酒、食事での過剰な塩分摂取などはすべて、遺伝的に高血圧になりやすい人の高血圧の発症に何らかの形で関与しています。... さらに読む も参照のこと。)患者と医師が十分なコミュニケーションをとり、協力して治療プログラムを実行できれば、治療効果も高まります。

降圧薬の血圧を下げるメカニズムは薬剤の種類によって異なるため、様々な治療戦略があります。患者によっては段階的な薬物療法を行う場合があります。これは、まず1種類の降圧薬で治療を始め、必要に応じて他の降圧薬を加えていく方法です。また、別の患者には逐次的な薬物療法が望ましいと判断することがあります。これは、まず1種類の降圧薬を処方し、効果がなければ中止し、別の種類の降圧薬を処方する方法です。血圧が140/90mmHg以上の患者の場合、通常は2種類の降圧薬を同時に処方します。降圧薬を選ぶ際、医師は以下のような要因を考慮します。

  • 患者の年齢、性別、人種

  • 高血圧の重症度

  • 糖尿病や高コレステロール血症など他の病気の有無

  • 薬剤毎に異なる副作用の可能性

  • 薬剤の価格や特定の副作用を調べるための検査にかかる費用

大部分の患者(74%以上)は、目標値まで血圧を下げるために最終的に2種類以上の降圧薬を必要とします。

大半の患者は処方された降圧薬を問題なく服用することができます。しかし、どの降圧薬にも副作用が生じる可能性はあります。もし副作用が起こったら、患者はすぐに主治医に報告すべきで、そうすれば医師は、薬剤の投与量を調節したり、別の薬剤に変えたりするなどの対策を講じます。通常、降圧薬は血圧を調節するために無期限に服用し続ける必要があります。

利尿薬

クロルタリドンやインダパミドなどのサイアザイド系利尿薬は、高血圧の治療で最初に使用されることの多い薬剤です。利尿薬には血管を広げる働き(拡張作用)があります。また、腎臓がナトリウムと水分を排出するのを促し、体内の液体量を減らすことで血圧を低下させます。

サイアザイド系利尿薬はカリウムを尿中に排出するため、カリウムのサプリメントやカリウムの排出を起こさない利尿薬、カリウム濃度を上昇させるカリウム保持性利尿薬などを一緒に服用することが必要になる場合もあります。カリウム保持性利尿薬は、血圧を調節する効果がサイアザイド系利尿薬より劣るため、通常は単独で使用することはありません。一方、スピロノラクトンというカリウム保持性利尿薬は、ときに単独で使用されます。

利尿薬は、特に黒人、高齢者、肥満、心不全、慢性腎臓病の人に有用です。

アドレナリン遮断薬

アドレナリン遮断薬には、アルファ遮断薬、ベータ遮断薬、アルファ-ベータ遮断薬、末梢作用性アドレナリン遮断薬があります。これらの薬剤は、血圧を上昇させることによって、ストレスに素早く反応する交感神経系の働きを遮断します。最もよく使用されているアドレナリン遮断薬であるベータ遮断薬は、特に白人、若年者、心臓発作を起こしたことのある人に有用です。また、頻脈、狭心症(心臓の筋肉への血液供給が不足することに起因する胸痛)、または片頭痛がある人にも有用です。副作用のリスクは、高齢者ほど高くなります。アルファ遮断薬は、死亡のリスクを減らさないため、現在では主要な治療薬としては使用されていません。末梢作用性アドレナリン遮断薬は、通常は血圧のコントロールに第3、第4の薬剤が必要な場合にのみ使用されます。

中枢作用性アルファ作動薬

中枢作用性アルファ作動薬は、アドレナリン遮断薬と同様のメカニズムで血圧を低下させます。中枢作用性アルファ作動薬は、脳幹にある特定の受容体を刺激することによって交感神経系の働きを抑制します。現在では、この種の薬剤を使用することはまれになっていす。

アンジオテンシン変換酵素阻害薬

アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬には、細動脈を拡張させることで血圧を低下させる作用があります。細動脈を収縮させるアンジオテンシンIIの生成を阻止することによって、細動脈を拡張させます。具体的には、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換するアンジオテンシン変換酵素の働きを阻害します( )。この種の薬剤は、特に冠動脈疾患や心不全がある人、白人、若年者、慢性腎臓病や糖尿病性腎症により尿にタンパクが出ている人、他の降圧薬の副作用で性機能障害が起きた男性に対して有用です。

アンジオテンシンII受容体拮抗薬

アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬と同様のメカニズムで血圧を低下させます。この薬剤は細動脈を収縮させるアンジオテンシンIIの作用を直接的に遮断します。アンジオテンシンII受容体拮抗薬は、より直接的なメカニズムで血圧を低下させるため、副作用が比較的少なくて済みます。

カルシウム拮抗薬

カルシウム拮抗薬は、まったく異なる仕組みで細動脈を拡張させます。この薬剤は黒人や高齢者に特に有用です。カルシウム拮抗薬は狭心症の患者、特定の種類の頻脈がある患者、片頭痛の人にも有用です。カルシウム拮抗薬には短時間作用型と長時間作用型があります。短時間作用型のカルシウム拮抗薬は高血圧には使用しません。短時間作用型のカルシウム拮抗薬を使用すると、心臓発作による死亡のリスクが高まると指摘する報告がありますが、長時間作用型のカルシウム拮抗薬については、そのような報告はありません。

血管拡張薬

血管拡張薬は、さらに異なる仕組みで血管を拡張させます。この種の薬剤が単独で使用されることはまずなく、他の薬剤だけでは十分に血圧が下がらなかった場合に併用される薬剤です。

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