Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

読み込んでいます

排尿時の痛みまたは灼熱感

(排尿困難)

執筆者:

Anuja P. Shah

, MD, David Geffen School of Medicine at UCLA

最終査読/改訂年月 2017年 9月
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
本ページのリソース

排尿時の灼熱感または痛み(排尿困難)は、尿道口または(まれに)膀胱の全体(骨盤内[恥骨のすぐ上の下腹部])にわたって感じられます。排尿時の灼熱感または痛みは、成人女性で極めて一般的な症状ですが、成人男性でも起こる可能性があり、年齢を問わず発生します。

尿路症状の概要も参照のこと。)

原因

排尿時の灼熱感または痛みは、典型的には尿道または膀胱の炎症が原因です。女性では、腟または腟開口部周囲の炎症(外陰腟炎)が尿に触れることで痛みを生じる可能性があります。灼熱感や痛みにつながる炎症は、通常は感染が原因ですが、ときに感染以外の病態が原因である場合もあります。

一般的な原因

一般的に、排尿時の灼熱感または痛みの最も一般的な原因は以下のものです。

  • 膀胱の感染症(膀胱炎

  • 性感染症(STD)による尿道の感染症(尿道炎

評価

排尿時に痛みまたは灼熱感のある人のすべてが、直ちに医師の診察を受ける必要があるわけではありません。以下では、どれくらい急いで医師の診察を受ける必要があるか、また受けた場合に何が行われるかについて説明しています。

警戒すべき徴候

排尿時に痛みや灼熱感がみられる場合は、特定の症状や特徴に注意が必要です。それには以下のものがあります。

  • 発熱

  • 背中の痛みまたはわき腹の痛み(側腹部痛)

  • 膀胱カテーテルやその他の器具を最近挿入したことがある

  • 免疫系の病気

  • 再発を繰り返す(小児期の頻繁な感染症を含む)

  • 判明している尿路の異常

受診のタイミング

免疫系の病気がある人や妊娠している女性で警戒すべき徴候がみられる場合は、尿路感染症の合併症が重篤化する可能性があるため、その日のうち(あるいは症状が夜間に起きた場合は翌朝)に医師の診察を受ける必要があります。その他の人で、警戒すべき徴候がみられる場合や、症状が特に煩わしい場合は、1~2日内に医師の診察を受ける必要があります。警戒すべき徴候がみられず、症状が軽い場合は、2~3日の遅れは問題になりません。

膀胱の感染症を何度も経験している女性では、新たな再発時に、それと分かる特徴的な症状が認識されることもあります。

医師が行うこと

医師はまず、症状と病歴について質問し、次に身体診察を行います。病歴聴取と身体診察で得られた情報から、多くの場合、排尿時の灼熱感や痛みの原因と必要になる検査を推測することができます( 排尿時の痛みの主な原因と特徴)。

医師は過去に同様の症状が起きたことがないかどうかを尋ねることもあります。また、痛みに伴う症状および原因の手がかりを提供してくれる症状について尋ねます。例えば、以下のようなことを質問します。

  • 尿は血尿ではないか、濁っていないか、異臭はしないか

  • 何らかの分泌物はないか

  • 最近、無防備な性交をしたことはないか

  • 性器に対して刺激物を塗ったことはないか

  • 膀胱カテーテルの挿入を最近受けなかったか、あるいは尿路に対する他の処置を受けたか

女性では、妊娠している可能性がないかを尋ねられます。

女性では通常、身体診察の一部として内診を行い、子宮頸部と腟から体液のサンプルを採取して性感染症がないかチェックします。男性では、陰茎に分泌物がないか調べるとともに、直腸指診で前立腺の状態を調べます。

症状の最も重い部位を特定することで、原因究明の手がかりが得られる場合があります。例えば、最も症状の重い部位が恥骨のすぐ上のあたりであれば、膀胱感染症が原因として疑われます。一方、症状の最も重い部位が尿道の出口部分であれば、原因は尿道炎の可能性があります。陰茎から分泌物がみられる男性であれば、多くの場合、尿道炎によるものです。灼熱感が主に腟にあり、帯下(おりもの)がみられる場合は、腟炎が原因として疑われます。子宮頸部からの分泌物は子宮頸管炎を疑わせます。

icon

排尿時の痛みの主な原因と特徴

原因

一般的な特徴*

検査

感染症

膀胱炎(膀胱感染症)

通常は成人女性および女児

頻尿と尿意切迫

夜間に排尿のために起きる

ときに血尿または尿の異臭

医師の診察

精巣精巣上体炎(精巣上体と精巣の感染症)

精巣の圧痛および腫れ

ときに頻尿または尿道からの分泌物

ときに発熱または吐き気

医師の診察

ときに尿検査

ときにSTD検査

前立腺炎(前立腺の感染症)

直腸指診での前立腺の圧痛の所見

しばしば発熱、排尿開始困難、頻尿、夜間頻尿、排尿時の灼熱感または痛み

ときに血尿

しばしば、長期にわたる尿路の閉塞による症状(尿勢低下、排尿困難、排尿後尿滴下)

尿検査と尿培養検査

尿道炎(尿道の感染症)、典型的にはSTDが原因

通常、男性では尿道から視認できる分泌物

女性では、ときに腟からの分泌物

無防備な性交を最近経験した人

STD検査

外陰腟炎(外陰部と腟の感染症)

腟からの分泌物

しばしば陰部の発赤

医師の診察と分泌物のサンプルの顕微鏡検査

子宮頸管炎(子宮頸部の感染症)

しばしば子宮頸部からの分泌物

無防備な性交の経験

STD検査

炎症を引き起こす病気

炎症を引き起こす結合組織の病気(反応性関節炎ベーチェット症候群など)

排尿時の痛みが起こる前にみられる全身または広範囲の症状(体幹部の痛みと関節痛を含む)

ときに皮膚、口腔、眼、陰部(腟の内部を含む)のびらん

STD検査

ときに、これらの結合組織の病気をチェックするための血液検査

刺激性の物質またはアレルギー反応を引き起こす物質への接触(殺精子剤、潤滑剤、ラテックスコンドームなど)

ときに陰部の発赤

炎症やアレルギー反応を引き起こす可能性がある物質にさらされたことがある人

医師の診察のみ

間質性膀胱炎(感染症を伴わない膀胱の炎症)

女性でより一般的

頻尿と尿意切迫

長期間続く症状

尿検査と尿培養検査

膀胱鏡検査(観察用の柔軟な管状の機器を尿道から膀胱に挿入して内部を調べる検査)と通常は膀胱生検(検査用に組織サンプルを採取する処置)も含まれる

その他の病気

萎縮性腟炎または尿道炎(腟または尿道の組織が薄くなる)

閉経後の女性

腟乾燥

しばしば性交時の痛み

腟からの分泌物

腟内部の変化(平滑化および蒼白化)

医師の診察のみ

腫瘍(通常は膀胱がん前立腺がん、または尿道がん

長期間続く症状(尿勢の低下や排尿開始困難など)

通常は血尿

膀胱がんが疑われる場合は膀胱鏡検査

前立腺がんが疑われる場合はPSA値を測定する血液検査

PSA値が上昇している場合は前立腺の生検

*この欄には症状や診察の結果などが示されています。ここに示されている特徴は典型的なものですが、常に当てはまるわけではありません。

排尿時の痛みの原因として一般的な感染性微生物には、性行為によって感染する微生物(淋菌感染症、クラミジア感染症、トリコモナス症の原因微生物)と性行為によって感染しない細菌(大半が大腸菌 Escherichia (E.) coli)があります。

この原因はまれです。

PSA = 前立腺特異抗原、STD = 性感染症。

検査

女性で膀胱感染症を疑わせる症状がみられる場合、個々の症例でどのような検査が必要かの判断は医師の間でも分かれます。尿検査を行う医師もあれば、検査を行わずに治療する医師もいます。しかし、診断がはっきりしない場合は、どの医師も検査を行います。通常、最初に行われる検査は尿検査です。多くの場合、尿培養検査も行って、感染症の原因微生物を特定し、有効な抗菌薬はどれかを判断します。妊娠可能年齢の女性で妊娠の有無が不明の場合は、妊娠検査を行います。陰茎からの分泌物がみられる男性と、腟からの分泌物(おりもの)がみられる多くの女性では、しばしばSTD検査を行います。

膀胱鏡検査と尿路の画像検査は、解剖学的な異常やその他の問題がないか確認するために、特に抗菌薬が有効でない場合に、必要になることがあります。男性、高齢者、妊娠中の女性では、特に注意が必要で、より徹底した検査が必要になる場合があります。

治療

原因に対する治療が行われます。感染症が原因である場合が多く、抗菌薬により1~2日で症状の軽減が得られます。痛みが激しい場合は、抗菌薬の効果がみられるまで、不快感を軽減するためフェナゾピリジン(phenazopyridine)を1~2日間投与することがあります。ただしフェナゾピリジン(phenazopyridine)を服用すると、尿が赤みを帯びたオレンジ色に変色し、下着に染みができることがあります。

要点

  • 膀胱感染症は一般的な原因の1つですが、その他の多くの病気も排尿時の痛みを引き起こす可能性があります。

  • 排尿時の灼熱感または痛みは、STDの徴候である場合があります。

  • 女性に対する治療では、検査をする代わりに抗菌薬を投与し、症状が消失するかどうかを確認することがあります。

ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
ここをクリックするとプロフェッショナル版へ移動します
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ソーシャルメディア

TOP