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胆嚢炎

執筆者:

Ali A. Siddiqui

, MD, Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 11月
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概要

胆嚢炎は胆嚢に炎症が起きた状態で、多くは胆嚢管をふさいでいる胆石が原因です。

  • 典型的には腹痛、発熱、吐き気がみられます。

  • 通常は、超音波検査で胆嚢炎の徴候を検出できます。

  • 胆嚢の摘出には、しばしば腹腔鏡が用いられます。

胆嚢炎は、急性または慢性に分類されます。

急性胆嚢炎

まれに、胆石が存在しない状況で急性胆嚢炎が発生することがあります(無石胆嚢炎 無石胆嚢炎 胆嚢炎は胆嚢に炎症が起きた状態で、多くは胆嚢管をふさいでいる胆石が原因です。 典型的には腹痛、発熱、吐き気がみられます。 通常は、超音波検査で胆嚢炎の徴候を検出できます。 胆嚢の摘出には、しばしば腹腔鏡が用いられます。 (胆嚢と胆管の病気の概要も参照のこと。) さらに読む )。その場合でも、胆嚢には胆泥(胆石と同様の成分が泥のようになったもの)がたまっていることがあります。無石胆嚢炎は他の種類の胆嚢炎より重篤で、以下の状況に続いて生じることがよくあります。

急性無石胆嚢炎は、おそらくウイルスなどによる感染症が原因で、幼児に生じることがあります。

慢性胆嚢炎

慢性胆嚢炎は、胆嚢の炎症が長期間持続する病気です。ほぼ例外なく、胆石または過去に発生した急性胆嚢炎 急性胆嚢炎 胆嚢炎は胆嚢に炎症が起きた状態で、多くは胆嚢管をふさいでいる胆石が原因です。 典型的には腹痛、発熱、吐き気がみられます。 通常は、超音波検査で胆嚢炎の徴候を検出できます。 胆嚢の摘出には、しばしば腹腔鏡が用いられます。 (胆嚢と胆管の病気の概要も参照のこと。) さらに読む に起因します。慢性胆嚢炎の特徴は、胆石が胆嚢管を周期的にふさぐことで生じる痛みの反復発作(胆道仙痛)です。

慢性胆嚢炎では、急性の炎症(多くは胆石が原因)が繰り返されて胆嚢に損傷が生じ、通常は胆嚢の壁が厚くなり、胆嚢が瘢痕化して小さくなります。胆石は、胆嚢管に続く胆嚢の開口部、または胆嚢管そのものをふさぐことがあります。胆嚢には通常、胆泥がたまっています。瘢痕が広範囲に及ぶ場合、カルシウムが胆嚢の壁に沈着して、壁の硬化(磁器様胆嚢)を引き起こすことがあります。

症状

急性胆嚢炎と慢性胆嚢炎のどちらの場合も、胆嚢の発作は、まず痛みとして始まります。

急性胆嚢炎

急性胆嚢炎の痛みは、胆道仙痛(胆石 胆石は胆嚢内で固形物(主にコレステロールの結晶)が集積したものです。 肝臓はコレステロールを過剰に分泌することがあり、このコレステロールは胆汁とともに胆嚢に運ばれ、そこで過剰なコレステロールが固体粒子を形成して蓄積します。 胆石は、ときに数時間続く上腹部痛を起こすことがあります。 超音波検査では極めて正確に胆石を検出できます。 胆石によって痛みなどの問題が繰り返し起こる場合は、胆嚢を摘出します。 さらに読む による痛み)に似ていますが、より激しく痛み、継続時間も長くなります。痛みは15~60分後にピークに達し、その後一定に保たれます。通常は右上腹部に生じ、耐えがたい痛みになることもあります。多くの場合、触診で右上腹部を押されると鋭い痛みを感じます。深く呼吸すると、痛みが強くなることがあります。痛みは、多くの場合右肩甲骨の下部や背中に広がります。吐き気や嘔吐もよくみられます。

2~3時間のうちに、右腹部の筋肉が硬くなることもあります。急性胆嚢炎患者の約3分の1で発熱が起こります。熱は徐々に上昇し、38℃を超えることが多く、悪寒を伴うこともあります。

高齢者の胆嚢炎では、最初の症状や唯一の症状があいまいになることがあります。例えば、食欲不振、疲労感、脱力感、嘔吐などがみられたり、発熱がなかったりすることもあります。

典型的には、発作は2~3日で治まり、1週間で完全に消失します。急性発作の持続は、重篤な合併症の合図である可能性があります。増大する激しい痛み、高熱、悪寒は、胆嚢に膿瘍(内部に膿がたまった空洞)または裂傷(穿孔)があることを示唆します。膿瘍は、組織が壊死して起こる壊疽に起因します。大きな胆石は、胆嚢の壁を裂いて小腸に入り、小腸をふさぐことがあります。この閉塞により、腹痛や腹部膨満が生じることがあります。

無石胆嚢炎

無石胆嚢炎は、非常に容態の悪い患者に起こる傾向があります。例えば、別の理由で集中治療室にいる患者や、ほかにも多くの症状のある患者にみられます。また、容態がかなり悪いため、意思の疎通がうまくできないことがあります。これらの理由から、無石胆嚢炎は最初のうちは見落とされることがあります。

症状は限られており、腹部の腫れ(膨張)、圧痛、原因不明の発熱などです。無石胆嚢炎は、治療しないと65%の患者が死亡します。

慢性胆嚢炎

慢性胆嚢炎の患者は、痛みの発作を繰り返します。上腹部の胆嚢のある部位に圧痛があります。急性胆嚢炎とは対照的に、慢性胆嚢炎の患者では発熱はまれです。痛みは急性胆嚢炎ほど重度ではなく、それほど長引くこともありません。

診断

  • 超音波検査、ときにその他の画像検査

胆嚢炎の診断は、主に症状と画像検査の結果に基づいて下されます。

胆道シンチグラフィー検査 肝臓、胆嚢、胆管の画像検査には、超音波検査、核医学検査、CT検査、MRI検査、内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査、経皮経肝胆道造影、術中胆道造影、単純X線検査などがあります。 超音波検査では、音波を利用して肝臓や胆嚢、胆管を画像化します。経腹超音波検査は、肝硬変(肝臓の重度の瘢痕化)や脂肪肝(肝臓に過剰な脂肪が蓄積している状態)など肝臓全体を一様に侵す異常よりも、腫瘍など肝臓の特定の部分だけを侵す構造的な異常の検出に優れています。これは、胆... さらに読む は、急性胆嚢炎の診断が困難なときに有効な画像検査です。この検査では、放射性物質(放射性核種)を静脈に注入します。その物質が出す放射線をガンマカメラという機器で検出し、コンピュータで画像を作成します。これにより、肝臓から胆道に向かう放射性物質の動きを追うことができます。肝臓、胆管、胆嚢と小腸の上部の画像が得られます。放射性物質が胆嚢に達しないときは、胆嚢管が胆石でふさがっていると考えられます。また、胆道シンチグラフィー検査は、急性の無石胆嚢炎 無石胆嚢炎 胆嚢炎は胆嚢に炎症が起きた状態で、多くは胆嚢管をふさいでいる胆石が原因です。 典型的には腹痛、発熱、吐き気がみられます。 通常は、超音波検査で胆嚢炎の徴候を検出できます。 胆嚢の摘出には、しばしば腹腔鏡が用いられます。 (胆嚢と胆管の病気の概要も参照のこと。) さらに読む が疑われる場合にも役立ちます。

治療

  • 胆嚢を摘出する手術

入院

急性または慢性胆嚢炎の患者は、入院する必要があります。飲食は許可されず、水分と電解質の点滴補給を受けます。腸が閉塞しているか正常に機能していない場合、吸引で胃を空にしたり、腸に貯留する体液を減らしたりするため、チューブを鼻から胃に通します。

通常、抗菌薬が静脈内投与され(感染の可能性があるため)、痛み止めを服用します。

胆嚢摘出術

以下の場合、通常は、症状が現れてから24~48時間以内に胆嚢を摘出します。

発作が治まっている間は、必要に応じて、手術を6週間以上遅らせることがあります。手術のリスクを著しく高める病気(心疾患、肺疾患、腎疾患など)がある場合、適切な治療でその病気をコントロールできるようになるまで手術を遅らせます。

慢性胆嚢炎では、通常、目下の発作が沈静化してから胆嚢を摘出します。

胆嚢を摘出する手術(胆嚢摘出術)では、通常は腹腔鏡(観察用の柔軟な管状の機器)が使用されます。この方法では、腹部を小さく切開し、そこから腹腔鏡と手術器具を挿入し、手術器具で胆嚢を摘出します。外科医は、腹腔鏡に搭載された小さなカメラの映像により、体内での操作を見ることができます。

手術後の痛み

まれに、胆嚢(および胆石)を摘出したにもかかわらず、胆嚢の発作が起きているかのような痛みが新たに、あるいは繰り返し起こることがあります。この状態は胆嚢摘出後症候群と呼ばれることもあります。この症候群の原因は不明ですが、少数の患者では、オッディ括約筋(総胆管や膵管と小腸との間にある輪状の筋肉)の機能不全が原因ではないかと考えられています。この筋肉の機能不全があると、総胆管からの胆汁の流れや膵管からの分泌物の流れが遅くなり、ひいては両方の管の圧力が上昇して痛みが生じることがあります。胆嚢を摘出した後、管内に残った小さな胆石が痛みの原因になることもあります。もっと多いのは、過敏性腸症候群 過敏性腸症候群(IBS) 過敏性腸症候群(IBS)は消化管の病気で、腹痛と便秘または下痢を繰り返し引き起こします。 症状は様々ですが、下腹部痛、腹部膨満、ガス、便秘、下痢がよくみられます。 様々な物質や感情的要素が引き金となって過敏性腸症候群の症状が起こります。 通常は症状に基づいて診断が下されますが、他の病気ではないことを確認する検査が行われます。... さらに読む 消化性潰瘍 消化性潰瘍 消化性潰瘍(かいよう)とは、胃や十二指腸の内面が胃酸や消化液で侵食されて、円形やだ円形の傷ができた状態をいいます。 消化性潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)感染や、胃や十二指腸の粘膜を衰弱させる薬によって生じることがあります。 潰瘍による不快感が生じたり消えたりしますが、この不快感は食べることで胃酸が分泌されるために食後に起こる傾向があります。... さらに読む 消化性潰瘍 など、胆嚢とは関連のない病態による痛みです。

痛みの原因が管の内圧の上昇によるものかどうかを判定するには、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)検査または胆道シンチグラフィー検査( 肝臓と胆嚢の画像検査 肝臓と胆嚢の画像検査 肝臓、胆嚢、胆管の画像検査には、超音波検査、核医学検査、CT検査、MRI検査、内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査、経皮経肝胆道造影、術中胆道造影、単純X線検査などがあります。 超音波検査では、音波を利用して肝臓や胆嚢、胆管を画像化します。経腹超音波検査は、肝硬変(肝臓の重度の瘢痕化)や脂肪肝(肝臓に過剰な脂肪が蓄積している状態)など肝臓全体を一様に侵す異常よりも、腫瘍など肝臓の特定の部分だけを侵す構造的な異常の検出に優れています。これは、胆... さらに読む )が必要になることがあります。ERCPでは、内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を口から挿入して腸に到達させ、その内視鏡を通して圧力測定器を挿入します。管の内圧が高ければ、内視鏡を介して手術器具を挿入し、オッディ括約筋を切開して広げます。痛みの原因が括約筋の機能不全である場合は、この方法(内視鏡的乳頭括約筋切開術)で症状を軽減できます。

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