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悪性外耳道炎

(頭蓋底骨髄炎,壊死性外耳道炎)

執筆者:

Bradley W. Kesser

, MD,

  • Professor, Department of Otolaryngology - Head and Neck Surgery
  • University of Virginia School of Medicine

最終査読/改訂年月 2016年 9月

悪性外耳道炎(頭蓋底骨髄炎または壊死性外耳道炎とも呼ばれる)は,典型的にはPseudomonasによる側頭骨の骨髄炎である。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)も起炎菌として報告されている。

軟部組織,軟骨,骨が全て侵される。骨髄炎は頭蓋底に沿って広がり,脳神経障害(通常は第7脳神経が最初に侵され,その後,第9,第10,第11脳神経が侵される)を引き起こすことがあり,正中線を越えることもある。

悪性外耳道炎は主として,高齢の糖尿病患者または易感染性患者に生じる。しばしばPseudomonasによる外耳炎によって発症する;メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)も原因として同定されている。持続性で重度の深部の耳痛(しばしば夜間に悪化する),悪臭を伴う膿性耳漏,外耳道(通常は外耳道の骨部と軟骨部の境界)の肉芽組織または露出した骨などが特徴である。様々な程度の伝音難聴が起こりうる。重症例では,侵食性で,生命を脅かす可能性があるこの感染が茎乳突孔から頸静脈孔,さらに頭蓋底(頭蓋底骨髄炎)に沿って広がるにつれ,顔面神経麻痺,およびさらに下位の脳神経麻痺(第9,第10,または第11脳神経)が続発する場合がある。

診断

  • 側頭骨のCT

診断は側頭骨の高分解能CTに基づいて行い,CTでは乳突蜂巣の放射線不透過性亢進および中耳の一部に放射線透過性(脱石灰化)がみられる場合がある。骨びらんの同定により診断が確定される。培養を行い,また重要なこととして,外耳道の生検を施行し,本疾患を悪性腫瘍と鑑別しなければならない。

治療

  • 抗菌薬の全身投与(通常,フルオロキノロン系薬剤,および/またはアミノグリコシド系薬剤/半合成ペニシリンの併用)

  • 外用抗菌薬/ステロイド製剤(例,シプロフロキサシン/デキサメタゾン)

  • まれに,肉芽組織などの外科的除去

典型的な治療は,培養結果に基づいたフルオロキノロン系薬剤の6週間のコース(例,シプロフロキサシン,400mg,8時間毎,静注)および/または全身投与でのペニシリン系(ピペラシリン-タゾバクタムまたはピペラシリン)/アミノグリコシド系薬剤の併用(シプロフロキサシン耐性pseudomonasに対して)による。しかし,軽症例は外来での高用量の経口フルオロキノロン系薬剤(例,シプロフロキサシン,750mg,12時間毎,経口)と綿密なフォローアップにより治療できる。治療には,外用シプロフロキサシン/デキサメタゾン製剤(例,点耳薬,薬剤を染み込ませた外耳道用のドレッシング)も含まれる。高圧酸素療法は,有用な補助的治療となりうるが,その明確な役割はまだ解明されていない。至適な抗菌薬療法と投与期間については感染症専門医に,糖尿病の厳格な管理については内分泌医に,それぞれコンサルテーションを行うことが推奨される。広範囲の骨病変では,さらに長期間の抗菌薬療法が必要となりうる。糖尿病の綿密な管理が不可欠である。診察室での頻回な肉芽組織および膿性分泌物の除去が必要である。手術は通常不要であるが,より広範な感染症に対しては肉芽組織などの外科的除去を行う場合がある。

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