悪性外耳道炎

(壊死性外耳道炎;頭蓋底骨髄炎)

執筆者:Bradley W. Kesser, MD, University of Virginia School of Medicine
Reviewed ByLawrence R. Lustig, MD, Columbia University Medical Center and New York Presbyterian Hospital
レビュー/改訂 修正済み 2024年 2月
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悪性外耳道炎は典型的には,Pseudomonas属細菌を原因とする側頭骨の骨髄炎である。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)も悪性外耳道炎を引き起こす可能性がある。

悪性外耳道炎により軟部組織,軟骨,骨が全て侵される。骨髄炎は頭蓋底に沿って広がり,脳神経障害(通常は第7脳神経が最初に侵され,その後,第9,第10,第11脳神経が侵される)を引き起こすことがあり,正中線を越えることもある。

悪性外耳道炎は主として,高齢の糖尿病患者または易感染性患者に生じる。Pseudomonas属細菌による外耳炎が原因で発症する場合が多いが,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)もこの感染症を引き起こす可能性がある。

悪性外耳道炎は,持続性で重度かつ深部の耳痛(しばしば夜間に悪化する),悪臭を伴う膿性耳漏,および外耳道(通常は骨部と軟骨部の境界)の肉芽組織または露出した骨を特徴とする。様々な程度の伝音難聴が起こりうる。

重症例では,侵食性で,生命を脅かす可能性があるこの感染が茎乳突孔から頸静脈孔,さらに頭蓋底(頭蓋底骨髄炎)に沿って広がるにつれ,顔面神経麻痺,およびさらに下位の脳神経麻痺(第9,第10,または第11脳神経)が続発する場合がある。

悪性外耳道炎の診断

  • 側頭骨のCT

  • 培養

  • 生検

悪性外耳道炎の診断は側頭骨の高分解能CTから示唆され,CTでは乳突蜂巣の放射線不透過性亢進,中耳の一部に放射線透過性(脱石灰化),および骨びらんがみられる場合がある。

培養を行うほか,外耳道の生検を施行して,本疾患を悪性腫瘍や腫瘍形成の過程(例,有棘細胞癌)と鑑別する必要がある。

悪性外耳道炎の治療

  • 抗菌薬の全身投与(通常,フルオロキノロン系薬剤,および/またはアミノグリコシド系薬剤/半合成ペニシリンの併用)

  • 外用抗菌薬/コルチコステロイド製剤(例,シプロフロキサシン/デキサメタゾン)

  • まれに肉芽組織などの外科的除去

悪性外耳道炎の典型的な治療は,培養結果に基づくフルオロキノロン系薬剤(例,シプロフロキサシン)の6週間の静脈内投与および/または半合成ペニシリン系(ピペラシリン-タゾバクタムまたはピペラシリン)/アミノグリコシド系薬剤の併用(シプロフロキサシン耐性のPseudomonas属細菌に対して)による。しかしながら,軽症例は外来での高用量の経口フルオロキノロン系薬剤(例,シプロフロキサシン)と綿密なフォローアップにより治療できる。治療には,外用シプロフロキサシン/デキサメタゾン製剤(例,点耳薬,薬剤を染み込ませた外耳道用のドレッシング)および感染組織などの継続的な除去も含まれる。

至適な抗菌薬療法と治療期間について感染症専門医にコンサルテーションを行うことが推奨される。広範囲の骨病変では,さらに長期間の抗菌薬療法が必要となりうる。

高気圧酸素治療は,有用な補助的治療となりうるが,その明確な役割はまだ解明されていない。

糖尿病がある場合は,糖尿病の綿密なコントロールが不可欠であり,厳格な糖尿病管理について内分泌医にコンサルテーションを行うことが推奨される。易感染状態の患者では,免疫療法を中止することもある。

診察室で行う肉芽組織および膿性分泌物の頻回の除去が必要である。通常は手術は不要であるが,より広範な感染に対しては壊死組織の外科的除去を行うことがある(1)。

治療に関する参考文献

  1. 1.Al Araj MS, Kelley C: Malignant Otitis Externa.In: StatPearls (Internet).2021; Treasure Island (FL): StatPearls Publishing: 2022 Jan PMID: 32310598.

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