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声帯ポリープ,声帯結節,および声帯肉芽腫

執筆者:

Clarence T. Sasaki

, MD, Yale University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2016年 1月
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急性外傷または慢性刺激により,ポリープ,結節,または肉芽腫に至ることがある声帯の変化が生じる。いずれも嗄声および気息声を引き起こす。これらの症状が3週間を超えて持続する場合は,声帯の観察を行う。診断は,喉頭鏡検査および選択された症例で癌を除外するための生検に基づく。慎重な外科的切除により音声を回復し,刺激源の除去により再発を予防する。

病因

ポリープおよび結節は,声帯の固有層への損傷により発生する。肉芽腫は,披裂軟骨の声帯突起を覆う軟骨膜への損傷により発生する。

ポリープは声帯膜様部を3等分した中央部に発生することがあり,片側性であることの方が多い。ポリープは結節より大きく,隆起する傾向があり,しばしば顕著な表面の血管を有する。しばしば急性の発声器損傷が原因で生じる。その他のポリープ様の変化(しばしば両側性である)には,他にも原因がいくつかあり,胃食道逆流,未治療の甲状腺機能低下状態,慢性の喉頭のアレルギー反応,または刺激物(産業による煙霧もしくはタバコの煙など)の慢性的な吸入が含まれる。通常,急性外傷は有茎性ポリープを引き起こし,一方慢性刺激からはポリープ様の浮腫が生じる。

結節は,通常は声帯を3等分した前部と中央部の移行部に両側性に発生する。主な原因は,大声で叫ぶ,怒鳴る,声高に歌う,または不自然に低い声を使うといった,慢性的な声の乱用である。

肉芽腫は,声帯突起に接して声門後部に発生する。両側性または片側性である。肉芽腫は通常,挿管時の外傷により生じるが,逆流症により増悪する場合がある。

喉頭疾患

通常,弛緩した声帯はV字型に開き,空気が自由に気管へと通過できる。声帯は吸気時に開き,嚥下または発声時に閉じる。患者の口腔の奥でミラーを保持すると,しばしば声帯が見え,接触性潰瘍,ポリープ,結節,麻痺,および癌などの疾患がないか確認できる。麻痺は一方の声帯(片側性)または両方の声帯(両側性—図なし)に生じる場合がある。

喉頭疾患

症状と徴候

いずれも緩徐に発生する嗄声および気息声を来す。

診断

  • 咽頭鏡検査

  • ときに生検

診断は,ミラーまたは喉頭鏡による直接的または間接的な喉頭の観察に基づく。癌を除外するために,喉頭顕微鏡下で個別の病変の生検を施行する。

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声帯ポリープ,声帯結節,および声帯肉芽腫の鑑別

種類

原因

特徴

治療

ポリープ

急性外傷,胃食道逆流,未治療の甲状腺機能低下状態,慢性の喉頭のアレルギー反応,刺激物(例,産業による煙霧,タバコの煙)の慢性的な吸入

片側性

声帯膜様部に生じる

結節より大きい

表面の血管

外傷によるポリープの外科的切除

その他のポリープ様病変は最初は薬物療法

結節

慢性外傷(例,声の乱用,大声で叫ぶ,怒鳴る,声高に歌う,不自然に低い声を使う)

両側性

声帯膜様部に生じる

行動変容(例,発声時における喉頭の筋骨格の緊張を減らす),音声治療,逆流防止治療

肉芽腫

繰り返しの声の乱用,逆流性疾患,気管挿管

しばしば両側性であるが,片側性にも起こりうる

両方の声帯突起(声帯後部)に生じる

結節より大きい

音声治療,逆流防止治療

退縮しない肉芽腫に対し,外科的切除

治療

  • 原因の回避

  • 声帯ポリープに対しては通常,外科的切除

基礎にある声の乱用の是正で大半の結節および肉芽腫は治癒し,再発が予防される。原因となる刺激物の除去(胃食道逆流の治療を含む)により治癒が可能となり,言語療法士による音声治療は,不適切な歌唱法または長時間大声で話すことにより引き起こされる声帯の外傷を減少させる。結節は通常,音声治療のみで退縮する。退縮しない肉芽腫は外科的に切除できるが,再発する傾向がある。

正常な声を回復するためには,大半のポリープは外科的に除去しなければならない。喉頭直達顕微鏡下のコールドナイフを用いたマイクロサージャリーによる切除術は,不適切に処置した場合に熱損傷を随伴する可能性が高いレーザー切開術より望ましい。

喉頭顕微鏡検査においては,手術用顕微鏡を使って,喉頭の診察,生検,および手術を施行する。画像は録画もできる。麻酔を施し,喉頭鏡を用いた高圧ジェット換気,気管挿管,または上気道が不十分な場合には気管切開によって気道を確保する。顕微鏡は拡大像での観察も可能であるため,正確かつ精密に組織を除去でき,音声機構への損傷(恒久的となる可能性がある)を最小限に抑えられる。レーザー手術は,精密な切除を可能にするため,光学顕微鏡システムを介して施行できる。ほぼ全ての喉頭の生検,良性腫瘍に関する手技,および多くの形式の音声外科手術において,喉頭顕微鏡が好まれる。

要点

  • 声帯ポリープは急性外傷または慢性刺激の結果生じる。

  • 症状が3週間を超えて持続する場合は,声帯の観察を行う。

  • 癌を除外するために生検が必要なことがある。

  • 切除後,再発を予防するために刺激の発生源を除去する必要がある。

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