(歯科患者の評価 歯科患者の評価 最初の歯科定期健診は1歳まで,または最初の歯の萌出までに実施すべきである。その後の評価は6カ月毎に,または症状の発生時に随時実施すべきである。口腔の診査は,あらゆる一般身体診察の一部である。様々な全身性疾患における口腔内所見は独特であり,ときには疾患に特徴的であり,疾患の初発徴候であることもある(... さらに読む も参照のこと。)
口腔灼熱症候群は,一般に閉経後女性に生じる。神経原性であると考えられており,痛覚および味覚の神経が侵される。二次性の口腔灼熱症候群の原因としては以下のものがある:
栄養欠乏(ビタミンB12 ビタミンB12欠乏症 食事によるビタミンB12欠乏症は通常,不十分な吸収に起因するが,ビタミンサプリメントを摂らない完全菜食主義者に欠乏症が生じることがある。欠乏症により,巨赤芽球性貧血,脊髄および脳の白質への障害,ならびに末梢神経障害が起こる。診断は通常,血清ビタミンB12値の測定によって行う。シリング試験が病因の特定に役立つ。治療はビタミンB12の経口また... さらに読む , 鉄 鉄欠乏症 鉄(Fe)はヘモグロビン,ミオグロビン,および体内の多数の酵素の成分である。主に動物性食品に含まれるヘム鉄は,平均的な食事中の鉄分の85%超を占める非ヘム鉄(例,植物および穀物に含まれる)よりもはるかに吸収がよい。しかし,非ヘム鉄は,動物性タンパク質およびビタミンCと一緒に摂取すると吸収が増大する。... さらに読む )
口腔灼熱症候群は,舌や口唇などの口腔内他部位に灼熱感,ヒリヒリ感,またはしびれを引き起こすことがある。疼痛は持続的なこともあれば,1日を通して増大することもあり,また飲食によって軽減することがある。口腔乾燥または味覚異常が生じることがある。口腔灼熱症候群の症状の持続期間は様々であり,原因に対処しなければ再発することがある。
口腔灼熱症候群の診断
臨床的評価
口腔灼熱症候群の診断には,上述の口腔症状を認め,かつ口腔の徴候を認めないことが必要である。疼痛が3カ月以上にわたり1日2時間以上生じていることが必要である。口腔灼熱症候群の診断検査はない。特発性の口腔灼熱症候群は,除外診断であるため,二次性の原因を検索すべきである。
口腔灼熱症候群の治療
対症療法
二次性の口腔灼熱症候群に対する根治的治療
冷たい飲料,氷片,ガム(シュガーレス)を噛むことによって,またタバコ,辛味・酸味の強い食品,アルコール(飲料や洗口液に含まれる)などの刺激物を避けることで,口腔灼熱症候群の疼痛が緩和されることがある。三環系抗うつ薬,α-リポ酸,クロナゼパム,外用カプサイシン,ガバペンチン,ビタミン補充(BおよびC),および認知行動療法が,ときに役立つことがある。
二次性の口腔灼熱症候群は,基礎疾患の適切な治療によって治癒することがある。