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光線過敏症

執筆者:

Elizabeth H. Page

, MD, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2016年 6月
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光線過敏症は,皮膚が日光に対して過剰に反応する病態である。特発性に生じることもあれば,毒性またはアレルゲン性を有する特定の薬剤または化学物質に曝露した後に生じることもあり,ときに全身性疾患(例,全身性エリテマトーデス[SLE],ポルフィリン症,ペラグラ,色素性乾皮症)の特徴の1つである場合もある。診断は臨床的に行う。治療は病型によって異なる。

日光による影響の概要も参照のこと。)

日光による急性および慢性の効果に加えて,日光への曝露後には,頻度は低いが様々な反応が生じることがある。原因が明らかな場合を除き,著明な光線過敏症がある患者では,SLEポルフィリン症などの光感受性に関連する全身性および皮膚疾患の評価を行うべきである。

日光蕁麻疹

一部の患者では,日光曝露後数分以内に,曝露部に蕁麻疹が出現する。まれに,広範囲の皮膚が侵されると,失神,めまい,喘鳴などの全身症状が生じることもある。病因は不明であるが,光アレルゲンとして機能する内因性の皮膚成分が関与し,その他の病型の蕁麻疹と同様に,それらが肥満細胞の脱顆粒を引き起こしている可能性がある。日光蕁麻疹と他の病型の蕁麻疹との鑑別は,紫外線曝露後に曝露部位の皮膚にのみ膨疹が生じることで可能である。

日光蕁麻疹は,原因となる紫外スペクトル(UVA,UVB,可視光線)の成分(ひいては,曝露をどのような方法で予防または最小化できるか)に基づいて分類することができる。必要であれば,患者の皮膚の一部を特定波長の自然光または人工光に曝露する検査(光テスト)が可能である。

治療は困難となることもあるが,H1受容体拮抗薬,抗マラリア薬,外用コルチコステロイド,外用サンスクリーン剤,ソラレンと紫外線A波照射の併用療法(PUVA療法),ナローバンドUVB療法などがある。日光蕁麻疹の膨疹は通常,数分から数時間しか持続しないが,この疾患は慢性の病態であり,数年にわたり一進一退を繰り返すことがある。

化学物質による光線過敏症

摂取または外用される100種類以上の物質が,日光曝露後に生じる皮膚反応の要因となることが知られている。ほとんどの反応について,原因物質の数は限られている( 皮膚光線過敏症を引き起こす主な物質)。反応は光毒性反応と光アレルギー反応に分類される。光テストが確定診断に役立つ可能性がある。化学物質による光線過敏症の治療法は,コルチコステロイドの外用と原因物質の回避である。

光毒性反応では,光を吸収する化合物が直接フリーラジカルや炎症メディエータの産生につながり,疼痛および紅斑として(サンバーン類似の)組織損傷を引き起こす。この反応には事前の日光曝露は必要なく,誰にでも生じるが,大きな個人差がみられる。光毒性反応の典型的な原因としては,特定の物質の外用(例,香水,コールタール,フロクマリン含有植物[ライム,セロリ,パセリなど],光線力学療法に使用される薬剤)または摂取(例,テトラサイクリン系薬剤,利尿薬)がある。光毒性反応は露光部以外の皮膚には広がらない。

光アレルギー反応はIV型(細胞性)免疫反応である。光を吸収すると薬物または物質の構造が変化し,ハプテンとして組織タンパクに結合するようになり,その複合体がアレルゲンとなる。あらかじめアレルゲンへの曝露が必要である。その反応は通常は湿疹であり,さらに紅斑,鱗屑,そう痒のほか,ときに小水疱もみられる。光アレルギー反応の典型的な原因としては,アフターシェーブローション,サンスクリーン剤,スルホンアミド系薬剤などがある。光アレルギーは光毒性より頻度は低いが,反応が露光部以外の皮膚まで拡大することがある。

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皮膚光線過敏症を引き起こす主な物質

カテゴリー

具体的な物質

ざ瘡治療薬

イソトレチノイン

鎮痛薬

NSAID(特にピロキシカムとケトプロフェン)

抗菌薬

キノロン系薬剤

スルホンアミド系薬剤

テトラサイクリン系薬剤

トリメトプリム

抗うつ薬

三環系抗うつ薬

抗真菌薬

グリセオフルビン

血糖降下薬

スルホニル尿素薬

抗マラリア薬

クロロキン

キニーネ

抗精神病薬

フェノチアジン系薬剤

抗不安薬

アルプラゾラム

クロルジアゼポキシド

化学療法薬

ダカルバジン

フルオロウラシル

メトトレキサート

ビンブラスチン

利尿薬

フロセミド

サイアザイド系薬剤

心臓用薬剤

アミオダロン

キニジン

外用製剤*

抗菌薬(例,クロルヘキシジン,ヘキサクロロフェン)

コールタール

香料

フロクマリン含有植物(例,ライム,セロリ,パセリ)

サンスクリーン剤

*多数の外用製剤がある。列挙されている具体的な物質は例にすぎない。

多形日光疹

多形日光疹は,紫外光やときに可視光に対するよくみられる光過敏反応である。全身性疾患や薬剤との関連性はないとみられている。一部の患者でみられる家族歴から,遺伝学的な危険因子が示唆されている。

皮疹は露光部に生じ,通常は曝露後30分から数時間で出現するが,ときに最長で数日間出現しないこともある。病変にはそう痒と紅斑がみられ,しばしば丘疹も出現するが,水疱性丘疹または局面様の病変を生じることもある。女性で多いほか,1年中日光曝露を受ける人々より,春または夏になって初めて曝露を受ける北方の気候の地域に住んでいる人々で多くみられる。病変はしばしば数日から数週間で軽快する。

診断は病歴,皮膚所見,および他の日光過敏性疾患の除外により行う。患者が光感作の可能性がある薬剤を一切使用していない場合は,ときに光テストによる病変の再現が診断に必要となる場合がある。

病変は自然治癒する場合が多く,夏季が進むにつれて自然に改善していく。予防対策としては,広域のサンスクリーン剤の使用や日光曝露の軽減などがある。より重症の患者では,低用量のソラレンと紫外線A波照射の併用療法(PUVA療法― 乾癬 : 光線療法)またはナローバンドUVB(312nm)による光線療法を行い,徐々に紫外線に曝露させることで脱感作する治療法を春の早い時期に行うことが有益となりうる。軽症から中等症の発疹は,外用コルチコステロイドで治療する。生活に支障を来す病勢の患者では,プレドニゾン,アザチオプリン,シクロスポリン,ヒドロキシクロロキンなどの経口免疫抑制療法を1コース行うことが必要になる場合がある。

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