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腸球菌感染症

執筆者:

Larry M. Bush

, MD, FACP, Charles E. Schmidt College of Medicine, Florida Atlantic University;


Maria T. Perez

, MD, Wellington Regional Medical Center, West Palm Beach

最終査読/改訂年月 2016年 2月
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腸球菌はグラム陽性通性嫌気性細菌である。Enterococcus faecalisおよびE. faeciumは,併発する菌血症のほか,心内膜炎,尿路感染症,前立腺炎,腹腔内感染症,蜂窩織炎,創傷感染症などの様々な感染症を引き起こす。

腸球菌は腸内常在菌叢の一部である。かつてはD群レンサ球菌に分類されていたが,現在は別の属として扱われている。17を超える菌種が存在するが,ヒトにおいて感染症を引き起こす頻度が最も高いものはE. faecalisE. faeciumである。

腸球菌は典型的には以下の病態を引き起こす:

治療

  • 感染部位および感受性試験の結果によって異なる。

心内膜炎に関連する腸球菌は,特定の細胞壁合成阻害薬(例,ペニシリン,アンピシリン,アモキシシリン,ピペラシリン,バンコマイシン)に加えてアミノグリコシド系薬剤(例,ゲンタマイシン,ストレプトマイシン)を併用して殺菌効果を得ない限り,除菌は困難である。しかしながら,細胞壁合成阻害薬の一部は腸球菌に対する活性が低いか全くなく,そのような薬剤としては,ナフシリン,オキサシリン,チカルシリン,メロペネム,ertapenem,ほとんどのセファロスポリン系薬剤,アズトレオナムなどが挙げられる。E. faeciumはペニシリンに対する耐性がE. faecalisより高い。イミペネムはE. faecalisに活性を示す。

バンコマイシン感受性腸球菌による複雑性皮膚感染症では,ダプトマイシン,リネゾリド,テジゾリド,およびチゲサイクリンが効果的な治療選択肢である。ピペラシリン-タゾバクタムおよびイミペネムは,腸球菌が関与しているまたはその関与が疑われる複雑性腹腔内感染症に推奨される。

尿路感染症には殺菌的治療は必要なく,起因菌が感受性を示す場合は,通常はアンピシリンなどの単剤で治療する。ニトロフラントインおよびホスホマイシンは,しばしばバンコマイシン耐性腸球菌による尿路感染症に効果的である。

耐性

ここ数十年で多剤耐性菌が急速に増加しており,特にE. faeciumで顕著である。

アミノグリコシド系薬剤(例,ゲンタマイシン,ストレプトマイシン)に対する耐性も絶えず出現しており,これも特にE. faeciumで顕著である。

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は,他のグリコペプチド系(例,テイコプラニン),アミノグリコシド系,および細胞壁に作用するβ-ラクタム系薬剤(例,ベンジルペニシリン,アンピシリン)にも耐性の場合がある。耐性菌が同定された場合は,感染患者を厳重に隔離する。推奨される治療薬として,ストレプトグラミン系薬剤(E. faeciumのみキヌプリスチン/ダルホプリスチン)とオキサゾリジノン系薬剤(リネゾリド,テジゾリド)が挙げられる。ダプトマイシンおよびチゲサイクリンは,VREに対してin vitroで活性を示すが,治療法として適応外のことがある。

β-ラクタマーゼ産生腸球菌がときに認められ,特に菌量が多い場合(例,心内膜炎の疣贅中)によくみられる。たとえ起因菌が標準的な検査法で感性のように見えても,臨床的には耐性の場合がある。バンコマイシンまたはβ-ラクタム系薬剤/β-ラクタマーゼ阻害薬の合剤(例,ピペラシリン/タゾバクタム,アンピシリン/スルバクタム)を使用することができる。

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