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自己免疫疾患

執筆者:

Peter J. Delves

, PhD,

  • Professor of Immunology, Division of Infection & Immunity, Faculty of Medical Sciences
  • University College London, London, UK

最終査読/改訂年月 2016年 6月

自己免疫疾患では,免疫系が内因性抗原(自己抗原)に対する抗体を産生する。以下の過敏反応が関与することがある:

  • II型:抗体で覆われた細胞が抗体で覆われた異物粒子と同様に補体系を活性化して,組織損傷を引き起こす。

  • III型:損傷の機序に抗原抗体複合体の沈着が関与する。

  • IV型:損傷がT細胞介在性である。

特異的な自己免疫疾患については,本マニュアルの別の箇所を参照のこと。

男性より女性の方がより多く罹患する。

病因

機序

いくつかの機序が自己に対する攻撃の原因となることがある。

  • 自己抗原は,何らかの原因で変性した場合に免疫原性を有するようになることがある。

  • 外来抗原に対する抗体が,変性していない抗原と交差反応することもある(例,レンサ球菌Mタンパクに対する抗体がヒトの心筋と交差反応することがある)。

  • 正常であれば免疫系から隔離されている抗原が免疫系に接触して自己免疫反応を引き起こすこともある(例,眼の外傷でメラニンを含むぶどう膜細胞が全身に放出されて交感性眼炎を誘発する)。

自己抗原は,以下のように化学的,物理的,または生物学的に変性することがある:

  • 化学的:特定の化学物質が体内のタンパクと結合することがあり,薬剤性溶血性貧血で起こるように,そのタンパクが免疫原性となる。

  • 物理的:例えば,紫外線により角化細胞がアポトーシスを起こし,その後に自己抗原が変化して免疫原性が誘導され,皮膚エリテマトーデスで生じることがある光線過敏症を引き起こす。

  • 生物学的:例えば,動物モデルで,宿主の組織に結合したRNAウイルスによる持続性感染が自己抗原を生物学的に変性させ,SLEに似た自己免疫疾患を引き起こす。

遺伝因子

自己免疫疾患患者の近親者にも自己抗体がみられることが多い。患者およびその近親者における自己抗体の特異性は,常にではないが,しばしば類似している。自己免疫疾患の発生率は,二卵性双生児よりも一卵性双生児の方が高い。

ほとんどの自己免疫疾患は多遺伝子性の病因を有し,HLA遺伝子座内の変異アレルが一因となるのはほぼ確実である。

防御機構

正常であれば,クローン除去およびクローンアネルギーによる免疫学的寛容機序のために,病的な可能性がある自己免疫反応は回避される。これらの機序によって制御されない自己反応性リンパ球があれば,通常Foxp3陽性の制御性T細胞によって抑制される。調節性T細胞の欠損は,これらの防御機構のいずれかを妨げることがあり,自己免疫を引き起こす。抗イディオタイプ抗体(他の抗体の抗原結合部位に対する抗体)が抗体活性の制御を妨げる場合がある。

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