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血管性の出血性疾患の概要

執筆者:

David J. Kuter

, MD, DPhil, Harvard Medical School

レビュー/改訂 2020年 5月
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出血は以下の異常によって起こる場合がある:

血管性の出血性疾患は血管の障害に起因し,典型的に点状出血,紫斑,および皮下出血を引き起こすが, 遺伝性出血性毛細血管拡張症 遺伝性出血性毛細血管拡張症 遺伝性出血性毛細血管拡張症は,遺伝性の血管奇形疾患で,常染色体優性形質で遺伝し,男女を問わず発生する。 ( 血管性の出血性疾患の概要も参照のこと。) 80%を超える患者が以下の遺伝子の1つに変異を有する( 1): 形質転換増殖因子β1(TGF-β1)および形質転換増殖因子β3の受容体をコードするエンドグリン( さらに読む 遺伝性出血性毛細血管拡張症 の場合を除いて,重篤な失血に至ることはめったにない。 エーラス-ダンロス症候群 エーラス-ダンロス症候群 エーラス-ダンロス症候群は,関節過可動性,皮膚の過弾力性,および広範な組織脆弱性を特徴とする遺伝性のコラーゲンの障害である。診断は臨床的に行う。治療は支持療法による。 遺伝形式は通常, 常染色体優性であるが,エーラス-ダンロス症候群は不均一性である。様々な遺伝子変異が様々なコラーゲンの量,構造,または形成に影響を与える。変異は,コラーゲン... さらに読む エーラス-ダンロス症候群 とその他のまれな遺伝性結合組織疾患(例, 弾性線維性仮性黄色腫 弾性線維性仮性黄色腫 弾性線維性仮性黄色腫は,皮膚,網膜,および心血管系の弾性線維の石灰化を特徴とするまれな遺伝性疾患である。診断は臨床的に行う。特異的な治療法はないが,色素線条に対して,血管新生を阻害する抗体の硝子体内注射を行うことがある。 弾性線維性仮性黄色腫は, 常染色体優性と 常染色体劣性の両方の形式で遺伝する さらに読む 弾性線維性仮性黄色腫 骨形成不全症 骨形成不全症 骨形成不全症は,骨のびまん性の異常な脆弱性を生じる遺伝性のコラーゲンの障害であり,ときに感音難聴,青色強膜,象牙質形成不全,関節の過可動性を伴う。診断は,通常,臨床的に行う。治療には,一部の病型に対して成長ホルモン,およびビスホスホネートが含まれる。 骨形成不全症には4つの主な病型がある:... さらに読む 骨形成不全症 マルファン症候群 マルファン症候群 マルファン症候群は結合組織の異常から成り,結果として眼,骨格,および心血管系の異常を来す(例, 大動脈解離につながる上行大動脈の拡張)。診断は臨床的に行う。治療には,上行大動脈の拡張を遅らせるための予防的β遮断薬投与,および予防的大動脈手術などがある。 マルファン症候群の遺伝形式は... さらに読む マルファン症候群 )では,血管および血管周囲のコラーゲンの欠乏によって出血が起きる場合がある。 壊血病 ビタミンC欠乏症 先進国では,ビタミンC欠乏症は全身的な低栄養の一部として起こることがあるが,重度の欠乏症(壊血病を引き起こす)はまれである。症状としては,疲労,抑うつ,結合組織の異常(例,歯肉炎,点状出血,発疹,内出血,創傷治癒障害)などがある。乳児および小児では,骨成長が障害される可能性がある。診断は通常,臨床的に行う。治療はビタミンCの経口投与による... さらに読む や小児期によくみられる過敏性血管炎である IgA血管炎 IgA血管炎(IgAV) IgA血管炎(以前はヘノッホ-シェーンライン紫斑病と呼ばれた)は主に小型の血管を侵す血管炎である。小児に最も多く生じる。一般的な症状としては,触知可能な紫斑,関節痛,消化管の症候,糸球体腎炎などがある。小児では診断を臨床的に行うが,成人では通常は生検が必要である。通常,小児では自然治癒し,成人では慢性化する。コルチコステロイドで関節痛およ... さらに読む IgA血管炎(IgAV) では,出血が顕著な特徴となる場合がある。

血管性の出血性疾患では,通常は 止血検査 段階別の止血に関する臨床検査 段階別の止血に関する臨床検査 が正常となる。診断は,ほとんどの疾患が臨床所見に基づくが,特異的な検査が利用可能な疾患もある。

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