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白血病の概要

執筆者:

Ashkan Emadi

, MD, PhD, University of Maryland;


Jennie York Law

, MD, University of Maryland

最終査読/改訂年月 2018年 12月
本ページのリソース

白血病は,未成熟または異常な白血球の過剰産生が起きることで,最終的に正常な血球の産生が抑制され,血球減少に関連する症状が現れる悪性疾患である。

白血化は,自己複製能が少し制限された造血前駆細胞レベルで生じることもあるが,通常は多能性幹細胞の段階で発生する。異常な増殖,クローン性増殖,異常な分化,およびアポトーシス(プログラム細胞死)の低下により,正常な血液成分が悪性細胞へ置き換えられてしまう。

American Cancer Societyは,米国で2018年に成人および小児における白血病(全ての病型)の新規症例数が約60,300例となり,約24,300人が死亡すると推定している。

白血病の分類

白血病の分類における現在のアプローチは,2016年の世界保健機関(World Health Organization:WHO)分類(造血器腫瘍分類)をベースとしている。WHO分類は,臨床的,形態学的,免疫表現型的,および遺伝学的特徴に基づいている。使用頻度は低いが,他の分類システムとしてFrench-American-British(FAB)システムがあり,異常な白血球の形態学的所見に基づいている。

白血病は,以下に分類されることも多い:

  • 急性または慢性:骨髄または血中に占める芽球または白血球の割合に基づく

  • 骨髄性またはリンパ性:悪性細胞のうち優勢な細胞系列に基づく

最もよくみられる4種類の白血病とそれを鑑別する特徴を最もよくみられる白血病の診断時所見の表に要約している。

2017年にAmerican Cancer Societyは,白血病の種類別に米国の新規症例の内訳を以下のように推定した:

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最もよくみられる白血病の診断時所見

特徴

好発年齢

小児期

あらゆる年齢

中年および高齢

成人期

白血球数

高値が50%

正常または低値が50%

高値が60%

正常または低値が40%

高値が98%

正常または低値が2%

高値が100%

白血球分画

リンパ芽球が多い

骨髄芽球が多い

小型のリンパ球

全て骨髄系

貧血

重症の貧血が90%を超える

重症の貧血が90%を超える

軽症の貧血が約50%

軽症の貧血が80%

血小板

低値が80%を超える

低値が90%を超える

低値が20~30%

高値が60%

低値が10%

リンパ節腫脹

よくみられる

ときにみられる

よくみられる

まれにみられる

脾腫

60%の症例でみられる

50%の症例でみられる

通常みられ,中等度

通常みられ,重度

その他の特徴

予防を行わないと,中枢神経系浸潤を来すことが多い

中枢神経系浸潤はまれ

ときに骨髄芽球中にアウエル小体

ときに溶血性貧血および低ガンマグロブリン血症

白血球アルカリホスファターゼの低値

フィラデルフィア染色体陽性の症例が90%を超える

急性白血病

急性白血病は,幼若な未分化細胞(通常は芽球型)が大部分を占める。急性白血病は,急性リンパ芽球性白血病(ALL)と急性骨髄性白血病(AML)に分けられる。

慢性白血病

慢性白血病は,急性白血病より成熟した細胞である。通常は異常な白血球増多症として発症し,血球減少症を伴う場合もあるが,通常それ以外は無症状である。ただし,慢性リンパ性白血病(CLL)と慢性骨髄性白血病(CML)では,所見および管理方針が著しく異なる。

骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群は,クローン性の造血幹細胞疾患の総称であり,造血幹細胞の独特な遺伝子変異の存在によりまとめられる。進行性の骨髄不全を伴うが,急性骨髄性白血病と確定診断するには芽球の割合が少ない(20%未満);40~60%の症例が急性骨髄性白血病へ進展する。

類白血病反応

類白血病反応は,好中球数が50,000/mLを超えるものであり,造血幹細胞の悪性化により引き起こされるものではない。様々な原因により発生することがあり,特に他の悪性腫瘍または全身性の感染症でみられる。通常は原因が明らかであるが,一見良性と思われる好中球増多症が慢性好中球性白血病または慢性骨髄性白血病に類似することがある。

白血病の危険因子

以下に該当する患者では白血病の発生リスクが高くなる:

  • 電離放射線(例,長崎および広島の原爆被曝)または化学物質(例,ベンゼン,一部の殺虫剤,タバコの煙に含まれる多環芳香族炭化水素)への曝露歴;曝露により急性白血病につながることがある

  • アルキル化薬,トポイソメラーゼII阻害薬,多発性骨髄腫に対するメルファランを含む前処置レジメンによる自家幹細胞移植後のレナリドミド維持療法など,特定の抗腫瘍薬による治療歴;曝露によりt-AMLまたは治療関連AMLと呼ばれる急性骨髄性白血病の一種につながることがある

  • ウイルス感染(例,ヒトTリンパ球向性ウイルスI型およびII型,エプスタイン・バーウイルス)により,まれにALLの特定の亜型が引き起こされることがある;これは主にアジアおよびアフリカなど,このような感染が一般的な地域にみられる

  • 骨髄異形成症候群および骨髄増殖性腫瘍などの血液疾患が先行する既往歴;AMLにつながることがある

  • 既存の遺伝性疾患(例,ファンコニ貧血,ブルーム症候群,毛細血管拡張性運動失調症ダウン症候群,色素性乾皮症,リ-フラウメニ症候群);AMLおよびALLの素因となることがある

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