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カルチノイド腫瘍の概要

(神経内分泌腫瘍)

執筆者:

B. Mark Evers

, MD, Markey Cancer Center, University of Kentucky

レビュー/改訂 2020年 5月
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カルチノイドはしばしば良性であるか,浸潤性であっても限局的であるが,回腸および気管支を侵すものは悪性であることが多い。悪性腫瘍は高分化型から低分化型まであり,それに対応して悪性度にもばらつきがある。典型的には肝臓および/または所属リンパ節に転移するが,他の部位にも転移する可能性がある。

カルチノイドは以下の場合がある:

  • 内分泌活性がない

  • 内分泌活性がある(ホルモンを産生する)

カルチノイド腫瘍から生じる最も頻度の高い内分泌症候群は カルチノイド症候群 カルチノイド症候群 カルチノイド症候群は, カルチノイド腫瘍患者の一部に発生する病態で,皮膚紅潮,腹部痙攣,および下痢を特徴とする。右側の心臓弁膜症が数年後に生じることがある。本症候群は,腫瘍によって分泌される血管作動性物質(セロトニン,ブラジキニン,ヒスタミン,プロスタグランジン,ポリペプチドホルモンなど)に起因し,その腫瘍は典型的には転移性の消化管カルチ... さらに読む カルチノイド症候群 であるが,カルチノイド腫瘍のある患者の大半はカルチノイド症候群を発症しない。腫瘍が内分泌活性をもつ可能性は,その発生部位によって異なり,回腸および近位結腸を起源とする腫瘍で最も高い(40~50%)。気管支カルチノイドではこの可能性はより低く,虫垂カルチノイドはさらに低く,直腸カルチノイドでは実質的にゼロである。

内分泌活性のないカルチノイドは,その症状と徴候(例,疼痛,管腔出血,消化管閉塞)から疑われる。これらは血管造影,CT,またはMRIで検出できる。小腸カルチノイドは,バリウムによるX線撮影で陰影欠損や他の異常を示すことがある。確定診断および悪性度診断は,生検後または切除後に組織学的に行われる。

病期診断の評価では,典型的にはMRIによる画像検査(おそらくCTより望ましい)および,ときにソマトスタチン受容体をベースとする画像検査法による画像検査が用いられ,この検査は内分泌活性がない腫瘍の検出にも有用となりうる。

遠隔転移のないカルチノイド腫瘍の治療は,通常,外科的切除である。手術の種類は病変の位置および腫瘍の大きさによって決まる。

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