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臨死患者または重度の認知症患者に対する栄養サポート

執筆者:

David R. Thomas

, MD, St. Louis University School of Medicine

医学的にレビューされた 2020年 7月
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経口摂取量を増加させる可能性のある対策としては以下のものがある:

  • 食事時間を柔軟に設定する

  • 食事に時間をかける

  • 少量ずつ与えるか好みのものやしっかりと味付けしたものを与える

  • 好みのアルコール飲料を少量,食事の30分前に与える

特定の抗うつ薬,酢酸メゲストロール,およびドロナビノールが食欲を促進することがある。メトクロプラミドは胃排出を亢進させるが,最大の効果が得られるまでに1~2週間かかることがある。

経管栄養および静脈栄養は不快感を引き起こし,臨死患者および認知症が非常に重度で食事が困難な患者では通常は適応とならない。栄養サポートを断念することは家族には受け入れがたいことがあるが,通常は自分で選んだ通りに食べたり飲んだりする方が患者にとって楽であるということを家族は理解すべきである。少量の水と嚥下しやすい食品が有用となることがある。良好な口腔衛生(例,歯磨き,必要に応じて口腔をスワブや氷片で湿らせる,口唇用の軟膏を塗布する)などの支持療法により,患者および介護する家族が物理的および精神的に楽になる可能性がある。 ホスピスプログラム ホスピス 臨死患者には,他の患者とは異なるニーズがある可能性がある。このニーズを満たすために,まずどの患者が臨死状態にあるかを同定する必要がある。死に至る前に,患者は3種類の一般的な機能低下の軌跡の1つをたどる傾向がある: 限定的な期間で機能低下が着実に進行(例,進行性のがんに典型的) 着実に進行しないこともある重度の機能障害が,長期かつ不確定な期... さらに読む に参加すれば必要なサポートが受けられるため,患者には参加を勧めるべきである。

侵襲的な栄養サポートの手段を用いるかどうかについての不安に悩む家族には,カウンセリングが助けとなることがある(完全静脈栄養 完全静脈栄養(TPN) 静脈栄養はその定義から,静脈内に投与される。 部分的な静脈栄養は経口摂取を補うものであり,1日の栄養所要量の一部だけを補給する。多くの入院患者がこの方法によりブドウ糖またはアミノ酸輸液の投与を受けている。 完全静脈栄養(TPN)は1日の全栄養所要量を補給する。TPNは病院または在宅で使用できる。TPN液は濃縮されており,末梢静脈の血栓症を引き起こすことがあるため,通常は中心静脈カテーテルが必要となる。... さらに読む および 経腸チューブ栄養 経腸チューブ栄養 消化管は機能しているものの,経口摂食できないまたはしたがらないため経口で十分な栄養素を摂取できない患者には,経腸チューブ栄養が適応となる。( 栄養サポートの概要も参照のこと。) 静脈栄養と比較して,経腸栄養には以下の長所がある: 消化管の構造と機能がよりよく維持される 安価 おそらく合併症(特に感染症)がより少ない さらに読む を参照)。緩和ケア専門医は,患者および家族の苦痛を和らげるための特別な訓練を受けているため,緩和ケアチームへの早期のコンサルテーションが推奨される。

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