(脳感染症に関する序論も参照のこと。)
病因
症状と徴候
診断
治療
硬膜外または硬膜下膿瘍とその基礎にある副鼻腔内の液体に対し,緊急の外科的ドレナージを施行すべきである。
培養結果が出るまでにカバーすべき抗菌薬のスペクトラムは,脳膿瘍の治療に用いられる抗菌薬と同様であるが(例,セフォタキシム,セフトリアキソン,メトロニダゾール,バンコマイシン),幼児の場合は例外で,併発する髄膜炎に対して別の抗菌薬が必要になることがある( 急性細菌性髄膜炎に対する初期抗菌薬および 急性細菌性髄膜炎に対する一般的な抗菌薬の用量*)。
抗てんかん薬および頭蓋内圧の軽減が必要になることもある。
要点
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硬膜外膿瘍と硬膜下膿瘍は,髄膜炎,皮質静脈血栓症,または脳膿瘍に進行することがあり, 硬膜下膿瘍は急速に広がって一側脳半球全体に及ぶこともある。
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発熱,頭痛,嗜眠,局所神経脱落症状,および痙攣発作が通常は数日かけて現れる;嘔吐や乳頭浮腫もよくみられる。
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無治療の場合,急速に昏睡を来して死に至る。
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硬膜外膿瘍または硬膜下膿瘍の診断は,造影MRIまたは(MRIが可能でない場合は)造影CTによる。
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腰椎穿刺で有用な情報が得られることはほとんどなく,テント切痕ヘルニアを助長する可能性がある。
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硬膜外または硬膜下膿瘍とその基礎にある副鼻腔内の液体を可及的速やかにドレナージし,抗菌薬(例,セフォタキシム,セフトリアキソン,メトロニダゾール,バンコマイシン)による治療を行う。