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転移性肝癌

執筆者:

Steven K. Herrine

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 5月
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肝転移は多くの種類のがんでよくみられ,特に消化管,乳房,肺,および膵臓に発生した癌での頻度が高い。転移の初期症状は通常,非特異的(例,体重減少,右上腹部不快感)であるが,ときに原発がんの初期症状のこともある。体重減少と肝腫大がみられる患者,および肝臓に転移する可能性が高い原発腫瘍がある患者では,肝転移を疑う。通常は画像検査で診断の裏付けが得られ,超音波検査,造影ヘリカルCT,または造影MRIが最も多い。治療では通常,緩和的化学療法を行う。

症状と徴候

肝転移の初期では無症状のことがある。癌の非特異的症状(例,体重減少,食欲不振,発熱)が最初に出現する場合が多い。肝臓は腫大し,硬く,圧痛を伴うことがあり,容易に触知可能な結節を伴う巨大な肝腫大は癌の進行を意味する。肝臓の血管雑音と摩擦音を伴う胸膜炎様の疼痛は,まれであるが特徴的な所見である。ときに脾腫がみられ,特に原発巣が膵臓である場合に多い。腹膜播種を併発すると腹水を来すことがあるが,黄疸は通常,腫瘍による胆道閉塞 胆嚢および胆管の腫瘍 胆嚢および胆管腫瘍は,肝外胆道閉塞を引き起こすことがある。症状がない場合もあるが,全身症状や胆道閉塞を反映した症状を来すことも多い。診断は超音波検査とCT胆道造影または磁気共鳴胆道膵管造影に基づく。予後は極めて不良である。機械的な胆汁ドレナージにより,そう痒,繰り返す敗血症,および胆道閉塞による疼痛をしばしば緩和できる。 (胆道機能の概要も参照のこと。) 胆管癌およびその他の胆管腫瘍はまれであるが(100... さらに読む が生じない限り,初期にはみられないか軽度である。

診断

  • 造影CTまたは造影MRI

  • ときに生検

体重減少と肝腫大がみられる患者,および肝臓に転移する可能性が高い原発腫瘍がある患者では,肝転移を疑う。転移が疑われる場合には,肝機能検査 肝臓および胆嚢の臨床検査 臨床検査は一般に以下の目的に効果的である: 肝機能障害の検出 肝損傷の重症度の評価 肝疾患の経過および治療効果のモニタリング 診断の絞り込み さらに読む がしばしば施行されるが,その結果は通常,この診断に対して特異的ではない。アルカリホスファターゼ値,γ‐グルタミルトランスペプチターゼ値,ときにLDH値の上昇が他の検査値より早期または高度にみられるのが典型的であり,アミノトランスフェラーゼ値は様々である。画像検査 肝臓および胆嚢の画像検査 胆道疾患の正確な診断には画像検査が不可欠であり,巣状の肝病変(例,膿瘍,腫瘍)の検出にも重要である。肝細胞障害によるびまん性疾患(例,肝炎,肝硬変)の検出および診断には限界がある。 従来からの超音波検査は,経腹的に施行され,一定時間の絶食を必要とし,構造的な情報は得られるものの,機能的な情報は得られない。一方で胆道系(特に胆嚢)を画像化する検査としては,最も安価で安全かつ最も高感度の方法である。超音波検査は,以下の目的で最善の検査法であ... さらに読む 肝臓および胆嚢の画像検査 は感度および特異度ともに優れている。超音波検査は通常役立つが,造影CTまたは造影MRIの方がより正確であることが多い。

治療

  • ときに外科的切除

  • ときに全身化学療法;ときに肝動注化学療法

  • ときに,症状緩和を目的とした放射線療法

治療法は転移の範囲によって異なる。

原発腫瘍の特徴によっては,全身化学療法で腫瘍の縮小と延命が得られるが,治癒には至らない;ときに肝動注化学療法により,全身性の有害作用をより少なくより軽度に抑えつつ,同等の結果が得られる。

肝臓に対する放射線療法により,ときに進行した転移巣による重度の疼痛を緩和できるが,延命効果はない。広範囲の転移は致死的であり,緩和療法の施行と家族の支援が最善の管理方針となる(Professional.see page 臨死患者 臨死患者 さらに読む )。

造血器悪性腫瘍と肝臓

進行した白血病 白血病の概要 白血病は,未成熟または異常な白血球の過剰産生が起きることで,最終的に正常な血球の産生が抑制され,血球減少に関連する症状が現れる悪性疾患である。 白血化は,自己複製能が少し制限された造血前駆細胞レベルで生じることもあるが,通常は多能性幹細胞の段階で発生する。異常な増殖,クローン性増殖,異常な分化,およびアポトーシス(プログラム細胞死)の低下... さらに読む とそれに関連する血液疾患では,肝臓への浸潤がよくみられる。肝生検は不要である。肝リンパ腫,特にホジキンリンパ腫では,肝浸潤の範囲によって病期と治療法が決まるが,その評価は難しいことがある。肝腫大と肝機能検査 肝臓および胆嚢の臨床検査 臨床検査は一般に以下の目的に効果的である: 肝機能障害の検出 肝損傷の重症度の評価 肝疾患の経過および治療効果のモニタリング 診断の絞り込み さらに読む 異常は,肝浸潤ではなくホジキンリンパ腫 ホジキンリンパ腫 ホジキンリンパ腫は,リンパ細網系細胞の限局性または播種性の悪性増殖であり,主にリンパ節組織,脾臓,肝臓,および骨髄に浸潤する。症状にとしては,無痛性のリンパ節腫脹のほか,ときに発熱,盗汗,意図しない体重減少,そう痒,脾腫,肝腫大などがある。診断はリンパ節生検に基づく。治療により,約75%の症例で治癒が得られ,化学療法のほか,放射線療法を併用する場合も併用しない場合もある。 (リンパ腫の概要も参照のこと。)... さらに読む ホジキンリンパ腫 に対する全身性の反応を反映している可能性があり,生検ではしばしば非特異的な局所性の単核球浸潤または肉芽腫を認めるが,その意義は不明である。治療は造血器悪性腫瘍に対して行う。

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