外陰炎がいいんえん

外陰炎がいいんえんとは、外陰部がいいんぶの炎症えんしょう（腫はれる、赤あかくなる）のことです。外陰部がいいんぶと腟ちつの両方りょうほうに炎症えんしょうが起おこった場合ばあいは、外陰がいいん腟炎ちつえんといいます。

外陰部がいいんぶとは、両脚りょうあしの間あいだにある、体からだの外そとの部分ぶぶんです。腟ちつは子宮しきゅう（妊娠中にんしんちゅうに赤あかちゃんが成長せいちょうする場所ばしょ）と体からだの外そとをつないでいます。産道さんどうといわれることもあります。多おおくの人ひとがまちがって外陰部がいいんぶのことを腟ちつといいます。

外陰部がいいんぶへの刺激しげきになるあらゆるものが外陰炎がいいんえんの原因げんいんになり、たとえば原因げんいんには次つぎのものがあります：

• 外陰部がいいんぶにふれるもの（せっけん、入浴にゅうよく剤ざい、下着したぎなど）

• 皮膚ひふがかゆくなる皮膚炎ひふえんという病気びょうきが外陰部がいいんぶの皮膚ひふにも起おこる

• 真菌感染症しんきんかんせんしょうや性感染症せいかんせんしょう

• 陰毛いんもうのシラミ

• 外陰部がいいんぶに尿にょうや便べんが残のこる―これは静しずかに休やすんでいる場合ばあいや尿失禁にょうしっきん（尿にょうがもれる）の場合ばあいに起おこりやすくなります

子こどもでは、腟ちつの感染症かんせんしょうが外陰部がいいんぶにも影響えいきょうをおよぼすことがあります。このような感染症かんせんしょうは、便べんからの微生物びせいぶつやその他たの微生物びせいぶつによって起おこることがあります。

外陰炎がいいんえんの最もっともよくある症状しょうじょうは、外陰部がいいんぶのかゆみと痛いたみです。外陰部がいいんぶの皮膚ひふも健康けんこうな肌はだの色いろではなく、赤あかくなります。

めったにないことですが、外陰部がいいんぶの皮膚ひふのひだ（陰唇いんしん）がくっついてしまうことがあります。

外陰炎がいいんえんが長ながい間あいだ続つづくと（慢性まんせい）、外陰部がいいんぶの皮膚ひふがただれたり、うろこのようになったり、厚あつくなったり、白しろい斑点はんてんができたりすることがあります。

医師いしは、あなたの症状しょうじょうについて質問しつもんをし、外陰部がいいんぶの診察しんさつをします。医師いしは内診ないしんをします。内診ないしんでは、医師いしがまず外陰部がいいんぶを診察しんさつし、次つぎに腟ちつの中なかを診察しんさつします。腟ちつの中なかを見みるには、腟鏡ちつきょうという小ちいさな器具きぐで医師いしが腟ちつを開ひらきます。

内診ないしんのときに、医師いしが綿棒めんぼうを使つかって腟ちつと子宮頸部しきゅうけいぶ（子宮しきゅうの下側したがわの部分ぶぶんで腟ちつの上うえにある）から液体えきたいのサンプルを取とり、検査けんさすることがあります

次つぎのような治療法ちりょうほうがあります：

• 外陰部がいいんぶへの刺激しげきになるせっけん、下着したぎなどのものを避さける

• 外陰部がいいんぶがつかるのに十分じゅうぶんな水みずを入いれて冷水れいすい浴よくをする―重曹じゅうそうやエプソム塩えんを少すこし入いれると、痛いたみやかゆみがやわらぐ

• 外陰部がいいんぶにクリームの薬くすり（ヒドロコルチゾンやエストロゲンなどのクリーム）をぬる

治療ちりょうしても外陰炎がいいんえんがよくならない場合ばあいは、医師いしはふつう生検せいけんをします（外陰部がいいんぶから皮膚ひふのサンプルを取とります）。医師いしは、皮膚ひふの病気びょうきやがんなどの外陰部がいいんぶが赤あかくなり刺激しげきされるさまざまな理由りゆうを調しらべます。