(スポーツ外傷の概要 スポーツ外傷の概要 スポーツ外傷は、運動選手やスポーツに参加する人によくみられます。従来からスポーツ外傷として捉えられがちな外傷の中には、スポーツをしていない人にも起こるものがあります。例えば、主婦や工場労働者は、テニスをしていなくてもしばしば テニス肘になることがあります。 スポーツへの参加には外傷のリスクがつきものです。適切なウォーミングアップ(激しい運... さらに読む も参照のこと。)
肩関節は球状の部分が受け皿に収まった形の球関節で、内外への回転はもちろん、前方、後方、横方向に腕を動かすことができます(肩の解剖図 肩関節の解剖学的構造 を参照)。肩は不安定になりやすい部位です。肩の関節は、ティーの上に置かれたゴルフボールに例えられます。つまり、球状部分(上腕骨頭)のサイズに比べ、受け皿(関節窩)が非常に浅くて小さいのです。安定性を高めるため、関節窩の縁には弾力性のある関節唇が付いていて、受け皿の深さを増しています。関節唇は、投げる動作を行うスポーツなどの運動競技中や、転倒して腕を伸ばした状態でついたときに断裂することがあります。
肩関節唇が断裂すると、野球の投球などの動作時に肩の深部に痛みを感じます。この不快感に伴い、痛みのあるポキッ、ゴキッといった感覚や、肩に引っかかる感覚が生じることがあります。
診断にはMRI検査が必要になる場合があります。
通常、理学療法が最初の治療です。症状が改善しなければ、手術による修復が必要になります。