持続性性喚起症候群が起こる原因は解明されていません。性的または非性的行為によって誘発されることもあれば、明らかな刺激がないこともあります。症状がまた起こることへの不安や心配により、病気が持続する可能性があります。骨盤底筋の緊張が一因となることがあり、性器内部や周辺の持続的で不快なピリピリ感やズキズキする痛みなどの症状がみられます。
持続性性喚起症候群では、性行為を望んでおらず、精神的または感情的(主観的)に興奮していないにもかかわらず、通常は性的刺激によって誘発される身体的変化が起こります。陰核への血流の増加により陰核(男性の陰茎に相当する部)と腟壁が膨らみます(この過程を充血と呼びます)。血流の増加により腟液の分泌が増加します(潤滑剤としての役目を果たします)。性器周辺にチクチク感や拍動感を覚えることもあります。こういった感覚は数時間から数日持続します。多くの患者はこのような変化を煩わしく感じ、症状について悩み、恥ずかしく感じます。
持続性性喚起症候群の診断は、特徴的な症状に基づいて下されますが、症状により強い苦痛を感じている場合に限られます。
治療
骨盤底の理学療法
精神療法
持続性性喚起症候群の治療法は分かっていません。
初めはオルガズム(自己刺激によるものを含む)によって一時的に緩和しますが、徐々に効果がなくなり、満足感もなくなってくるため、現実的な解決法ではなくなります。
バイオフィードバック法 バイオフィードバック法 心身医学の手法の1つであるバイオフィードバック法は、無意識に進行する体内の生物学的プロセスを意識下に置くことを試みる方法です。バイオフィードバック法では、測定機器を用いて無意識のプロセス(心拍数、血圧、筋肉の緊張など)についての情報を測定し、それを本人が意識できる形で提示します。施術者の助けや訓練により、患者はこうした身体的機能の変化がなぜ起こるのかを理解したり、どうすればコントロールできるかを習得したりすることができ、結果的に痛み、ス... さらに読む を用いた骨盤筋を弛緩させる練習などの骨盤底の理学療法が役立つことがあり、特にマインドフルネス認知療法(MBCT)と組み合わせて行うと効果が高まります。マインドフルネスではその瞬間に起こっていることだけに集中します。MBCTはマインドフルネスと認知行動療法を組み合わせたものです。
抗うつ薬の 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) アゴメラチン(agomelatine)は、新しいタイプの抗うつ薬で、うつ病エピソードの治療法になる可能性があります。 うつ病の治療には数種類の薬剤が使用できます。 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) 新規抗うつ薬 複素環系抗うつ薬 さらに読む (SSRI)が効果的な場合がありますが、その有用性を支持する科学的根拠はほとんどありません。
この病気の存在を単純に認識し、自然に軽快しうると安心させることが、一部の女性に役立つことがあります。病気に関する情報と支援や、精神療法や薬剤を含めた不安に対する具体的な治療も役に立つでしょう。