上下いずれかまたは両方のまぶたが腫れることがあります。まぶたの腫れは、痛くないこともあれば、かゆみまたは痛みを伴うこともあります。 まぶたの腫れは、眼球の突出とは異なりますが、この両方を同時に引き起こす病気もあります。
原因
まぶたの腫れには様々な原因があります(表「まぶたの腫れの主な原因と特徴」を参照)。まぶたの病気が原因で生じることもありますが、眼窩(がんか)の内部もしくは周囲の病気、または全身に腫れをきたす体の別の部位の病気が原因で生じることもあります。
一般的な原因
まぶたの腫れの最も一般的な原因は、以下のようなアレルギー反応です。
上下いずれかのまぶたの一部が腫れることはよくあり、その原因として最も多いのは、皮脂腺の閉塞(霰粒腫[さんりゅうしゅ])または毛包への細菌感染症(ものもらいまたは麦粒腫[ばくりゅうしゅ])です。
あまり一般的でない原因
評価
以下では、どのようなときに医師の診察を受ける必要があるかと、診察を受けた場合に何が行われるかについて説明しています。
警戒すべき徴候
受診のタイミング
警戒すべき徴候がみられる人は、直ちに医師の診察を受ける必要があります。痛みがあれば、不快感を取り除くために、通常は1~2日以内に医師の診察を受けることが多いと思われます。
医師が行うこと
医師はまず、症状と病歴について質問します。次に身体診察を行います。病歴聴取と身体診察で得られた情報から、多くの場合、まぶたの腫れの原因と必要になる検査を推測することができます(表「まぶたの腫れの主な原因と特徴」を参照)。
医師は以下のことを質問します。
腫れはいつからありますか
腫れは上まぶたと下まぶたのどちらにありますか。左右どちらかだけですか、それとも両側にありますか
(虫に刺されるなどの)けがをしたり眼の手術をしたりしませんでしたか
かゆみ、痛み、頭痛、視力の変化、発熱、または目やにがありませんか
体の他の部位にも症状がありませんか
体の腫れをもたらす病気(例えば、心疾患、腎疾患、肝疾患)があったり、そのような薬(例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害薬)を使用していたりしませんか、あるいは寒さや暑さに耐えられなくなるような変化(甲状腺の病気の可能性があります)はありませんか
点眼薬や眼の周りに塗る薬などを使用していませんか
顔または眼の周りに使用する市販の製品(例えば、化粧品、フェイスクリーム、もしくは化粧落とし、またはシーツを洗う洗剤)を新しいものに変えませんでしたか
身体診察は眼に重点を置いて行われますが、体の他の部位を侵す病気の徴候がないかも調べられます。例えば、鼻水などのアレルギーの徴候、歯痛または頭痛(歯の感染症または副鼻腔感染症が疑われます)、発熱、眼の周りの皮膚の変化などがないかも確認されます。
まぶたや眼の痛みは、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡(拡大鏡下に眼を診察できる器具)で評価されます。また、腫れの位置と色、まぶたに圧痛があるか、まぶたが熱いか、視力に変化があるか、眼の筋肉が正常に機能しているか、目やにがあるかどうかについても確認されます。
検査
治療
まぶたの腫れを治療する最善の方法は、腫れの原因を治療することです。腫れそのものに対する特別な治療法はありません。