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やさしくわかる病気事典
中空の消化器はいずれも穿孔(せんこう)が生じる可能性があり、穿孔が生じると消化管の内容物が漏出し、すぐに手術を行わなければ敗血症(生命を脅かす血流感染症)や死亡に至ることがあります。
症状としては胸部や腹部に突然重度の痛みが生じ、腹部に触れると圧痛がみられます。
診断はX線検査とCT検査によって下されます。
直ちに手術が必要です。
(消化管救急疾患の概要も参照のこと。)
穿孔が生じると、食べものや消化液などの腸内の内容物が腹腔内(食道に穿孔が生じた場合は胸腔内)に漏れ出します。このような物質は刺激が非常に強く、細菌を含んでいて、その刺激と細菌によって、治療をしなければ一般的に死に至る重度の炎症と感染症が生じます。
消化管穿孔の原因
消化管穿孔の原因は、穿孔が生じた部位によって異なりますが、損傷は消化器系のあらゆる部分で発生する可能性があります。異物を飲み込んでも、通常は支障なく排泄されますが、ときに動かなくなって、穿孔につながることがあります。肛門から挿入された異物が直腸や結腸に穿孔を起こすこともあります。
表
穿孔の主な原因
消化管穿孔の症状
消化管穿孔の診断
消化管穿孔の治療
手術
輸液と抗菌薬の静脈内投与
腸の穿孔が診断された場合は、通常は直ちに手術が必要です。医師は、穿孔の場所と原因に基づいて、どの手術を行うべきかを判断します。医師の当面の目標は、腸の内容物が腹腔や胸腔へ漏れ出すのを止めることです。手術前に、輸液と抗菌薬の静脈内投与が行われます。
ときには細いチューブを鼻から胃まで入れて胃液を吸引し、穿孔部分から流れ出ないようにするとともに、腸内の圧力を下げます(減圧)。
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