(骨折の概要 骨折の概要 骨折とは,骨が破損することである。ほとんどの骨折は,正常な骨に単一の大きな力が加わることで生じる。 骨折以外の筋骨格系損傷には以下のものがある: 関節脱臼および亜脱臼(部分的な関節脱臼) 靱帯捻挫,筋挫傷,および腱損傷 筋骨格系の損傷はよくみられる現象であるが,その受傷機転,重症度,および治療法は様々である。四肢,脊椎,骨盤のいずれにも発... さらに読む も参照のこと。)
疼痛,腫脹,および圧痛は通常,骨折部位に極めて限局する。
第5中足骨骨折の診断は足のX線前後像,側面像,および斜位像に基づいて行う。
第5中足骨骨幹部骨折
第5中足骨骨幹部骨折は,急性骨折または 疲労骨折 疲労骨折 疲労骨折は小さい不完全骨折であり,中足骨骨幹部に起こることが多い。原因は反復性の荷重負荷である。 疲労骨折は通常,個別の損傷(例,転倒,打撃)から発生するのではなく,反復的な負荷やオーバーユースによって骨を支持する筋肉が負荷を吸収しきれなくなり生じる。疲労骨折が起こる部位には,近位大腿骨,骨盤,または下肢がある。50%以上が下腿で起こり,特に足の中足骨骨幹部で発生する。 中足骨疲労骨折(行軍骨折)は通常,以下の人に起こる:... さらに読む の可能性がある。急性の骨幹部骨折が骨幹端の近くで起こる傾向があり,ときにJones骨折と呼ばれる。
血流が途絶するため,癒合不全および遷延癒合を来す可能性がある。
治療
ギプス固定および免荷
整形外科医のコンサルテーション
第5中足骨骨幹部骨折の治療としては,6週間荷重負荷を避けて3面固定のショートレッグギブスシーネ(3-sided short leg cast)を用いる;観血的整復内固定術(ORIF)を行うべきかどうかを判定するために患者を整形外科医に紹介する。
第5中足骨基部骨折
基部の骨折はときにダンサー骨折またはpseudo-Jones骨折と呼ばれる。受傷機転は通常は挫滅損傷,または短腓骨筋腱による剥離を引き起こす内反力である。この骨折は急性の骨幹部骨折(Jones骨折)よりも頻度が高い。
骨幹とは異なり,基部は側副血行路が豊富であるため,遷延癒合および癒合不全はまれである。
治療
対症療法
第5中足骨基部骨折の治療は対症療法であり,これには底の硬い靴またはウォーキングブーツ,および耐えられる限りの荷重負荷が含まれる場合もある。