新生児の高血糖

執筆者:Kevin C. Dysart, MD, Nemours/Alfred I. duPont Hospital for Children
レビュー/改訂 2021年 3月
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高血糖は,血清血糖値が150mg/dL(8.3mmol/L)以上の状態である。診断は,血清血糖値の測定による。治療は静注ブドウ糖濃度または投与速度を下げるか,もしくはインスリン静注による。

新生児高血糖の最も一般的な原因

  • 医原性

医原性の原因として通常,極低出生体重児(1.5kg未満)における生後最初の数日間のブドウ糖急速点滴静注が挙げられる。

他の重要な原因としては,手術,低酸素症,呼吸窮迫症候群敗血症による生理的ストレスがあり,真菌敗血症は特にリスクがある。早産児では,プロインスリンからインスリンを生産する処理の部分的欠陥と相対的インスリン抵抗性によって高血糖が発生することがある。加えて,新生児一過性糖尿病はまれな自然治癒する原因によるもので,通常は在胎不当過小児に起こる;コルチコステロイド療法を行っても一過性高血糖に陥ることがある。高血糖は低血糖に比べ少ないが,基礎となる疾患の状態を悪化させ死亡率を増大させるため重要である。

症状と徴候

新生児の高血糖の症状および徴候は,基礎疾患によるものである。

診断

  • 血清血糖値の測定

新生児の高血糖は,血清血糖値の測定により診断する。その他に認められる検査所見としては,糖尿,著明な血清高浸透圧がある。

治療

  • 静注ブドウ糖濃度と速度,またはその両方を減少させる

  • ときにインスリン静注

医原性の高血糖の治療はブドウ糖の静注濃度(例,10%を5%に)または点滴速度を落とすことであり,ブドウ糖の点滴速度を下げても(例,4mg/kg/分)持続する高血糖は相対的なインスリン欠乏やインスリン抵抗性を示唆する。

他の原因の治療には,速効性のインスリンを用いる。1つのアプローチとして,速効性インスリンを0.01~0.1U/kg/時の均一な速度で10%ブドウ糖静注に加え,それから血糖値が正常になるまで速度を漸増していく。インスリンを別の静注用10%ブドウ糖液に加えて維持輸液と同時に投与し,点滴静注全体の速度を変更せずにインスリンを調節できるようにするアプローチもある。インスリンに対する反応は予測不可能であり,血清血糖値をモニタリングし,インスリン投与速度を慎重に漸増していくことが非常に重要である。

新生児一過性糖尿病では,高血糖が自然消失するまでの間(通常は数週間以内),血糖値と水分を注意深く維持するべきである。

浸透圧利尿によって喪失した水分および電解質は全て補充しなければならない。

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