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子宮腺筋症

執筆者:

Charlie Kilpatrick

, MD, MEd, Baylor College of Medicine

レビュー/改訂 2021年 3月
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子宮腺筋症は,子宮筋組織内に子宮内膜の腺および間質が認められる病態であり,子宮をびまん性に腫大させる傾向がある。

子宮腺筋症では,異所性子宮内膜組織がびまん性の子宮増大を促進する(球状の子宮増大)。子宮の大きさが2倍から3倍になることがあるが,典型的には妊娠12週時の子宮の大きさを超えない。

真の有病率は不明であるが,これは一部には診断が難しいことによる。しかしながら, 子宮内膜症 子宮内膜症 子宮内膜症では,骨盤内の子宮腔以外の部位に機能をもった子宮内膜組織が生着する。症状は生着の部位によって異なり,月経困難症,性交痛,不妊,排尿困難,排便時の痛みなどがみられる。症状の重症度は病期と無関係である。診断は直接観察のほか,ときに生検(通常は腹腔鏡下)による。治療法としては,抗炎症薬,卵巣機能と子宮内膜組織の増殖を抑制する薬剤,子宮... さらに読む 筋腫 子宮筋腫 子宮筋腫は平滑筋由来の良性子宮腫瘍である。筋腫は,異常子宮出血,骨盤痛や圧迫感,泌尿器や腸管の症状,および妊娠合併症を頻繁に引き起こす。診断は内診,超音波検査,または他の画像検査による。症状のある患者の治療は,患者の妊孕性および子宮温存の希望に基づく。治療法としては,経口避妊薬,筋腫を縮小させるための短期間の術前ゴナドトロピン放出ホルモン... さらに読む 子宮筋腫 ,または 骨盤痛 骨盤痛 骨盤痛は体幹下部の不快感で,女性に一般的な愁訴である。外性器および会陰部皮膚近傍に生じる会陰部痛とは区別して考える。 骨盤痛は生殖器(子宮頸部,子宮体部,子宮付属器)または他の臓器に起因することがある。ときに原因不明である。 婦人科疾患の中には( 骨盤痛の原因としての婦人科疾患の表を参照),周期的な疼痛(すなわち,月経周期の同じ時期に繰り返し生じる痛み)を起こすものがある。それ以外の場合,痛みは月経周期に関連しない独立した事象である。痛... さらに読む の評価中に子宮腺筋症が偶発的発見される場合が最も多い。経産回数が多いとリスクが増加する。

症状と徴候

子宮腺筋症の一般的な症状は,月経過多,月経困難症,および貧血である。慢性骨盤痛が存在することもある。

閉経後に症状が消失することがある。

診断

  • 通常,超音波検査またはMRI

子宮腺筋症は,子宮内膜症や筋腫を認めない女性において,症状とびまん性の子宮腫大により示唆される。経腟超音波検査およびMRIが一般的に診断に用いられるが,確定診断には子宮摘出術後の組織学的検査が必要である。

治療

  • 子宮摘出術

子宮腺筋症に対する最も効果的な治療は子宮摘出術である。

要点

  • 子宮腺筋症では,子宮の大きさが2倍から3倍になることがある。

  • 一般的には月経過多,月経困難症,および貧血を引き起こすほか,慢性骨盤痛を引き起こすこともある;閉経後に症状が消失することがある。

  • 診断は経腟超音波検査および/またはMRIによるが,確定診断には子宮摘出後の組織学的検査が必要である。

  • 最も効果的な治療は子宮摘出術であるが,ホルモン療法(例,経口避妊薬)を試すこともできる。

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