喉頭疾患の概要

執筆者:Clarence T. Sasaki, MD, Yale University School of Medicine
レビュー/改訂 2020年 7月
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    喉頭は声帯を含み,気管気管支への開口部として機能する。喉頭疾患としては以下のものがある:

    喉頭を侵すその他の疾患としては,急性喉頭気管気管支炎(クループ),喉頭蓋炎,および喉頭軟化症などがある(吸気性喘鳴の主な原因の表を参照)。ハイムリッヒ法による異物の除去については,異物の除去および上気道の確保を参照のこと。

    大半の喉頭疾患は,音声の障害である発声障害を引き起こす。持続する声の変化(例,3週間以上)には,可動性を含めた声帯の観察が必要である。声は加齢とともに変化し,気息声および非周期的になるが,高齢者における急性または顕著な変化は,加齢による結果と想定すべきではなく,評価が必要となる。

    検者はCOVID-19やその他の感染症を予防するための予防策を適宜講じるべきである。音声を評価し,記録すべきである(特に外科的手技が計画されている場合)。喉頭の診察には,頸部の外側からの視診および触診,ならびに喉頭蓋,仮声帯,声帯,披裂軟骨,梨状陥凹,および声帯より下位の声門下部に対する内側の観察がある。内側の観察は,ミラーによる間接診察(喉頭疾患の図を参照),または外来で表面麻酔下の軟性ファイバースコープによる喉頭直達鏡検査のいずれかにより行う。全身麻酔下で行う硬性喉頭鏡検査では,以下のように,最も徹底的な声帯の診察が可能である:

    • 下面の観察

    • 麻痺もしくは固定のいずれかによって声帯が作動しない場合に,受動的可動性の評価

    • 生検

    喉頭疾患

    通常,弛緩した声帯はV字型に開き,空気が自由に気管へと通過できる。声帯は吸気時に開き,嚥下または発声時に閉じる。患者の口腔の奥でミラーを保持すると,しばしば声帯を観察でき,接触性潰瘍,ポリープ,結節,麻痺,がんなどの疾患がないか確認できる。麻痺は一方の声帯(片側性)または両方の声帯(両側性―図なし)に生じる場合がある。

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