縮小条虫(Hymenolepis diminuta)感染症

執筆者:Richard D. Pearson, MD, University of Virginia School of Medicine
レビュー/改訂 2020年 3月
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縮小条虫(Hymenolepis diminuta)は,ヒトに腸管感染症を引き起こす条虫である。

縮小条虫(H. diminuta)はネズミに寄生する条虫で,小形条虫(Hymenolepis nana)の間接的サイクルと同様の生活環を有し,その生活環には貯穀害虫が関わる。縮小条虫(H. diminuta)の体長は20~60 cmである。ヒトの感染症は通常無症状であるが,軽度の消化管症状を引き起こすことがある。

診断は便中での特徴的な虫卵の検出による。

縮小条虫(Hymenolepis diminuta)感染症の治療

  • プラジカンテル

  • 代替薬として,ニタゾキサニド,または米国外ではニクロサミド

縮小条虫(H. diminuta)感染症は,以下により効果的に治療される:

  • プラジカンテル25mg/kg,経口,単回投与

代替薬として,ニタゾキサニドやニクロサミド(米国では入手不能)などがある。

ニタゾキサニドを使用する場合,用量は以下の通りである:

  • 11歳以上の患者:500mg,経口,1日2回を3日間

  • 4歳以上11歳未満の小児:200mg,経口,1日2回を3日間

  • 1歳以上4歳未満の小児:100mg,経口,1日2回を3日間

ニクロサミドを使用する場合,用量は以下の通りである:

  • 成人:2g,経口,1日1回を7日間

  • 体重が34kgを超える小児:1日目は1.5gの単回投与,その後は1g,1日1回を6日間

  • 体重が11~34kgの小児:1日目は1gの単回投与,その後は500mg,1日1回を6日間

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