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ジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチン

執筆者:

William D. Surkis

, MD, Jefferson Medical College;


Jerome Santoro

, MD, Jefferson Medical College

最終査読/改訂年月 2019年 7月
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ジフテリアトキソイド,破傷風トキソイド,および無細胞百日咳を含むワクチンは,ジフテリア ジフテリア ジフテリアは,主にジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の毒素産生株,まれに比較的頻度の低い他のCorynebacterium属細菌によって引き起こされる,咽頭または皮膚の急性感染症である。症状は非特異的な皮膚感染症または偽膜性咽頭炎で始まり,それに続いて外毒素による心筋および神経組織の障害がみられる。無症候性保菌者も存在する。診断は臨床的に行い,培養により確定する。治療は抗毒素とペニシリンまたはエリスロ... さらに読む ジフテリア 破傷風 破傷風 破傷風は,破傷風菌(Clostridium tetani)が産生する神経毒による急性中毒である。症状は間欠性に生じる随意筋の強直性痙攣である。Lockjawという別名は咬筋の攣縮に由来する。診断は臨床的に行う。治療はヒト破傷風免疫グロブリンと集中的な支持療法による。 (嫌気性細菌の概要およびクロストリジウム感染症の概要も参照のこと。) 破傷風菌は耐久性の高い芽胞を形成するが,それらは土壌や動物の糞中に存在し,何年にもわたり生存する。... さらに読む 破傷風 ,および百日咳 百日咳 百日咳は,グラム陰性細菌である百日咳菌(Bordetella pertussis)を原因菌として主に小児および青年に発生する,感染性の強い疾患である。 まず非特異的な上気道感染症状が出現した後,通常は長い吸気性笛声(whoop)で終わる発作性ないし痙攣性の咳嗽(痙咳)がみられるようになる。診断は上咽頭培養,PCR,および血清学的検査による。治療はマクロライド系抗菌薬による。 百日咳は世界中で流行している。米国では3~5年のサイクルで流行... さらに読む の予防に役立つが,全ての症例を予防できるわけではない。

製剤

ジフテリア(D)ワクチンは,ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)から調製されたトキソイドを含有する。破傷風(T)ワクチンは,破傷風菌(Clostridium tetani)から調製されたトキソイドを含有する。無細胞(a)百日咳(P)ワクチンは,百日咳菌(Bordetella pertussis)の半精製または精製成分を含有する。全菌体百日咳ワクチンは,有害作用に関する懸念のために米国ではもはや入手できなくなっているが,世界の他の地域ではまだ入手可能である。無細胞ワクチンには次の2種類の製剤がある:

  • ジフテリア・破傷風・無細胞百日咳(DTaP),7歳未満の小児用

  • 破傷風・ジフテリア・百日咳(Tdap),青年および成人用

Tdapでは,ジフテリアおよび百日咳成分の含量が低減されている(このことを小文字のdとpで示している)。

適応

以下に該当する場合は,さらにTdapの追加接種も推奨される:

  • 妊婦:毎回の妊娠中(妊娠27~36週が望ましい),過去のTdap接種からの経過期間は問わない

  • 過去にTdapの接種を受けていない分娩後の女性

創傷管理の一環として破傷風トキソイドを含有するワクチンの接種を必要とし,かつ過去にTdapの接種を受けていない成人には,破傷風・ジフテリアワクチン(Td)の代わりにTdapを接種する。

百日咳菌の感染歴がある個人にも,ルーチンの推奨に従って,百日咳を対象に含むワクチンを接種すべきである。

禁忌および注意事項

DTaPおよびTdapの禁忌は以下の通りである:

破傷風の予防接種は重要であるため,DTaPまたはTdapの成分に対するアナフィラキシー反応の既往がある個人については,アレルギー専門医に紹介し,破傷風トキソイドに対するアレルギーの有無を明らかにするべきである。アレルギーがなければ,破傷風トキソイド(TT)ワクチンによる予防接種が可能である。脳症の既往がある成人には破傷風・ジフテリアワクチン(Td)の接種が可能であり,小児にはTdapの代わりにジフテリア・破傷風ワクチン(DT)を接種できる。

注意事項は製剤によって大きく異なる。

DTaPおよびTdapに関する注意事項としては以下のものがある:

DTaPのみに関する注意事項としては以下のものがある:

  • 過去のDTaP接種後3日以内に,痙攣発作(発熱の有無は問わない)を起こしたことがある

  • 過去のDTaP接種後48時間以内に,3時間以上持続し,あやしても治まらない激しい絶叫または啼泣を起こしたことがある

  • 過去のDTaP接種後48時間以内に,卒倒またはショック様の状態(筋緊張および意識レベルの低下[hypotonic hyporesponsive episode])に陥ったことがある

  • 過去のDTaP接種後48時間以内に,他の原因では説明できない40.5℃以上の発熱を起こしたことがある

Tdapのみに関する注意事項としては以下のものがある:

用量および用法

DTaPまたはTdapの用量は0.5mLの筋肉内接種である。

DTaPワクチンは,小児期に初回接種5回と追加接種1回を筋肉内注射で次の通り接種する:生後2カ月時,4カ月時,6カ月時,15~18カ月時,4~6歳時(就学前)。4回目を4歳以降に接種した場合は,5回目の接種は不要である。

Tdapの追加接種は1回のみであるが,妊婦は例外で,妊娠のたびに接種すべきである。

パール&ピットフォール

  • 女性は妊娠のたびにTdapの追加接種を受けるべきである。

有害作用

有害作用はまれであり,ほとんどが百日咳成分に起因する。具体的には以下のものがある:

  • 脳症(7日以内)

  • 発熱を伴うまたは伴わない痙攣発作(3日以内)

  • 48時間以内に,3時間以上持続し,あやしても治まらない激しい絶叫または啼泣を起こしたことがある

  • 卒倒またはショック(48時間以内)

  • 48時間以内に,他の原因では説明できない40.5℃以上の発熱を起こしたことがある

  • 即座に起こるワクチンへの重度の反応またはアナフィラキシー反応

軽度の有害作用には,注射部位の発赤,腫脹,および疼痛などがある。

より詳細な情報

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