(せん妄および認知症の概要 せん妄および認知症の概要 認知障害の原因として最も頻度の高い病態は, せん妄(ときに急性錯乱状態とも呼ばれる)と 認知症であるが,気分障害(例,うつ病)によって認知機能が障害されることもある。せん妄と認知症は異なる病態であるが,ときに鑑別が困難である。どちらも認知機能が障害されるが,両者の鑑別には以下の点が役立つ:... さらに読む と 認知症 認知症 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。診断は臨床的に行い,治療可能な原因の同定には通常,臨床検査および画像検査を利用する。治療は支持療法による。コリンエステラーゼ阻害薬はときに認知機能を一時的に改善する。 ( せん妄および認知症の概要も参照のこと。) 認知症はいかなる年齢にも起こりうるが,主として高齢者を侵す。介護施設入居者の半数以上にみられる。... さらに読む も参照のこと。)
認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。
レビー小体型認知症は3番目に頻度の高い認知症である。発症年齢は典型的には60歳以上である。
レビー小体は,球状で好酸性の神経細胞質内封入体で,シナプスタンパク質の一種であるαシヌクレインの凝集物で構成される。レビー小体型認知症患者の一部では皮質内に認められる。神経伝達物質の濃度と線条体から新皮質までのニューロンの経路に異常がみられる。
レビー小体は パーキンソン病 パーキンソン病 パーキンソン病は,安静時振戦,筋強剛(固縮),緩徐で減少した動作(動作緩慢)を特徴とし,やがては歩行または姿勢不安定に至る,緩徐に進行する神経変性疾患である。診断は臨床的に行う。治療は脳内のドパミン系の機能を回復することを目的とし,レボドパに加えてカルビドパおよび/または他の薬剤(例,ドパミン作動薬,B型モノアミン酸化酵素[MAO-B]阻害薬,アマンタジン)を投与する。認知症のない患者における生活に支障を来す難治性の症状には,脳深部刺激... さらに読む 患者の黒質にも認められ,この疾患の後期には認知症が発生することがある(パーキンソン病認知症[Parkinson disease dementia])。パーキンソン病患者の約40%は,通常は70歳以降に,パーキンソン病と診断されて10~15年が経過してからパーキンソン病認知症を発症する。
レビー小体はレビー小体型認知症とパーキンソン病認知症で生じることから,これら2つの疾患は中枢神経系と末梢神経系を侵す,より全般的なシヌクレイノパチーという疾患群の一部であると考える専門家もいる。レビー小体はときに アルツハイマー病 アルツハイマー病 アルツハイマー病は進行性の認知機能低下を引き起こし,大脳皮質および皮質下灰白質におけるβアミロイド沈着および神経原線維変化を特徴とする。診断は臨床的に行う;通常,臨床検査および画像検査により,アルツハイマー病を示唆する特異的所見の検索,また認知症の他の治療可能な原因の同定を行う。治療は対症療法である。コリンエステラーゼ阻害薬はときに認知機能を一時的に改善する。 ( せん妄および認知症の概要と... さらに読む の患者に発生することがあり,また逆に,レビー小体型認知症の患者に神経突起斑(neuritic plaque)と神経原線維変化がみられることもある。レビー小体型認知症,パーキンソン病,およびアルツハイマー病には,かなり重なりがある。これらの関係の解明にはさらなる研究が必要である。
レビー小体型認知症とパーキンソン病認知症の両方が,予後不良の進行性の経過をたどる。
認知症 認知症 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。診断は臨床的に行い,治療可能な原因の同定には通常,臨床検査および画像検査を利用する。治療は支持療法による。コリンエステラーゼ阻害薬はときに認知機能を一時的に改善する。 ( せん妄および認知症の概要も参照のこと。) 認知症はいかなる年齢にも起こりうるが,主として高齢者を侵す。介護施設入居者の半数以上にみられる。... さらに読む と せん妄 せん妄 せん妄は,注意,認知,および意識レベルが急性かつ一過性に障害される病態で,その程度には変動がみられ,通常は可逆的である。ほぼ全ての疾患および薬剤が原因となりうる。診断は臨床的に行い,原因同定のために臨床検査と通常は画像検査を施行する。治療は原因の是正と支持療法である。 ( せん妄および認知症の概要も参照のこと。) せん妄はあらゆる年齢で起こりうるが,高齢者でより多くみられる。入院する高齢患者の10%以上にせん妄があり,15~50%は入院... さらに読む は,認知機能が低下するという点で共通するが,両者を混同すべきではない。認知症とせん妄の鑑別には一般に以下の点が役立つ:
認知症は主に記憶に影響を及ぼし,典型的には脳の解剖学的変化によって生じ,発症がより緩徐で,一般に不可逆的である。
せん妄は主に注意力に影響を及ぼし,典型的には急性疾患または薬物中毒(ときに生命を脅かす)によって引き起こされ,可逆的であることが多い。
その他の特異的な特徴も,認知症とせん妄の鑑別に有用である(せん妄と認知症の相違点 せん妄と認知症の相違点* の表を参照)。
症状と徴候
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症における初期の認知力低下は, 他の認知症における認知力低下 症状と徴候 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。診断は臨床的に行い,治療可能な原因の同定には通常,臨床検査および画像検査を利用する。治療は支持療法による。コリンエステラーゼ阻害薬はときに認知機能を一時的に改善する。 ( せん妄および認知症の概要も参照のこと。) 認知症はいかなる年齢にも起こりうるが,主として高齢者を侵す。介護施設入居者の半数以上にみられる。... さらに読む と似ている。しかしながら,レビー小体型認知症では,しばしば注意,遂行機能,および視覚的認識能力の障害が早期から顕著にみられ,認知症の進行に伴い,顕著なまたは持続的な記憶障害が生じる傾向がある。
錐体外路症状(典型的には強剛,動作緩慢,歩行不安定など)が起こる。しかしながら,レビー小体型認知症では(パーキンソン病とは異なり)認知機能の症状と錐体外路症状が互いにもう一方の発生後1年以内に始まるのが通常である。また,錐体外路症状はパーキンソン病のものと異なり,レビー小体型認知症では,早期に振戦はみられないが,歩行不安定を伴う体軸筋の強剛が早期からみられ,機能障害が対称性となる傾向がある。繰り返す転倒がよくみられる。
認知機能の変動は,レビー小体型認知症に比較的特異的な特徴である。機敏で発話内容に一貫性があって見当識が保たれている時期と,混乱して問いかけに反応しない時期が交互に現れ,通常は数日から数週間単位で交替するが,ときに面接中に交替がみられることもある。
記憶が損なわれるが,その記憶障害は,記憶の獲得の障害よりも機敏性や注意の障害に起因するようである;したがって,短期的な想起は数唱記憶課題(7桁の数字を順唱,5桁の数字を逆唱する能力)ほど影響を受けない。
長時間,空間を凝視することがある。日中の過度の眠気がよくみられる。
視空間認知および視覚構成能力(積木課題,時計描画課題,図形模写課題で検査される)は,他の認知障害よりも大きく障害される。
幻視はよくみられるが,パーキンソン病でみられる良性の幻視とは異なり,しばしば脅迫的である。幻聴,幻嗅,および幻触の頻度はより低い。妄想は50~65%の患者でみられるが,アルツハイマー病でよくみられる単純な被害妄想と比べると,しばしば複雑かつ奇妙である。
自律神経機能障害はよくみられ,説明のつかない失神が起こることがある。自律神経機能障害は認知障害の発症と同時か,その後に起こる。抗精神病薬に対する過敏反応が典型的にみられる。
睡眠障害がよくみられる。多くの患者では, レム睡眠行動障害 レム睡眠行動障害 睡眠時随伴症は,入眠時,睡眠中,または睡眠からの覚醒時に起こる望ましくない行動である。診断は臨床的に行う。治療法としては薬物療法や精神療法などがある。 ( 睡眠障害または覚醒障害を有する患者へのアプローチも参照のこと。) これらの疾患の多くは,病歴聴取と身体診察で診断を確定できる。 睡眠中に起こる起座,歩行,またはその他の複雑な行動で,通常は開眼していても自覚している形跡はない。睡眠時遊行症は小児期後期および青年期で最も頻度が高く,ノン... さらに読む がみられるが,これはレム睡眠中に通常の骨格筋麻痺が起こらず,鮮明な夢を見ることを特徴とする睡眠時随伴症である。その結果,夢が行動化されることがあり,ときにベッドパートナーを負傷させる。
パーキンソン病認知症
パーキンソン病認知症(Parkinson disease dementia)では(レビー小体型認知症とは異なり)認知症に至る認知障害が典型的には運動症状の出現から10~15年後に始まる。
パーキンソン病認知症では,注意,記憶,視空間認知,構成,遂行機能など,複数の領域の認知機能が障害される。遂行機能障害は,パーキンソン病認知症ではアルツハイマー病の場合より早期からみられるのが典型的であり,頻度もより高い。
精神症状(例,幻覚,妄想)は,レビー小体型認知症と比べて頻度,重症度,またはその両方が低いとみられる。
パーキンソン病認知症では,認知症を伴わないパーキンソン病に比べて,姿勢不安定および歩行異常がより多く,運動機能の低下はより早く,転倒はより頻繁である。
診断
臨床基準
脳画像検査による他の疾患の除外
診断は臨床的に行うが,感度および特異度は低い。
一般的な 認知症の診断 臨床基準 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。診断は臨床的に行い,治療可能な原因の同定には通常,臨床検査および画像検査を利用する。治療は支持療法による。コリンエステラーゼ阻害薬はときに認知機能を一時的に改善する。 ( せん妄および認知症の概要も参照のこと。) 認知症はいかなる年齢にも起こりうるが,主として高齢者を侵す。介護施設入居者の半数以上にみられる。... さらに読む には以下の全てを満たす必要がある:
認知症状または行動(神経心理学的)症状が仕事や日常的な活動を行う能力を妨げている。
それらの症状が以前の機能レベルからの低下を反映している。
それらの症状をせん妄または主な精神障害によって説明することができない。
認知機能の評価には,患者および患者のことをよく知る関係者からの病歴聴取に加えて,ベッドサイドでの 精神医学的診察 精神状態の評価 まず注意の持続時間を評価する;注意力のない患者は十分な協力ができず,診察を困難にする。認知機能低下を示唆する徴候があれば,精神医学的診察( Professional.see sidebar 精神医学的診察)を行う必要があり,その中で認知機能を以下のように多面的に検査する: 時間,場所,人の見当識 注意力および集中力 記憶 言語および計算能力 さらに読む または(ベッドサイドでの検査で結論が出なければ) 正式な神経心理学的検査 認知機能の評価 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。診断は臨床的に行い,治療可能な原因の同定には通常,臨床検査および画像検査を利用する。治療は支持療法による。コリンエステラーゼ阻害薬はときに認知機能を一時的に改善する。 ( せん妄および認知症の概要も参照のこと。) 認知症はいかなる年齢にも起こりうるが,主として高齢者を侵す。介護施設入居者の半数以上にみられる。... さらに読む が必要である。
レビー小体型認知症の診断では,次の4つの中核的特徴のうち2つが存在する場合は可能性が高いとみなし,1つのみ存在する場合は可能性ありとみなす:
認知機能の変動
幻視
レム睡眠行動障害
パーキンソニズム
診断を裏付ける所見には,繰り返す転倒,失神,自律神経機能障害,日中の過度の眠気,および抗精神病薬に対する過敏性などがある。
レビー小体型認知症とパーキンソン病認知症は症状が重複することから,診断が複雑になることがある:
運動障害(例,振戦,動作緩慢,筋強剛)が先行し,認知障害よりも重度である場合は,通常はパーキンソン病認知症と診断される。
早期から認知障害(特に遂行機能障害)と行動障害が優位である場合は,通常はレビー小体型認知症と診断される。
レビー小体型認知症の患者では,認知症よりもせん妄に特徴的な症状である意識障害がよくみられることから, せん妄の評価 診断 せん妄は,注意,認知,および意識レベルが急性かつ一過性に障害される病態で,その程度には変動がみられ,通常は可逆的である。ほぼ全ての疾患および薬剤が原因となりうる。診断は臨床的に行い,原因同定のために臨床検査と通常は画像検査を施行する。治療は原因の是正と支持療法である。 ( せん妄および認知症の概要も参照のこと。) せん妄はあらゆる年齢で起こりうるが,高齢者でより多くみられる。入院する高齢患者の10%以上にせん妄があり,15~50%は入院... さらに読む を行い,特に以下のような一般的な原因によるものがないかを検討すべきである:
薬剤(特に抗コリン薬,向精神薬,およびオピオイド)
脱水
感染症
認知症の他の原因も除外すべきである。
レビー小体型認知症でみられるパーキンソニズムの特徴(例,体軸性筋強剛[axial rigidity],転倒)は,他の神経変性疾患(例,進行性核上性麻痺[PSP])の初期段階でもみられることがある。PSP患者も皮質下認知症を発症することがある。垂直眼球運動の障害およびMRI正中矢状断上での中脳萎縮(ハミングバード徴候またはKing Penguin徴候)など,PSPのその他の特徴的所見を同定することが,レビー小体型認知症との鑑別に役立つ可能性がある。
レビー小体がみられる認知症ではCTおよびMRIに特徴的な変化はみられないが,初期には認知症の他の原因を除外するのにこれらの検査が役立つ可能性がある。ドパミン輸送体の放射性トレーサーである123I-FP-CIT(N-3-fluoropropyl-2-β-carbomethoxy-3beta-[4-iodophenyl]-tropane)を用いた脳のSPECT(単一光子放出型CT)は,基底核のドパミン作動性ニューロンの機能障害の検出に役立ち,レビー小体型認知症の診断バイオマーカーとして機能する。
レビー小体型認知症の同定に役立つ可能性があるその他の画像検査としては,以下のものがある:
フッ素18(18F)標識デオキシグルコース(フルオロデオキシグルコース,FDG)を用いた脳のPET(陽電子放出断層撮影)
ヨード123-メタヨードベンジルグアニジン(MIBG)を用いた心筋シンチグラフィー(レビー小体型認知症では,心臓交感神経節後線維の脱落が起こるため,MIBGの心臓への取り込みが低下する)
しかしながら,これらの検査は臨床現場でルーチンには用いられてはいない。
睡眠ポリグラフ検査によるレム睡眠行動障害の確認が,レビー小体型認知症の診断確定に役立つことがある。
確定診断には脳組織の剖検標本が必要である。
治療
支持療法
レビー小体型認知症およびパーキンソン病認知症の治療は一般的に 支持療法 治療 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。診断は臨床的に行い,治療可能な原因の同定には通常,臨床検査および画像検査を利用する。治療は支持療法による。コリンエステラーゼ阻害薬はときに認知機能を一時的に改善する。 ( せん妄および認知症の概要も参照のこと。) 認知症はいかなる年齢にも起こりうるが,主として高齢者を侵す。介護施設入居者の半数以上にみられる。... さらに読む である。例えば,居住環境は明るく,にぎやかで,親しみ慣れたものとし,見当識を強化できるような配慮を施す(例,大きな時計やカレンダーを部屋に置く)べきである。患者の安全を確保する対策(例,徘徊する患者に対して遠隔モニタリングシステムを使用する)を講じるべきである。
厄介な症状は治療することがある。
薬物
コリンエステラーゼ阻害薬 アルツハイマー病の治療薬 は認知機能を改善する可能性があり,レビー小体型認知症またはパーキンソン病認知症の患者で役立つ可能性がある。
コリンエステラーゼ阻害薬であるリバスチグミンはレビー小体型認知症(およびパーキンソン病認知症)の治療に使用できる。開始量は1.5mg,経口,1日2回とし,認知機能の改善を試みるため,必要に応じて6mg,1日2回まで漸増できる。また他のコリンエステラーゼ阻害薬も使用できる。
レビー小体型認知症の患者の約半数では,錐体外路症状が 抗パーキンソン病薬 治療 パーキンソン病は,安静時振戦,筋強剛(固縮),緩徐で減少した動作(動作緩慢)を特徴とし,やがては歩行または姿勢不安定に至る,緩徐に進行する神経変性疾患である。診断は臨床的に行う。治療は脳内のドパミン系の機能を回復することを目的とし,レボドパに加えてカルビドパおよび/または他の薬剤(例,ドパミン作動薬,B型モノアミン酸化酵素[MAO-B]阻害薬,アマンタジン)を投与する。認知症のない患者における生活に支障を来す難治性の症状には,脳深部刺激... さらに読む に反応するが,精神症状は悪化する可能性がある。このような薬剤が必要な場合,レボドパが優先される。
レビー小体型認知症では,従来の抗精神病薬は非常に低用量でも錐体外路症状を急激に悪化させる傾向があるため,使用を避けるのが最善である。
非ドパミン作動性のセロトニン5-HT2A受容体選択的逆作動薬であるピマバンセリン(pimavanserin)は,パーキンソン病認知症患者の精神病症状(幻覚,妄想)の治療に使用できる。
終末期の問題
認知症患者は洞察力と判断力が低下しているため,金銭管理を行う家族,後見人,または弁護士の決定が必要になる場合がある。認知症の早期,患者が判断能力を喪失する前に,介護についての患者の希望を明確にしておき,金銭上および法律上の取り決め(例,永続的委任状, 医療判断代理委任状 医療判断代理委任状(durable power of attorney for health care) 事前指示書は,ある人が能力を喪失した場合に,医療に関する決断に対しその人のコントロールを及ばせる法律文書である。能力の喪失が起きる以前に希望を表明するため,それらは事前指示書と呼ばれる。このような文書では通常,終末期ケアに関する決定が含まれている。このような終末期の決定について患者と共感的かつ効果的にコミュニケーションを取るには特別な技術が必要であるため,訓練が望ましい。 2つの主要な形式の事前指示書がある:... さらに読む )を行うべきである。これらの文書に患者が署名する際は,患者の 能力 能力(資格)および無能力 歴史的には「無能力(incapacity)」は主に臨床的所見とみなされ,「無資格(incompetency)」は法的所見とみなされた。その違いは,少なくとも用語としては,もはや厳密に認識されてはいない;これらの用語はしばしば互換的に使用されているが,現在ほとんどの州法では「無資格」よりむしろ「無能力」を使用している。現在では,医療に関する... さらに読む を評価し,評価結果を記録すべきである。人工栄養および急性疾患の治療についての決断は,必要性が生じる前に決断しておくのが最善である。
要点
レビー小体はレビー小体型認知症とパーキンソン病で生じることから,これら2つの疾患は中枢神経系と末梢神経系を侵す,シヌクレイノパチーという同じ疾患群の一部であると考える専門家もいる。
認知症がパーキンソン病の特徴の出現とほとんど同時に発症し,認知機能の変動,注意の欠如,鮮明な夢,精神症状(例,幻視;複雑で奇怪な妄想),および自律神経機能不全を伴う場合,レビー小体型認知症を疑う。
パーキンソン病の特徴の出現から数年後に認知症が発症した場合,特に遂行機能障害が早期に発生した場合は,パーキンソン病認知症を疑う。
レビー小体型認知症またはパーキンソン病認知症の患者では,認知機能の改善を試みるため,リバスチグミンおよびときに他のコリンエステラーゼ阻害薬の使用を考慮する。