肝炎の原因

執筆者:Sonal Kumar, MD, MPH, Weill Cornell Medical College
レビュー/改訂 2020年 12月
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肝炎とは,びまん性または斑状の壊死を特徴とする肝臓の炎症である。

肝炎には急性の場合と慢性(通常は6カ月以上続く場合と定義される)の場合がある。急性ウイルス性肝炎は,ほとんどの症例で自然に消失するが,慢性肝炎に進行する場合もある。

肝炎の一般的な原因

肝炎の一般的な原因としては以下のものがある:

少なくとも5つの特異的なウイルスが原因とみられている(肝炎ウイルスの特徴の表を参照)。おそらくは,まだ同定されていない他のウイルスも急性ウイルス性肝炎を引き起こすと考えられる。

肝炎の比較的まれな原因

肝炎の比較的まれな原因としては,自己免疫疾患,遺伝性肝疾患,他のウイルス感染症(例,伝染性単核球症黄熱サイトメガロウイルス感染症)やレプトスピラ症などがある。

肝臓を侵す寄生虫感染症(例,住血吸虫症マラリアアメーバ症),化膿性感染症,および膿瘍は,肝炎とはみなされない。結核やその他の肉芽腫病変を伴う肝障害はときに肉芽腫性肝炎と呼ばれるが,その臨床的,生化学的,組織学的特徴は,肝炎ウイルス,アルコール,および薬物を原因とする肝炎でみられるびまん性の肝障害のそれとは異なっている。

様々な全身性感染やその他の疾患は,肝の炎症や壊死といった小病巣を形成することがある。この非特異的な反応性肝炎は軽度の肝機能障害を引き起こす可能性があるが,通常は無症状である。

肝臓で生じる感染性および非感染性の炎症の種類につき肝障害を伴う主な感染症の表に要約する。

表&コラム
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